改行したらどうなる?

XORにおけるPDF比較に対して時おり訊ねられるのが「例えばページの途中で改行があった場合、どうなるか?」というもの。「”改行された(それ以降は内容が変わらずに移動された)”と知らせてくれる」といった答えを期待してのものでしょうが、残念ながらそうはなりません。XORの比較はページを画像として比べるので改行が発生した箇所以降はすべて差分として表示されます。たまたまピッタリ合致した箇所を除いては。

よって「どこがどのように変わったか?」を望むのであれば、PDFを解析して比較するProof Checker ProのようなPDF比較アプリ(デジタル校正ツール)が相応しいでしょう。あるいはAcrobat Proか。

対してXORは「どこが変わったか?」だけを示します。これは私が制作者として働いていた際にそれでも十分有益だと確信したためです。「どこが変わったか?」は裏を返せば「どこが変わっていないかを特定できる」ということです。初校→再校→三校と段階的に完成を目指す制作では「どこかに無用な変更が生じていないか?」を簡単に確かめられるだけでも疑心暗鬼のストレスから解放され、時間短縮・コストカットに繋がります。

それに、もしアプリが「どのように変わったか」まで示してくれても、それが「その変更は意図した通りか?」は人間が確認してやる必要があります。だったら「どこが変わったか?」だけでもよかろうと。

そもそもPDFのデータを解析して比較するようなアプリの開発には膨大な費用がかかるので、月額2,000円のサブスクリプションで提供するのは到底不可能です。

xor concept animation
XORはPDFのデータを解析せずビジュアル的に比較します

XORが目指すところ

日本では製造物に何かと高い品質が求められます。もちろんドキュメントも例外ではなく、例えば取扱説明書の類ではちょっとした誤字脱字にも神経質な傾向があります。よって制作においてはPDF比較アプリを活用して完成度を高めたいところです。

日本のドキュメント制作業界で最高の信頼を勝ち得ているアプリはおそらくProof Checker Proでしょう。多彩な比較方式を有し、高い比較精度を実現しています。ただし、1ライセンスが100万円を超えるハイエンドアプリなので小規模の制作会社や個人では導入できません。

他の有力手段としてはAdobe Acrobat ProのPDF比較機能があるものの、PDFを解析して付き合わせる方式のため、データの状態によってはどうしても差異の誤検出や検出漏れが起こります。

他にもPDF比較アプリは多数存在しているようですが、これといって定番化したものはなさそうです。少なくとも私がかつて勤めていた横浜と都内の大手制作会社では上記2製品以外を使っているという話は聞かれませんでした。

とはいえPDF比較アプリの需要はあるはずです。日本では製造業が盛んなのだから取説の制作需要一つをとっても今後も脈々と続けられていくのだから。

よってXORの目指すところは「Proof Checker ProやAdobe Acrobat Proに続く第三の定番アプリの座を狙う」または「Proof Checker ProやAdobe Acrobat Proと併用してもらう」です。

App icon of the XOR

Microsoft Store Badge

XORが目指すところ

XORはPDF比較ツールと呼ばれる分野のアプリです。修正前と後のPDFの差異を見つけます。

PDFの新旧比較は普遍的ニーズなので、この分野には既存製品がたくさんあります。中でも以下の二つが有名です。

  • Adobe Acrobat DC PRO
  • Proof Checker PRO

他にもあるようだけど私は導入事例を知りません。何しろ私が昨年まで勤めていた都内の制作会社でも、その前に勤めていた横浜の制作会社でもProof Checker PROを導入していたこともあり、他のアプリを導入しようという動きがなかったもので。

とはいえProof Checker PROは中小規模の制作会社ではおいそれと導入できないハイエンドアプリ。ましてやフリーランスの個人ともなるとまったく手が届かないので市場に開拓余地は残されているはずです。

よってXORはそれらに次ぐ「第三の選択肢」のポジションを狙っています。Mac版しかない現状ではアピールが難しいけど、Windows版をリリースできたらいよいよ本格的にレースに参入です。

Acrobatの難点

Adobe Acrobat DC PROはドキュメンテーション業界では必須アプリです。大変重宝しています。

Adobe Acrobat のアイコン

ただし手放しでありがたがっているわけではありません。というのも動作が重いのですよね…。

例えばmacOSにバンドルされているプレビュー.appはAcrobatよりもキビキビと動作します。でも、プレビュー.appの方は注釈機能の使い勝手などがAcrobatほど使い勝手がよくありません。テキストを選択したらコンテキストメニューから注釈化を選べればいいのですが。

PDFの閲覧だけならプレビュー.appだけど、それ以外の用途では重たいAcrobatに頼らざるを得ない状況が続いています。

PDF解析比較の致命的な弱点

Adobe Acrobat DC PROのPDF比較機能は解析比較方式です。二つのPDFのデータ構造を解析して付き合わせて比較します。

この方式の弱点は二つ。

  1. 時々比較もれが起きる
  2. 動作が重たい

1 の説明は『AcrobatのPDF比較で痛い目にあった話』を参照してください。

2 は時としてもっと厄介です。例えば100ページを超える二つのPDFを比較しようとすると、前処理に長い時間がかかった挙句、比較中にアプリが異常終了して時間が無駄になることも多いので。散々待たされた上に途中までの比較結果さえ提示してくれないという。

もちろん50ページずつに切り分けて別々に比較することはできるけど、面倒ですよね。場合によってはもっと細かく分けなければならないかもしれないし。

ちなみにXORなら100ページかそこらならへっちゃらだし、PDFを読み込んだら前処理もなくすぐに比較を始められます。