XOR blog – ページ 52 – XOR for Mac & Windows:リアルタイムPDF比較ビューワ

DiffPDFを試してみました(3)

DiffPDFでFROGFISH WORLDの2ページ目を比較した結果です。

まずはAppearanceモード。

DiffPDF result : Appearance

大きく変わっているけど、全体が黄色く塗られています。やはりページの背景は白じゃないとダメなようです。

そしてCharactersモード。

DiffPDF result : Characters

こちらはうまく検出してくれています。青は挿入されたテキスト、ピンクは変更された文字です。

さらにWordsモード。

DiffPDF result : Words

P.6とP.10は「……」の箇所がピンクに着色されています。でも、仮にそこに差があったとしても、どうでもいいですよね

Adobe Acrobat PRO DCのPDF比較機能もそうなのだけど、複数モードを使い分けるタイプのツールは少々厄介。3つのモードで得意不得意が違うなら、複合的なコンテンツでは3通りの比較をしなければならないので。

XORもやっとキャラ立ちできました

XOR Version 1.1をMac App Storeでリリースしました。追加機能は「囲み」と「マスク」です。

そもそもXORのVersion 1.0にはいくつもの難点がありました。

  1. 知名度が低い
  2. 有償である
  3. Windows版がない
  4. 差を見つけてくれてもすべては覚えられない

1と2に関しては地道に啓蒙活動を重ねるしかありません。3にも今しばらく時間を要します。

よって喫緊の課題だったのが4。せっかく二つのPDFの差を100%検出してくれても箇所が多ければいちいち覚えられないですよね。

そこで比較結果上で見つけた変更箇所をマーキングしたり、もう確認が不要と判断した箇所を隠したりする機能を追加しました。

他にも搭載したい機能の案はたくさんあるのだけど、ひとまずこれで実用的な最低限のツールとして成立できたと思います。

XORの使い方の紹介動画

XOR Version 1.1のリリースに伴い、使い方紹介の動画を作成しました。

動画制作は専門外でいかにも稚拙な作りだし、自分の声による下手なナレーションには我ながらがっかりするけど、なんとか要点は踏まえて紹介できているのではないかと。

よろしければ一度ご覧ください。

そして印刷業やドキュメント制作に携わっている知り合いがいるようでしたら、ぜひ紹介していただけますでしょうか。このアプリを使えばきっと彼ら彼女らのお仕事が楽になるので感謝してもらえると思います。

新機能がつきました!

XOR Version 1.1をリリースしました。変更箇所は以下の通りです。

  • 囲みの機能を追加
  • マスクの機能を追加
  • 細かい不具合を調整

囲みは「見つけた変更箇所をマーキングする機能」です。

マスクは逆に「変更がなかった箇所を覆い隠す機能」です。

なお、囲みとマスクはPDFを並べて表示した状態に戻したり、書き出したPDFやプリントアウトにも反映されます。

と、テキストで説明されても想像できないかもしれないので、こちらの動画をご覧ください。

DiffPDFを試してみました(2)

DiffPDFを別のテストデータでも試してみました。このblogで度々登場するいつもの「FROGFISH WORLD」です。

まず、一番頼りになるAppearanceモードの比較結果はこちら。

DiffPDF result : Appearance
DIffPDF Appearanceモードの比較結果

なんと両方のページ全体が黄色く着色されてしまいました。これだと何も見つけてくれなかったのと同じです。推測するに、差異を探すアルゴリズムが「背景色は白」という前提で比較しているのではないかと。

そしてCharactersモードとWordsモード。

DiffPDF result : Characters
DIffPDF Charactersモードの比較結果
DiffPDF result : Words
DIffPDF Wordsモードの比較結果

ほぼ同じですね。Charactersモードは文字単位比較なので「Yogata」と「YOGATA」の先頭の「Y」の字が差異から除外されているだけで。

そして「TROPICAL PACIFIC」という白文字のフォントの違いはどちらのモードも見逃しています。

ちなみに「TROPICAL PACIFIC」はAdobe Acrobat PRO DCのPDF比較でも見逃されてしまう箇所です。

そう、PDFのデータを解析して比較する方式だと100%の比較結果が出ないのが以前から解っていたので、「その弱点を補うアプリには需要があるはず」と踏んでヴィジュアル比較方のXORを開発してリリースしました。

DiffPDFを試してみました(1)

DiffPDFというPDF比較アプリがあります。「PDF比較ツール」といった検索をかけるとAcrobatに次いで割と上位に表示されますよね。ライセンスは$160、20日の試用期間があります。

こちらがなかなかの評判なので試してみました。

下図はテストデータを読み込ませた直後の状態。両方とも1ページのみです。

DiffPDFの比較前

まず気づくのが「Mode」。三種類の比較モードが用意されています。

DiffPDFのモード

せっかくなので三つとも試すことにします。

Appearance

見た目の比較モード。いわゆるヴィジュアル比較方式です。

DiffPDF(Appearance)

薄い黄色は差異が含まれる箇所。すべての変更箇所を見つけてくれています。さすが。ヴィジュアル比較は頼もしいですよね。

Characters

文字比較かな。

DiffPDF(Characters)

画像関連の比較がまったくなされないのはしかたないにしても、写真下の「f11 1/125」と「f16 1/60」やタイトル下の「Mandarin fish」と「Mandarinfish」の違いを検出してくれていないのは残念です。どちらもテキスト情報なのに。

Words

文字比較かな。

なぜ「Characters」と別れているのかは不明ですが、明らかに比較結果の表示が違うので、アルゴリズムが違うのでしょう。文節重視の比較でしょうか?

DiffPDF(Words)

「Mandarin fish」と「Mandarinfish」の違いを検出してくれたけど、「f11 1/125」と「f16 1/60」はやはり見逃しています。

感想

このデータに限って言えば、頼りになるのは「Appearance」のモードだけでした。

そう、解析方式によるPDF比較ではどうしてもデータ構造との相性の良し悪しが出ます。うまく行くときもあればいかないときもあり、結果を鵜呑みにすると痛い目に遭いかねないという。

だからこそXORもヴィジュアル比較方式を採用しました。「どう変わったか?」は認識できないけど、そもそも変更箇所が正しい修正かどうかは人間が確かめる必要があるのだから、変更箇所だけ洗い出してくれれば十分だろうという判断です。

DiffPDFのライセンスは$160だから、XORを8ヶ月分契約するよりも便利だと思われるならお勧めです。

アオリってしんどくないですか?

ドキュメント制作の現場では昔から「アオリ」というテクニックが使われています。新旧のPDFをプリントアウトし、机上で同じページどうしをぴったり重ねて片方の手で上端を押さえ、もう片方で上の1枚をめくったり戻したりを繰り返して残像の違和感で差異のある箇所を見つける方法です。

以下の画像はアオリをイメージとして再現してみました。タップして拡大表示させてみてください。

アオリの再現イメージ.gif
アオリの再現イメージ.gif

確かに効果的だけど、いわば動画的に確認する方法なので、いくつか難点もありますよね。

  • 差異ががありそうな箇所に見当がついていないと見逃しがち
  • 差異が複数あってもすべての箇所を覚えられない
  • ページが複数あると作業が煩雑になる

そこでXORでは静止画的に確認できる方法を採用しています。

XORの比較イメージ
XORの比較イメージ

この画像では分かりにくいかもしれないので、ぜひアプリをダウンロードして30日間試用してみてください。拡大表示もできるので差異をもれなく発見できるはずです。

 

クライアント企業にもお勧めします

XORが想定するターゲットは商用ドキュメント類の制作者です。業種としては印刷業や制作業、職種なら「編集者」や「DTPオペレータ」でしょうか。

日本でそれらに従事している方がどれぐらいいるのかは解りません。Adobe InDesignのユーザーの大半はPDFを生成しているだろうからXORの潜在ユーザーと見なせると思うものの、そのすべてに訴求できるはずもなく、せいぜい数%を狙うのが現実的かと。

ただし、実は別のユーザー層も見込んでいます。それは「製造業企業における取扱説明書の担当者」です。

広告物ならば制作会社側が主導でクライアントの意向を踏まえつつ作り上げることになります。セオリーや宣伝効果を考えるのは制作側です。でも、取説の場合は製品知識を持つクライアント側が大きな役割を担うことになります。制作会社から提出されたPDFの内容が正しいかや妥当かどうかを判断する必要があるためです。

しかも取説は製品のマイナーチェンジに伴い何度も改版されるし、新製品を投入する際にも既存製品との共通部分を流用します。

よって広告とは違い、取説のクライアントは新旧PDFを比較する機会が多々あるはずです。

ただし、有償のAcrobat PROではなく無料のAcrobat Readrを使っていることも多いかと。だったらPDF比較の機能がないのでXORへの需要があるだろうと。XORを使って変更箇所を洗い出せば確認の所要時間短縮、ひいてはコストカットに繋がるので。

とはいえその層にアプローチできるようになるのはWindows版のリリース後でしょうね。デザイン業界ではMacがふんだんに使われているけど、一般的なビジネスではWindowsが圧倒的だから。

XORは稼ぐアプリではなくコストを下げるアプリ

わずかな機能しかないXORの月額2,000円というサブスクリプション費は高いと思われますよね。

XOR Subscription dialog

例えば、Adobe Creative Cloud(コンプリートプラン個人向け)だとPhotoshop、Illustrator、InDesign、Acrobat PRO DCなどが使えて月額5,680円です。仮にこの4種類しか使わないとしても1アプリにつき1,500円弱だから激安。Microsoft Office(Office 365 Buisiness 一般法人向け)もWord、Excel、PowerPointなどが使えて月額1,080円です。

XORのサブスクリプション費が割高な金額に設定されている理由は二つ。

  • 知名度と獲得見込みユーザ数が圧倒的に違う
  • アプリの性質が違う

1. は文字通り。どうあがいても天下を取ったアプリの足元にも及ぼうはずもなく、薄利多売には踏み切れません。

2. はAdobe CCやMicrosoft Officeの各アプリが「何かを作るアプリ」なのに対してXORは「品質確保のアプリ」です。別の言い方だと「稼ぐアプリ」と「カットを助けるアプリ」ということになるでしょう。用途や目的が違うのだから価格付けも単純に倣うわけにもいきません。

商用のドキュメント制作では単純なミスの見落としであっても時として大きな問題を引き起こして余計なコスト負担を強いられかねません。

また、制作物の仕上がり具合を確認する所用時間を減らせれば、それは稼ぐための作業の一部を担っているとも言えるでしょう。

よって私としては「見込める効果と考えれば月額2,000円は安いものだ」と思っていただけるよう周知活動や機能追加を頑張るだけです。

日本以外では厳しいかも

XORはMac App Storeでリリースしたので、対応言語は日本語と英語のみだけど世界中で展開しています。

とはいえ日本以外の市場で受け入れてもらうのは難しいかと。日本では制作物の些細なミスにも神経質な傾向があるけど、外国ではもっと鷹揚だろうから。

日本では多くの分野で過剰な品質が求められるし、それが各関係者の不利益につながることも少なくないと思うものの、だからこそXORが存在価値を発揮できる余地があるとも言えるのですよね。