コロナ病床の逼迫に思う

五輪が終わり、ニュースの主要テーマはコロナ病床の逼迫問題に移りました。何しろ今感染した場合、ちゃんと入院治療、あるいはホテル療養が受けられるかもわからないので。自宅療養は人によっては不安が大きいですよね。例え軽症でも容体が急変することがあるようだし。

そこで野戦病院的な施設が必要だと思います。なお、パーティションは不可欠でしょう。

橋下氏は否定的なようだけど、法律が整ってなくても人命のためにはどうにか調整して早急にやらざるを得ないはずです。医療人材に関してもそう。少ない人員で多くの患者を効率的に診られるようにしないと助かる人も助けられなくなりかねません。実際、福井県はまだ病床に余裕がある中で予備の100床を確保したし、他の都府県にもできるはずです。

そう聞いて連想するのが介護問題。特に東京都の。何しろ永年の一極集中のせいで数年後の東京は超高齢化に見舞われます。進学や就職で地方から出てきてそのまま東京に居を構えた団塊の世代以降が続々と後期高齢者になるためです。コロナの重傷者数と同様、母数が多ければ要介護者も増えるけど、これといった解決策はありません。何しろ土地の制約から大規模介護施設なんて建てられないし、介護士のなり手もいないので。

中には「東京にはこれからも若い世代が流入するから大丈夫」なんて言う人もいるけど、それは浅はか。若者が増えても要介護者が減るわけではないことは、ちょっと考えればわかるはずです。

そこで本来ならかつての役割を終えた多摩ニュータウンなどを介護拠点地域として再開発すべきだろうけど、そんな話は聞かれません。区分所有の問題もあって難しいのでしょうね。よって東京では介護離職、介護待機、そして介護放置される人が急増します。必然的に閉塞感が漂い、都や区市の財政も厳しくなるでしょう。東京五輪は特需なく終わってしまったというのに。

ちなみに地方なら土地の制約も少なく集中的な介護施設も確保しやすい上に、東京よりも仕事が圧倒的に少なく、巨額の住宅ローンを抱えた人もあまりいないので、低所得の介護でも就職先の選択肢になり得ます。

というか、地方では高齢化が先に進んだおかげで今後の高齢化ペースは落ち着いていきます。現役世代を東京に送り出したため、今の高齢者を送れば続く世代が少ないので。もちろん減った人口が回復するわけではないので、これといって特徴なない田舎は存続が難しくなるけど、ある程度の人口がある地方の都市部では、東京とは逆に高齢化問題が過去のものとなっていきます。

選択制夫婦別性について

先日、最高裁が夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲と判断しました。

でも、私は選択制夫婦別性に賛成です。そうしても何ら問題はなかろうと。

夫婦別姓

中には「別姓だと家族の一体感が失われる」なんてアホなことを言う人もいるけど、そんなもの妄想です。苗字が同じでも関係が崩壊した家族は多いし、国際結婚の場合をはじめ苗字が違っていても円満な家族も大勢います。

そして、むしろ夫婦同姓のためにレア苗字まで無くなりかねないのは文化的な損失です。

ちなみにフィクションの世界だと、名探偵コナンに登場する赤井秀一、羽田秀吉、世良真純の三兄弟が別姓ですね。かなり特殊な家族だけど。

差し当たり「妻の苗字を選ぶ自由もあるのだから男女差別ではない」という意見に対しては、良いアイディアがあります。だったら婚姻届を出す際に、どちらの姓を名乗るべきかをくじ引きで決めることにしようじゃないかと。

いや、チンチロの方がいいかな。二人で分担できるから。そして二つのサイコロを振って出た目が丁(偶数)なら夫の、半(奇数)なら妻の苗字を名乗らなければならいと。

サイコロ
出目が丁なら夫の姓に決定

結果、どっちを名乗ることになっても恨みっこなしの一発勝負。これなら姓を選択できなくてもフェアです。

プロセスエコノミー

ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか』の6月30日放送ではIT批評家の尾原和啓さんがゲストでした。

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!
辛坊さん自身は太平洋ヨット航海の帰路につきました

語られたのは「プロセスエコノミー」について。何でも「モノづくりにおいて、もはや機能では差別化できない。ならば成果物よりもプロセスの方が価値を有する」とのこと。あるいは「プロセス込みの成果物に価値を高められる」のだと。なるほど、その通りだと思います。

差し当たりXORの場合、開発過程を公開して共有するのは無理だけど、そのバックグラウンドなら語れます。

1. 課題の発見

2016年秋、私は都内のドキュメント制作会社に再就職しました。その会社では主に編集者として取扱説明書の制作に携わったのだけど、現場では実にアナログな校正がなされていました。校正紙をいちいちプリントアウトして目視でDTP原稿と見比べる感じです。

そのため校正能力が問われる上、やたらと時間がかかるし、ときには無用な変更の見落としも発生します。DTP原稿の修正指示とは違う箇所が変化していても、なかなか気づけないものです。

よって「これはアプリを導入して効率化を果たさないことには」と思いました。

2. 既存の解決策

もちろんそんな非効率なやり方を誰も問題視しなかったわけではなく、その部署でも1ライセンスが100万円を超える有名なPDF比較アプリを導入していました。

ただし、アプリにはコピープロテクトがあり専用のUSBドングルを装着したPCでしか起動できず、利用者が限られていました。使用を禁止されてはいなかったものの、締め切りが重なると重要案件を手がけるベテラン編集者が優先されるため、私のような新入りやDTPオペレータ、その他のスタッフは使用を遠慮すべきと言わんばかりの空気感が醸成されていて。

よって各人は代わりにAcrobatのPDF比較を使っていたけど、ご存知の通り精度が高いとは言えなくて。

3. 転機

それでも日々業務をこなしていたものの、2018年春、会社の業績不振を受けて「賃下げか退職か」を迫られました。その会社が長年続けてきた採算度外しの受注に限界がきた形です。結局、その部署では私を含めた何人もの制作スタッフが立て続けに退職しました。

そうして退職が決まり、身の振り方を考えた末に思いついたのが「だったら理想のPDF比較アプリを作って世に送り出してみようじゃないか」でした。業界大手のその制作会社でも制作業務を改善する余地があったのだから、より小さい制作会社、そして個人の制作者ならなおさらだろうと。

4. プロセスエコノミー

その後、予想以上に時間はかかったものの一応の完成をみてリリースするに至ったのがXORです。

コンセプトは「必要十分なPDF比較をすべての制作者に」ですが、まだ完全体だとは考えていません。新機能のアイディアもたくさんあるし、リクエストがあれば検討したいので、ぜひお寄せください。

そうして、ユーザや潜在的ユーザの意向も交えながら発展させて行かれるといいと思います。本当は新機能開発費のクラウドファンディングができればいいのだけど、Mac App AtoreやMicrosoft Storeだと出資者への還元が難しくて。

Windows 11考

Windows 11

先週、Windows 11のリリース予告がアナウンスされました。確かWindows 10が最後のWindowsだったはずだけど

とはいえWindows 11へのアップグレードも無料だし、互換性に関してはMicrosoftは全力で取り組むはずです。超巨大シェアこそがWindowsの強みだから。

よって一番の懸案は「ユーザの移行タイミング」でしょう。

差し当たり個人であればさほど問題なく移行できるかと。せいぜいデバイスドライバの対応具合程度です。

でも、企業や団体のの場合は難しいですよね。業務用なら用途が限られているので11に急いで上げる理由がありません。

実際、私がXOR for Windowsをリリースした際に古巣のドキュメント制作会社に試用を頼んだところ「まだ社内がWindows 7だから無理」と断られました。Windows 7にはMicrosoft StoreがないのでXORをお使いいただけません。

Windows 10のサポートは2025年とされています。でも、きっと延長されますよね。一方で、来年以降に発売されるPCはWindows 11搭載機種が増えていくでしょう。そうして向こう5年以上、Windows 10と11のどちらがメインのOSなのか判らない状況が続きそうです。

まあ、アプリメーカーはWindows 10と11の両方をサポートすればいいってだけかもしれないけど、単純にテストの作業量が増えてしまいます。

次に買いたいMac

M1プロセッサ搭載のiMacを買おうかと思っていたけど、macOS Montereyにユニバーサルコントロールが搭載されることを知って気が変わりました。次に買うのはiMacではなくMac miniになるでしょう。

Mac mini 2018

Mac miniにはカメラ&マイクが付いていないのでWeb会議やらオンライン英会サービスにはiMacの方が便利そうだったけどMontereyなら、Mac miniをメインマシンにしつつ、カメラ&マイクはサブのMacBook Airのものを使えば良くなります。

というわけでMontereyがリリースされる秋以降にMac miniを買いたいと思います。でも、どうせなら同時期にモデルチェンジして欲しいものです。第二世代のM1プロセッサ(名前はM2?)搭載に。