2019年4月 – ページ 2 – XOR for Mac & Windows:リアルタイムPDF比較ビューワ

Mac制作が絶対的に優位な点

かつてDTPといえばMacの独壇場だったけど、15年くらい前にWindows版のAdobe Creative Suiteが登場したことでWindows制作派も増えたかと。

でもドキュメント制作にはいまだにMacの方が断然適していると思います。その理由の一つが「スピーチ」の存在です。テキストを選択してマウスの右クリックで表示されるメニューから呼び出すと、選択中のテキストを読み上げてくれるOSの標準機能です。iOSにも搭載されているのでiPhoneやiPadでも利用できます。

macOSのスピーチ機能

もちろん固有名詞を始め、読み間違いは多いのだけど、それでも「てにをは」や、誤字脱字のチェックには多大な効果を発揮します。

例えば文中に「たけのこご飯」が「たけこのご飯」と書かれていても目視だとスルーしがちだけど、読み上げさせて耳で聞けば簡単に間違いを発見できます。

他にも、コピペでテキストを編集すると「をを、」や「はは、」が紛れ込んだりしがちですよね。これも読み上げさせればあっさり発見できます。ひょっとしてWindowsでもサードパーティ製の何かをインストールすれば同様のことができるようになるかもしれないけど、Windowsは万事がそんな感じ。ちょっと気の利いたことをやるにはカスタマイズが必要なのですよね。ITに疎い人には難しいかもしれません。

ちなみに「スピーチ」は何もしなくても最初から使えるようになっています。読み上げ速度は設定で変更できるけど。

よって、文章を書く機会が多い人なら、この「スピーチ」機能のためだけだとしてもMacを選ぶべきでしょう。

Google広告

XORを広く周知させたいけど私も職人タイプの人間なので営業は不得手です。そこでGoogleに広告を出すことにしました。

XORのGoogle広告
作成したXORのGoogle広告

というのも最近こちらのキャンペーンコードのメールを受け取っていたのを思い出したので。

Googel広告のクーポン
Googel広告のキャンペーン

7,500円だと1日あたりの最低設定額の193円とするなら1ヶ月ちょっと。でも、日額が設定できるということは、多く払わないと露出度が上がらないってことか。

それにGoogle広告の仕組みからして、自身が設定した関連キーワードを誰かが検索してくれないことには表示されないのではないかと。まあ、あまり期待できないかな。

それでもせっかくのキャンペーンだから使うべきだろうし、ささやかでも何か反応があってくれると嬉しいなぁ。

それと、反応がなければサービスの自動更新は忘れずにオフにしないと。

テクニカルコミュニケーションシンポジウム2019

正直なところXORの販促活動には苦労しています。何しろ私の得意分野ではないので。よくある話ですよね。職人タイプの人は営業が苦手という。でも、私が制作者だったからこそ、XORのアイディアを思いついたのだけど。

で、一応、関連がありそうなWebサイトに手当たり次第にコンタクトを取って試用をお願いしているものの、反応は

よって一発でニュースリリースできるドキュメンテーションの業界団体みたいなものがあればいいのだけど、毎年2月にPAGE展を開催しているJAGAT(公益社団法人日本印刷技術協会)は、私のような個人は相手にしてくれないようで。

もう一つ、取扱説明書などの分野でお馴染みのTC協会(一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会)は個別の製品の宣伝活動には与しない方針とのこと。

JAGAT(一般財団法人テクニカルコミュニケータ協会)のロゴ

それでも8月27日(火)と28日(水)にはテクニカルコミュニケーションシンポジウム2019というイベントがあるので、そこでは何らかの活動ができるかな。8月末ならWindows版もリリース済みなはず。これ、申し込んでみようかと思います。受け付けてもらえるかは解らないけど。

でも、4ヶ月も先だし、もう少し早く満足に売り上がる体制を作りたいところです。

XORの良くない使い方

XORは修正された新旧PDFの差を見つけるアプリ。簡単に言うと「間違い探しアプリ」です。でも、娯楽としての間違い探しにはには使わない方がいいと思います。ONE PIECEの単行本にもときどき読者投稿の間違い探しイラストが載ったりしますよね。

例えばこちらの2枚の写真。どこかに違いがあります。

アカホシカニダマシの写真2

アカホシカニダマシの写真1

一見して同じに見える画像の違いを探すのは大変です。でも、だからこそ探している間は脳が活性化するわけです。

ただし、二つの写真をPDFにしてXORにかけるとこうなります(クリックで拡大表示)。

アカホシカニダマシの写真3

よく見ると青い点が見つかります。つまり、間違い探しにXORを使うと、せっかくの脳トレの機会が無駄になり、達成感も得られずつまらなくなってしまいます。

Windows版を待てないなら

近年、商用ドキュメンテーション業界で使われているMacとWindowsのどちらが多いかはわかりません。なんとなく小さい制作会社や個人ではMacが多く、中規模以上の企業はWindowsといった感じではないかと思うけど、どうでしょうか。

さて、Windows版のXORのリリースにはまだしばらく時間がかかります。Macの場合とは違ってMicrosoftが提供する開発環境にはPDFハンドリング用APIが揃っていないのでMac版よりも開発が難航するかもしれません。

よって、XORの価値を認めていただけるならWindows版のリリースを待たず、中古か整備済み製品のMac miniあたりを導入することをお勧めします。

Mac mini 2018
キーボードは付属しないのでMac用を調達した方がいいでしょう

XORはサブスクリプションで提供されるのでひとまずMac版を導入し、Windows版がリリースされたらMac版を解約してWindows版に乗り換えるのがいいかと。

しかもMacにWindowsをインストールすればWindows機として使うこともできます。これほどスタイリッシュでコンパクトなWindows PCなんて他にありませんよね?

なぜMac版のみ?

XORは現状Mac版のみです。Windows版は後日のリリースとなります。

macOS Mojave
macOS Mojave

前世紀、DTPといえばMacの独壇場だったけど、2000年前後のAppleの破綻危機や2003年にAdoboe Creative Suite(Windows版あり)の発売を受けて、Windows派の制作者が増ええました。Macとは違い国産メーカーのPCも選べたし(お得意様の系列会社から仕入れたりもできた)、本体だけなら割安なWindowsの方が日本企業には導入しやすかったのでしょう。

私に言わせれば商用ドキュメントのWindows制作なんてクレイジーな選択で、Macの方が生産性がはるかに高いと思うのだけど、その話はまた別の機会に。

実際、私が昨年まで勤めていた都内の大手制作会社や、その前にいた横浜の大手にしてもスタッフ全員への割り当てはWindows PCで、別途共有のMacが数台あるだけといった感じでした。

よって、XORの開発者を探している段階ではWindows版→Mac版という順番でリリースするつもりだったものの、委託の合意に至った開発者がWindowsよりもMac & iOS向けの開発に慣れていたので考え直しました。新たなアプリの開発では途中で予定外の仕様変更が発生しがちなことを踏まえると、慣れたMac開発で仕様を固めてからWindowsに移植するのが賢明だろうと。

加えて、Macの開発環境にはPDFを扱うためのAPI群が揃っているけどWindowsにはそれがないのでサードパーティ製の有償PDFライブラリを導入する必要が出てきます。もし何らかの理由でXORのリリースが叶わなかった場合、ライブラリの導入費用は無駄になってしまいます。

そのような背景から、Mac版→Windows版でリリースすることになりました。Windows版をお望みの方々、もうしばらくお待ちください。

XORのメインターゲット

私が想定するXORのメインターゲットは以下。

  • 中小零細の企業やフリーランスの個人としてドキュメント制作に携わっている人

そしてそのような人は今後増えていくと見ています。

PDF比較の重要性は説明するまでもないでしょう。日本ではちょっとした誤字脱字すら許されない風潮があるし、些細なミスでも大ダメージになりかねないので、完璧を目指したいところです。

そこで最も頼りになるアプリがProof Checker PROだけど、1ライセンス100万円超、または月々4.2万円〜なので、導入できるのは大きな組織だけです。

実は、私は約一年前まで都内の某大手ドキュメント制作会社に勤めていたものの、業績不振を受けて退職を余儀なくされました。「賃下げを飲むか辞めるか」の選択を迫られ、辞める方を選んだわけです。なにしろ、あのまま残っても会社の売り上げが急回復して私への報酬が元の水準に戻るとはとうてい思えなかったのですよね。

昨今、紙などの原材料費なども上がっているのだから、本来なら制作会社はクライアントに制作費の値上げ交渉をすべきだけど、下手に切り出そうものなら逆に単価の引き下げを求められ兼ねないので、固定費を切り詰めて乗り切るしかないと考えていたようです。正社員を最小人数に抑え、派遣やアルバイト、外注で補うのだけど、それでも持ちこたえられそうになければ、常駐の非正規雇用スタッフはもちろん、いよいよ正社員も減らさざるを得なくなります。私の退職もその過程で煽りを受けた形です。

とはいえ薄利多売のドキュメント制作業。スタッフが減ったからと仕事を断るわけにはいかないので、今後は「大手が受けた仕事を小規模な制作会社やフリーランスの個人が下請けで制作するケースが増えていく」というのが私の業界の見立て、近未来予測です。

結果、そのような制作者たちはProof Checker PROには手が出ないので、比較的安価な代替アプリを求めるはず。そこでXORも何とか一定数以上のユーザを得られれるのではないかと。

幸いなことにアプリを販売する上で、昔のようにメディアを焼いて一つずつ箱詰めし、流通網に乗せて売り上げを回収するといった経費はかからなくなったし、Mac App Storeでリリースすれば違法コピーの心配もいりません。

また、サブスクリプションが広く受け入れられてきたのも追い風です。XORを48,000円一括払いとかで売り出しても、どれほども売れないと思うから。

PDF比較で「どのように変わったか」は本当に要る?

Adobe Acrobat DCのPDF比較機能を使うと、修正された新旧PDFの間で「どこがどのように変わったか?」をリポートしてくれます。解析精度が完璧ではない点はひとまず脇に置いて、ここでは問題提起をしましょう。

  • 「どこが」はともかく「どのように変わったか」は本当に要るの?

例えば下図のようなDTP原稿があったとします(画像のクリックで拡大表示)。

DTP原稿の例

これに対してDTP担当者から下図のような修正結果が上がってきました。

DTPによる修正結果
残念ながら「太字の」という指示が反映されていません

よって新旧をAcrobatのPDF比較にかけるとこういう結果になります。

AcrobatによるPDF比較の結果例

「イザリウオ」が「カエルアンコウ」に変更された点は検出したけど、DTP原稿の「太字の」が反映されていないことには気づいてくれません。そう、Acrobatが見つけるのは「どう変わったか」であって「指示通りに変更されたか?」ではないのですよね。

だったらどうせ人間が確認しなければならないのだから「どこが変わったか」だけで十分ではないでしょうか?

XORは「どこが変わったか」だけを検出するアプリです。

Proof Checker PROには敵わないけど…

PDFの新旧比較をする製品として業界内で絶大な信頼を勝ち得ているのがProof Checker PRO。PDFの品質確保に特化しているので、万能アプリのAcrobatよりも精度の高い比較結果を返してくれます。加えてプリフライトの機能も優れているので、制作受注コンペの際に「Proof Checker PRO導入済み」は殺し文句のような効力を発揮します。

Proof Checker Pro 5 LITEの画像

そのProof Checker PROもバージョン4まではAcrobatと同じくPDFのデータを解析するタイプの比較が主力機能だったけど、昨年発売のバージョン5では「ビットマップ比較モード」が加わり、より完成度の高い校正ソフトウェアとなりました。

解析方式による比較だとPDFのデータ構造や修正内容によっては要素のペアリングがうまくいかず、どうしても不正確な結果が出かねないけど、ビットマップ化してビジュアル的に比較すればそれを補えるわけです。

ただし、Proof Checker PROは高機能、高性能なプロ用のソフトウェアで1ライセンスが100万円を超えています。LE版という期間限定のライセンスプラン(3ヶ月版/12ヶ月版)も用意されていて繁忙期だけ導入するような使い方ができるものの、それでも月額4.2万円からといった価格なので、やはり中小零細な制作会社や個人での導入は難しいでしょう。

よって、Proof Checker PROを乗り物に例えるなら「ラグジュアリーな高級車」。至れり尽くせりで誰もが憧れるものの、なかなか手が届かないような。

対してXORは「電動アシスト付き自転車」かな。補助はあっても動力すら人力だし、快適さでは大きく見劣りするけど必要最小限の目的は果たせます。そして何よりも導入費用と維持費が安いという。

また、Proof Checker PROはドングル方式なので複数人で使う場合はアプリをインストールした1台のPC、もしくはドングルの方を譲り合うことになります。そのため運悪く締め切りが重なれば順番待ちが発生するわけです。

でもXORは各人が自身のMac(近い将来はWindows PCでも)で独占的に使う前提です。しかも、Apple IDが同じなら職場でも自宅でも1つのライセンスだけで利用できます。

XORは機能面ではProof Checker PROには到底敵いません。Proof Checker PROが持つ様々な便利機能の内、ビットマップ比較モードだけを違う方式で実現した感じなので。

でも、導入・維持のコスト面に限ればXORの方がお手頃です。