TCシンポジウム2019の参加費用

8月27日(火)と28日(水)にテクニカルコミュニケーションシンポジウム2019というイベントがあります。いわゆる取扱説明書の制作に関連した業界イベントですね。

JAGAT(一般財団法人テクニカルコミュニケータ協会)のロゴ

そこでXORを紹介させてもらおうかと思ったのですが、案内を見て怯んでしまいました。というのも以下の項目を見つけたので。

TC関連商品紹介発表&展示会の開催単位での参加料金
法人会員 : 90,000円(非課税)
個人会員 : 120,000円(非課税)
非会員 : 200,000円(消費税別)

非会員は馬鹿げているので個人会員登録すべきだろうけど、それでも12万円。加えて入会金10,000円、年会費10,000円も必要です。

これが3万円くらいなら払ってもいいかなと思うけど、計14万円はちょっと考えてしまいます。今どき展示会ってのもなんだし、その他の特典は会報誌にイベントの報告として製品紹介が載るくらいかと。

というか私は大手制作会社に勤めているときに、このイベントに参加した話を聞いたことはなかったのですよね。業界の同窓会みたいな趣のイベントだったら出展効果が薄いかもしれないし。

ともかく応募締め切りは2019年5月10日(金)だそうだから、もうしばらく考えてみることにします。

でも、その14万円を別のパブリシティ費用に回した方が良いかな。主要メディアに広告を出すとか。それなら8月末まで待つ必要もないし。

XORの弱点

XORは二つのPDFの違いを100%見つけるという触れ込みですが、弱点もあります。それは「あまりに微妙な違いは見つけにくい」です。

例えばこちらの二つのテキストを比較する場合。

比較したいテキスト
比較テキスト1
比較したいテキスト
比較テキスト2

これをXORで比較するとこうなります。

比較結果のテキスト
XORによる比較結果

一見、差はなさそうですが拡大して見れば1行目の「プ」と「ブ」、2行目の「バ」と「パ」の箇所にうっすらと赤や青がにじんでいます。

とはいえ濁点と半濁点の違いは微妙なのでビジュアル的に比較しても差はわずか。人によっては見逃してしまうかも。XORの将来バージョンでは比較結果のコントラストを上げる機能を搭載するべきでしょうね。

もっとも、実際の制作におけるテキスト修正では文字数や文字の並びも変更されることが多いので、差異はもっと見つけやすいかと。

ちなみに、こちらの二つの画像を比べる場合も微妙です。

比較したい写真
比較したい写真1
比較したい写真
比較したい写真2

XORによる比較結果はこうなります。魚の色がやや青みがかっていますね。

XORによる比較結果の画像
XORによる比較結果の画像

ただし、そもそも元の画像で色味が違うのは一目瞭然だし、XORの比較結果がもっと微妙なら、それは比較する両画像の差も僅かということ。そのまま世に送り出しても問題にはならないのではないかと…。

色味にこだわりがあるデザイナーは肉眼で両者の違いを見比べて確認してください。

「XORなんて…」と思うなら

XORはPDF差異検出ツール、あるいはPDF比較ツールと呼ばれる類いのアプリです。

この分野はそこそこ歴史も長く、多くはないけど既存製品がいくつかありますAdobe Acrobat Pro DCProof Checker PROといった定番アプリの他にもフリーで使えるものも存在しています。

よってXORを知ったところで「無名の有料アプリなんか要らない」と思われる方は多いでしょう。そこで実例をもってXORの有用性をアピールしたいと思います。

例えばこちらの二つのPDF。

NTTの光回線の機械に付属する取扱説明書の新旧バージョンです。特に許可は得ていないものの、公開されているので使わせていただきました。

これをAcrobatで比較するとこんな感じ(クリックで拡大表示)。

Compare result by Acrobat
ハイライトの箇所をクリックすると「画像が置換されました」といった変更内容が表示されます

少なくとも私にとってはこれが見やすい、解りやすい比較結果には思えないのですよね。私の注意が散漫なのかもしれないけど、せっかく差異を見つけてくれても見落としそうになるので。昔のAcrobatでは引出し線付きで図解してくれていて便利だったけど、そのモードは今では無くなったみたいですね。

これに対してXORにおける比較結果はこの通り。

Compare-result-by-Acrobat
青や赤がにじんでいるところはすべて差異です

私にとってはXORの方が既存のどのPDF比較アプリよりも差異の箇所を探しやすいと思うのでですが、いかがでしょう?

というわけで、ぜひ他のお気に入りアプリでも試してみてください。XORよりも良いアプリが見つかるかもしれないけど、XORの方がいいと感じる方もおられるかと思うので。

なお、XORには決定的な弱点があることも把握しています。よって次のバージョンではその点を克服した機能を搭載する予定です。

AcrobatのPDF比較で痛い目にあった話

まず最初にAdobe Acrobatは素晴らしいアプリであることを断言しておきます。印刷業を含む商用ドキュメンテーションを生業にしている人は誰しも恩恵を受けていることでしょう。もちろん私も愛用しています。

Adobe Acrobat のアイコン

そのAcrobatシリーズの内、Acrobat PRO DCにはPDF比較機能があります。これ、便利だけど残念ながら完璧ではないのですよね。

例えば、以前私がとある冊子ものの取扱説明書を改版したときにこの機能を使ったところ、最終ページに存在した差異を報告してくれないことがありました。

その差異は無用な変更で、改版日の「2017」が「2016」になっているといった類の単純ミス。しかも運悪くダブルチェックをお願いした相手も見過ごしてしまったため、自信を持って提出したら、クライアントから指摘される失態を演じてしまいました。

見過ごした原因は修正原稿に赤字が入っていない箇所だったため。よもや赤字以外の箇所が変更されているとは思いもよらなかったわけです。

加えて、私もAcorobatのPDF比較機能が完璧でないことは承知していたものの、「単純なテキストの差異はすべて見つけてくれたはず」という先入観が働いていたのだと思います。

でも、途中のページまではしっかり差異を検出してくれていたので、何かの拍子にアルゴリズムが最終ページに到達する前に終了してしまったのでしょう。PDFのデータ構造は複雑なので、解析方式による比較ではどうしても相性の良し悪しが出てきます。

ひょっとしたら将来のAcrobatではビッグデータの利用やAI技術などを盛り込んで完璧に近い比較ができるようになるかもしれません。大きく修正された場合でも要素の正確なペアリングを推測するような。でもそれは未来の話。

よって現時点ではXORのようなPDFページをビジュアル的に比較するアプリを併用した方がいいと思います。

XORは「どう変わったか?」は無理だけど「どこが変わったか?」なら100%見つけ出します。

xor concept animation

PDF比較アプリ一覧

XORはPDF差異検出ツール、あるいはPDF比較ツールと呼ばれる類いのアプリです。この分野はそこそこ歴史も長く、多くはないけど既存製品がいくつかあります。

XOR's App icon

Mac App Storeバッジ

そこで一覧にまとめてみました。他にもあるかもしれないので見つけたら随時追加していきます。価格は税抜きです。

Adobe Acrobat Pro DC

  • 比較方式:解析比較
  • プラットホーム:Windows/Mac
  • 価格:1,580円/月

ドキュメンテーション業界人御用達、普及率は圧倒的なので、これで事足りる方なら他のアプリは不要ですね。

Proof Checker PRO

  • 比較方式:解析比較・ヴィジュアル比較
  • プラットホーム:Windows/Mac
  • 価格:100万円超・4.2万円〜/月

ドキュメンテーション業界で圧倒的な信頼を得ている最強PDF校正ソフトウェア。Acrobatよりも高い精度の比較結果を返してくれます。ただしお値段が…。

Before After CV

  • 比較方式:ヴィジュアル比較
  • プラットホーム:Windows/Mac
  • 価格:86,400円

印刷会社における製版の現場で使われていると伺っています。

DiffPdf

  • 比較方式:解析比較
  • プラットホーム:Windows/Mac
  • 価格:$160(オープンソース版は無料?)

一説ではAcrobatよりも高精度とも言われるものの、私が試した限りでは違いは見受けられませんでした。逆に言えば「Acrobatは無料のReaderで事足りる。PROの各種機能は要らない」という方にはいいかもしれません。

WinMerge

  • 比較方式:テキスト抽出比較
  • プラットホーム:Windows
  • 価格:Free

いわゆるDiffですね。無料なのでテキストオンリーのPDF比較には最適でしょう。

PDF24 Tools

  • 比較方式:テキスト抽出比較
  • プラットホーム:Web
  • 価格:Free

無料のWebサービスという点が素晴らしいです。モード選択に「ビジュアル」があるものの私の環境では選べませんでした。また、比較結果を読み解くのはコツが要りそうです。

diff-pdf

  • 比較方式:ヴィジュアル比較
  • プラットホーム:-
  • 価格:Free(オープンソース・ソフトウェア)

XORと同じ目的のアプリです。GPLのオープンソースなのでソフトウエア開発やコマンドラインの利用に精通している人にはいいかもしれません。

Brava Desktop

  • 比較方式:ヴィジュアル比較・テキスト比較
  • プラットホーム:Windows
  • 価格:37,500円〜(画像対応版/マークアッププラス)

PDF比較アプリというより、PDFの比較もできる多機能ビューワーアプリのようです。機能構成ごとにたくさんのエディションに分かれていて価格も違います。

Antenna House リグレッションテストシステム

  • 比較方式:ヴィジュアル比較
  • プラットホーム:Windows/Linux
  • 価格:要問い合わせ

PDF(出版物、画像、ビジネス文書など)を高速かつ自動で比較するシステムです。

PDF比較Finder

  • 比較方式:ヴィジュアル比較
  • プラットホーム:Windows
  • 価格:198,000円〜

おそらくCADなどの図面や帳票を比較することが目的のアプリです。

XOR

  • 比較方式:ヴィジュアル比較
  • プラットホーム:Mac(Win版は近日リリース)
  • 価格:2,000円/月

当アプリです。現状、Mac版しかないけど最も簡単に使えると自負しています。

この内、どれが最適かは個々の業務内容によって違うことでしょう。用途は局所的で市場は小さいのに競争は多いけど「絶妙感さえ醸し出せたなら」と見込んでいます。「ちょっと費用はかさむけど、一番好きなアプリ」の座を射止められればと。

さしあたりXORが想定しているターゲット層は以下のニーズを持った方々です。

  • 二つのPDFの違いを100%見つけて欲しい
  • 違っている場所さえ指し示してくれれば十分。差異が正しい修正かどうかは自力で確かめるから
  • なるべく簡単な操作で使えるものが欲しい。コマンドラインはマニアックで馴染めない
  • オプション要らずで使えるものがいい。PDFの特性によって比較モードを変えるようなことはしたくない
  • ドングル要らず
  • 納得感があれば有料でもいい
  • 職場でも自宅でも1ライセンスで使いたい
  • サブスクリプションがいい。休職やリタイヤすれば不要になるので

私もかつて取説の受託制作に従事していた際にそのように考えていました。中でも簡単操作は重要です。自身も含めて制作の現場にいるのはITに精通した人ばかりとは限らないし。

現状のXORは機能的にはオープンソースのdiff-pdfと大差ないし「ざわざ有料アプリを使う必要はない」と思われるかもしれませんが、以下の点を評価してご利用いただければ幸いです。

  • 馴染みやすいGUIが付いている
  • 将来的に便利な機能をもっと追加する予定

30日間無料で試用できるのでぜひお試しください。