Support – ページ 5 – XOR for Mac & Windows:リアルタイムPDF比較ビューワ

プロセスエコノミー

ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか』の6月30日放送ではIT批評家の尾原和啓さんがゲストでした。

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!
辛坊さん自身は太平洋ヨット航海の帰路につきました

語られたのは「プロセスエコノミー」について。何でも「モノづくりにおいて、もはや機能では差別化できない。ならば成果物よりもプロセスの方が価値を有する」とのこと。あるいは「プロセス込みの成果物に価値を高められる」のだと。なるほど、その通りだと思います。

差し当たりXORの場合、開発過程を公開して共有するのは無理だけど、そのバックグラウンドなら語れます。

1. 課題の発見

2016年秋、私は都内のドキュメント制作会社に再就職しました。その会社では主に編集者として取扱説明書の制作に携わったのだけど、現場では実にアナログな校正がなされていました。校正紙をいちいちプリントアウトして目視でDTP原稿と見比べる感じです。

そのため校正能力が問われる上、やたらと時間がかかるし、ときには無用な変更の見落としも発生します。DTP原稿の修正指示とは違う箇所が変化していても、なかなか気づけないものです。

よって「これはアプリを導入して効率化を果たさないことには」と思いました。

2. 既存の解決策

もちろんそんな非効率なやり方を誰も問題視しなかったわけではなく、その部署でも1ライセンスが100万円を超える有名なPDF比較アプリを導入していました。

ただし、アプリにはコピープロテクトがあり専用のUSBドングルを装着したPCでしか起動できず、利用者が限られていました。使用を禁止されてはいなかったものの、締め切りが重なると重要案件を手がけるベテラン編集者が優先されるため、私のような新入りやDTPオペレータ、その他のスタッフは使用を遠慮すべきと言わんばかりの空気感が醸成されていて。

よって各人は代わりにAcrobatのPDF比較を使っていたけど、ご存知の通り精度が高いとは言えなくて。

3. 転機

それでも日々業務をこなしていたものの、2018年春、会社の業績不振を受けて「賃下げか退職か」を迫られました。その会社が長年続けてきた採算度外しの受注に限界がきた形です。結局、その部署では私を含めた何人もの制作スタッフが立て続けに退職しました。

そうして退職が決まり、身の振り方を考えた末に思いついたのが「だったら理想のPDF比較アプリを作って世に送り出してみようじゃないか」でした。業界大手のその制作会社でも制作業務を改善する余地があったのだから、より小さい制作会社、そして個人の制作者ならなおさらだろうと。

4. プロセスエコノミー

その後、予想以上に時間はかかったものの一応の完成をみてリリースするに至ったのがXORです。

コンセプトは「必要十分なPDF比較をすべての制作者に」ですが、まだ完全体だとは考えていません。新機能のアイディアもたくさんあるし、リクエストがあれば検討したいので、ぜひお寄せください。

そうして、ユーザや潜在的ユーザの意向も交えながら発展させて行かれるといいと思います。本当は新機能開発費のクラウドファンディングができればいいのだけど、Mac App AtoreやMicrosoft Storeだと出資者への還元が難しくて。

Windows 11考

Windows 11

先週、Windows 11のリリース予告がアナウンスされました。確かWindows 10が最後のWindowsだったはずだけど

とはいえWindows 11へのアップグレードも無料だし、互換性に関してはMicrosoftは全力で取り組むはずです。超巨大シェアこそがWindowsの強みだから。

よって一番の懸案は「ユーザの移行タイミング」でしょう。

差し当たり個人であればさほど問題なく移行できるかと。せいぜいデバイスドライバの対応具合程度です。

でも、企業や団体のの場合は難しいですよね。業務用なら用途が限られているので11に急いで上げる理由がありません。

実際、私がXOR for Windowsをリリースした際に古巣のドキュメント制作会社に試用を頼んだところ「まだ社内がWindows 7だから無理」と断られました。Windows 7にはMicrosoft StoreがないのでXORをお使いいただけません。

Windows 10のサポートは2025年とされています。でも、きっと延長されますよね。一方で、来年以降に発売されるPCはWindows 11搭載機種が増えていくでしょう。そうして向こう5年以上、Windows 10と11のどちらがメインのOSなのか判らない状況が続きそうです。

まあ、アプリメーカーはWindows 10と11の両方をサポートすればいいってだけかもしれないけど、単純にテストの作業量が増えてしまいます。

基山町のワクチン接種予約は順調

新型コロナウイルスに対するワクチン接種の予約に関して各地でトラブルが発生している中、昨日「佐賀県の基山町ではLINEによる予約受付がとても順調」とテレビの番組で伝えられていました。

それを見て「ああ、頑張っている自治体もあるんだな」と思う人も多そうだけど、実はそんなにたいそうな話でもありません。何しろ基山町の人口は17,500人くらい。そもそも母数が小さいのでパンクすることもないと。人口58万人規模の八王子市などとは比べものになりません。

基山町のLINEアカウント

いやまあ基山町は佐賀県でも最東端、博多から電車で25分の場所。久留米からも10分ちょっとなので、完全に福岡のベッドタウン。しかも企業の本社(例えばサンポー)や工場もいくつかあって(コカコーラ、伊藤ハムウエスト、東洋水産など)、地方の一つの町としては幾らか余裕がある方かも。

有名人もそこそこ輩出しています。漫画『キングダム』の作者である原泰久氏、どぶろっくのお二人、広島カープの長野久義選手など。

とはいえそんな基山町とて未だ駅前にコンビニもなく(基幹道路沿いにはある)、人口も微妙に減り続けているようなのだけど。

まあ、この先、東京が超高齢化に見舞われて(※)閉塞感が漂い始め、相対的に福岡が人を集めるようになれば、基山町も人口面で盛り返すかもしれません。

※ 団塊の世代の1/4が東京県在住なので、今後は後期高齢者の急増が確実。当然、行政は高齢化シフトで財政も厳しくなり、都市の活気は次第に薄れていく。医療や保育の機会は行き渡らず、介護は絶望的ともなれば、地方の都市に目を向ける企業や個人は増えるはず。

ちなみに私も基山町には馴染みがあって、花粉症の季節には佐賀製薬(やはり基山町にある)の目薬を愛用しています。

ユーザビリティの威力

私が以前とある申請審査業務に関わった際のエピソードを。

その業務は、企業や個人から申請された内容を審査マニュアルに沿って審査し、不備がなければ承認(より上位の審査に回す)、不備があれば申請者に不備内容をお知らせするというものでした。

運営体制は以下。

  • OP(オペレーター):審査担当
  • SV(スーパーバイザー):進行管理兼審査サポート
  • FW(フロアウォーカー):審査要件やシステム設計に関する相談役

大勢いるOPが並行して審査、不明点があればOPはSVに相談し、SVでも迷う場合はFWに判断を仰ぎ、FWでも判断がつかない法解釈などの懸案は外部の専門家に伺いを立てるという運用がなされていました。推測するに、どの申請審査業務も似た感じかと思います。

オペレータたち
同じ条件で集まったオペレータ達であっても個人差があるのだから…

ただし、いざ業務が始まってみるとOPがSVをひっきりなしに呼ぶことになりました。引き当てた申請の内容と審査マニュアルを突き合わせても可否の判断がつかないケースが多発したからです。SVは数人で何十人ものOPを担当するため、個々のSVにはかなりの負荷がかかっていました。

その様子を客観的に見て私が思ったのは「どうにも初動に失敗しているな」です。具体的にはプロジェクトの初期に以下のメンバーも加入させるべきだったと。

  • UXデザイナ
  • テクニカルライター

まず、企業や個人から内容が微妙な申請がなされることが多いのは、申請手引き書の記載や申請受付けWebサイトに起因するところが多かったはずです。申請者はITに慣れた人ばかりではないし、文章読解力もまちまちなのだから、できるだけ迷う要因を減らしてやらないと。

同様に、OPが参照する審査マニュアルも、できるだけ別解釈の余地がなく容易に把握できる内容にすべきです。例えば主語を明確にするだけでも読み手の印象はずいぶん変わります。そして、マニュアルは順次アップデートすると。口頭での周知ではなかなか定着しないし、オペレータ間の個人差も出てしまうので。

そうして、申請システムがユーザフレンドリーではなかったがために申請者を余計に迷わせ、審査マニュアルが平易ではなかったためにOPとSV、そしてFWの負荷が膨れ上がってしまっていました。

逆に言うと、有能なUXデザイナがシステム設計から参加し、同じく有能なテクニカルライターがすべての説明文を監修していれば、エンドユーザー(申請者)もOPも迷うことが少ないため、全体の工数やミスが無駄に膨らむことを防げたはずです。

折しも今は新型コロナ禍の正念場。関連の各種補助金・給付金制度は続いていたり、また新規に始まるかもしれないし、ワクチン接種の受付けや、その他の目的で公的なシステムがこれから作られるかもしれないので、できるだけうまくやってほしいものです。ITコンサル企業がUXデザイナやテクニカルライターを抱えるのもいいだろうし、フリーランスの人材を活用する手もあります。

どこも余計に変えてない証明に

XOR Version 1.5(Mac版)では透かし表示状態のPDFを書き出せるようになりました。

実はこの「透かし表示の書き出し」はこれまでで最もリクエストが多かった機能です。どうやら某大手印刷会社系列の制作では、校正提出の際に「修正を依頼した箇所以外はどこも変えていない」を証明する資料の添付が求められるらしいので。

もちろん制作では無用な変更は行わないのが鉄則だけど、DTPではちょっとした修正であっても周りの要素を移動したり並べ直すことも多く、意図しない不具合が紛れ込みがちです。そして意図していないために発見もされにくく、それが時には刷り直しなどの大ごとにも発展しかねません。

よって「どこも変わっていない」の証明は非常に重要です。これまで各制作者がどのような手段で応えていたのかは伺っていないものの、なるほどXORの透かし表示をPDF出力できれば簡単だし、それで事足りてしまうわけですね。XORの新機能としてリクエストしてくださったのもごもっともです。

本当はもっと早く実現したかったのだけど、懇意の開発者のスケジュールが開かず、この時期のリリースとなってしまいました。何事も理想通りとはいかないものです。

XOR for Mac Version 1.5をリリースしました

XOR for Mac Version 1.5をリリースしました。

新機能は「透かし表示の書き出し」。クライアントへの校正提出の際に「修正を依頼された箇所以外どこも変更していない」という証明に最適です。

使い方も簡単。わずかな操作で提出用PDFが書き出されます。

詳しくは下記の動画でご確認ください。

竹中平蔵氏が行った労働規制緩和は正しかった?

2021年3月21日(日)放送の『そこまで言って委員会NP』は竹中平蔵氏の特集。最初のコーナーのテーマは「竹中平蔵氏が行った労働規制緩和は正しかった?」でした。

竹中平蔵氏が行った労働規制緩和は正しかった?

2004年から製造業への派遣労働が解禁され、非正規雇用が増加し、時には派遣切りがなされ、法人・富裕層への減税により貧富の格差が拡大したという前提です。

これらに対するパネリストの意見は賛成反対両方に割れていたけど、まあどちらの言い分にも理があります。でも、一つ絶対的に正しいと思ったのが八代弁護士のこちらの見解。

「非正規」とは、まるで正しいものに辿り着けなかった人の呼称。そして、正規社員の存在が労働市場の流動化を妨げ、国際市場での競争力の低下を招いた

まったくもってその通り。こんなことを続けていたら日本はひたすら没落していくばかりです。何しろ非正規労働者がワーキングプアになりがちなだけでなく、正規社員も賃金が上がらないので、デフレはエンドレス化し、少子化もいっそう進んでしまいます。

ならばどうあるべきかまでは番組では語られていなかったけど、私は単順に非正規の待遇を上げる法改正をするべきだと思います。

具体的な案は以下。

  • 派遣・契約社員の最低賃金はパート・アルバイトの2倍以上
  • 賃金に交通費を含んではならない

まず、フルタイムで働く派遣・契約社員の処遇は時間限定労働のパート・アルバイトとは位置付けを変えます。そしてパート・アルバイトの最賃が1,000円の都市だと派遣・契約の時給は2,000円以上。年収384万円(8時間x20日x12ヶ月x2,000円)ならまあまあの水準だと思います。派遣の立場になってもその額が得られるなら、嫌な会社にしがみつく必要もなくなり、労働市場の流動化も生まれます。

竹中氏はかつて「もはや首を切れない人は雇えない」と言って炎上したけど、「首を切れる代わりに労働対価は相応に高額」であれば妥当です。

派遣社員に依存した企業は大変かもしれないけど、コスト増は商品やサービスに正しく転嫁するのが当然だし、派遣、契約、そして正規社員の所得や消費余力が上がってデフレの巻き戻しが始まるのだから、それで淘汰されるなら仕方ありません。

macOS Big Surがいつの間にか治った

私のMacBook Air(2018)はmacOS Big Sur 11.2.2のアップデータを適用して以来、動作がおかしくなりました。スリープから回復する際に毎回再起動がかかるという。

そんなわけで先週macOS Big Sur 11.2.3が出た際にはすぐさまアップデート。

macOS Big Sur 11.2.3アップデータ

でも症状が治らずがっかりしていたのだけど、数日使っていたら、スリープからちゃんと回復するようになりました。不思議だ。アップデータの浸透までに数日かかる?そんなアホな。

まあ、一安心だけど、頃合いをみてApple Storeに診断を頼むべきでしょうね。実は電源OFF状態からどのキーを押しても起動できるし。

Apple、修理の際に代替機の貸し出しがあれば気兼ねなくマシンを預けられるのだけど、そのサービスはないんだよな…。

みずほ銀行はメインバンクに不向き?

みずほ銀行のオンラインバンキングは取引明細を直前3ヶ月までしか遡れないのですよね。これって不便極まりないです。

例えば、確定申告に向けて今の時期に前年分の取引明細を取り寄せようにも、もはや10月以降の分しか見られません。もし1月〜9月分の明細も欲しければ330円x1ヶ月の発行手数料を支払って郵送してもらう必要があるのだと。そう、1通330円ではなく1ヶ月あたり330円、9ヶ月分なら2,970円です。こちらは紙の通帳を使わないでやっているのに、その代替手段としては高すぎやしないかと。

ちなみに三菱UFJ銀行は25ヵ月、三井住友銀行は15ヶ月前まで遡れます。住信SBIネット銀行などは7年前の1月1日まで遡れるらしいので、個人事業主の現金取引記録の保存期間をほぼ丸々カバーできますね。

銀行のイラスト

そんなわけで、みずほ銀行をメインバンクに使うのはやめようかと思い始めていたものの、みずほ銀行も今月18日からはシステムが切り替わり、過去10年間を遡れるようになるそうで。

だったらメインバンクとして使い続けてもいいか。