選択的夫婦別性への代替案

選択的夫婦別姓が早ければ今国会で審議されるかもという状況です。

夫婦別性のイラスト

ただし自民党内には反対派議員も少なからずいるので与党案がすんなりまとまるかは疑問。「通称制度で事足りる」なんて言う人もいるけど通称はパスポートのIDに保存されず海外では通用しないし、通称名義のクレジットカードも作れないので論外です。

とはいえ別姓で採決に挑むとして党議拘束をかけようものなら離党者が出かねません。まあ、私は無党派だし政権交代がある方が健全なので割れてくれればありがたいけど。

ちなみに私は夫婦別姓に賛成だけど、もっといい案があるとも思っています。それは「夫婦相互姓」とでも言うもの。つまり夫と妻の両者が望むなら相手の姓も本名として名乗れるという。

例えば佐藤太郎さんと鈴木花子が結婚するとして、花子さんが仕事の都合などで旧姓のままを望む場合、婚姻届の記入例はこんな感じで。

夫婦相互姓の婚姻届の記入例

この例では、夫は佐藤太郎だけど、妻は鈴木花子であり佐藤花子でもあると。

あるいはもっと単純に、届け出の記入なしでも結婚相手の姓も本名として認める法律でもいいかも。何もせずとも夫も結婚後は鈴木太郎を名乗れるように。

夫婦別性に反対する人の言い分として「子供の姓が親のどちらかと違ってしまい、家族の一体感が損なわれる」というものがあります。実にナンセンスな苦し紛れの意見だと私は思うけど、上記の案なら両者の間に子供が産まれて父親の佐藤姓を名乗らせたとして、母親は佐藤花子でもあるのだから文句なかろうと。

中には家系を繋ぐ目的とかで第一子を佐藤、第二氏を鈴木にするような家庭が出ないとも限らないけど、そこまでは法律で面倒を見切れないやな。

よって私が思いつく懸念は「1名1回限りのサービスに2回登録できてしまうかも」ということぐらいかな。でも住所と姓名の名を付き合わせることで、ある程度は検出できるでしょう。

別性反対派がこの案で納得するかは判らないものの、このあたりで妥協した方が何かと賢明ではないかな。

米国大統領選の行方

2024年11月の米国大統領選挙、暗殺未遂事件をドラマチックに生き延びたトランプ前大統領の圧勝かと思われたものの、ここに来てジョー・バイデン大統領が2期目への出馬を取りやめたことで状況が変わってきました。

ジョー・バイデン米国大統領

バイデンに代わる民主党の大統領候補はハリス副大統領。つい先日までの「失言王バイデンVS妄言王トランプ」「ボケ老人VSツッコミ老人」という構図が一転して、「元検事VS刑事被告人」に。ならば善人と目されるハリスで決まり、とはいかないのが米大統領選の面白いところです。

とは言えトランプ陣営は攻め手を慎重に選ぶ必要があるでしょう。女性蔑視や人種、民族などの属性で攻撃しようものなら浮動票が大きく動きかねないので。

事実、バンス副大統領候補のかつての「子供がいない女性が」という発言が物議をかもしていますよね。私は子供がいない女性ではないけど、猫好きの1人として聞き捨てならんです。まあ、猫好き男性はともかく、望んでも子供を持てなかった女性の投票行動には影響を及ぼすことでしょう。

しかも、トランプ(およびバンス)はあの性格なので向こう3ヶ月ちょっとの選挙戦で同様の不穏当な言動をしでかして自滅する可能性も小さくないと見ています。米国大統領選は結局のところいくつかの激戦州の浮動票が鍵を握るわけだし、不用意に蜂の巣をつついて痛い目に遭うと。

それにしてもトランプ推しの日本人って総じて間抜けで滑稽です。自身には選挙権もないのに応援者気取りで、相手方を嘲笑し、攻撃的になる傾向が見られます。親分に倣ったのか、考えが違う人を叩く快感を覚えてしまったのでしょう。

そこで思い当たるのは「久しぶりに帰省したら、実家の父親がYoutubeを見まくってて、すっかり発言がネトウヨ化していた」なんて話にそっくりだなと。

だいたいトランプはアメリカファーストなのだから、もし再選されれば、安倍晋三なき日本の負担は増やされて振り回されるのが目に見えいているのに。

ちなみに私のスタンスは「民主党側にも何ら思い入れはないけど、トランプは支持できない」です。それに、米国の大統領がどちらになろうとも日本は受け入れるしかないのだから、現時点で勝者を決めつけて肩入れするような発言は実にナンセンスだと思っています。

東京都の保育料第1子無償化は悪手

先日の東京都知事選、小池百合子知事が三選を果たしました。

2024年の東京都知事選挙。現職の小池氏が3回目の当選 石丸氏 蓮舫氏らを抑える

まあ私は都民ではないのでその結果をどうこういう気も無いのだけれど、当選したことで小池都知事が選挙公約に掲げた「第1子の保育料無償化」が隣接県に波紋を広げているようです。例えば千葉県の熊谷知事は「東京とそれ以外で福祉の格差はどんどん開く。われわれの努力で埋めることはできない」と言います。そりゃそうだよな。

そしてこの政策は東京にとって実は拙い悪手だとも思います。

気づいていない人も多いけど、東京の大きな課題の一つは高齢化がこれから急激に進むのに介護キャパが足りないことです。

今年中には団塊の世代全員が後期高齢者の仲間入りだし、団塊の世代を一番多く抱えているのが東京。当然ですね。東京には企業が集結しているのだから。

とはいえ地価が高く、適切な土地が残っていない東京では大規模介護施設を建てることもできません。

かつての役割を終えた多摩ニュータウンなんかを介護拠点に再開発できればいいけど、それとて区分所有者がいるため困難です。仮に適した土地建物を確保できたとしても、職の選択肢が多い東京では低賃金で重労働な介護人材の成り手が乏しいという問題がつきまといます。

つまり、東京は介護において他県、特に隣接の三県との連携が重要になってくるけど、「第1子の保育料無償化」で都外への転出を考えていた都民を引き止めれば、他県からそっぽを向かれても仕方ないでしょう。「東京都は、これからの消費活動を担う子育て世代は抱え込む一方で、もはや消費はしない要介護の高齢者を押し付けられても敵わん」とばかりに。

隣接県の介護施設が「都民の受け入れはお断り」なんて露骨なことはしないまでも、同県民の要介護者の受け入れを優先するので、結果的に東京都民は公的な介護機会にありつけないということは考えられます。そうして都内で介護離職者、介護待機者、そして介護放置される独居高齢者が激増すれば大きな社会問題化します。

そんなわけで福祉においては、東京都は潤沢な財源で独走するのではなく、隣接県と連携して物事を進めるべきです。