Documentation – ページ 11 – XOR for Mac & Windows:リアルタイムPDF比較ビューワ

アオリの効用

XOR for Windows Version 1.2には「アオリ表示」が追加されました。

アオリ表示の有り難い点の一つは「人間の補正能力を活用できる」です。例えば以下の二つのPDFページがあったとします(画像クリックで拡大表示)。

サンプルページ1

サンプルページ2

これをXORの従来の「透かし表示」で比較するとこの通り。

XORの透かし表示

細字のテキスト全体が青か赤、つまり差分として表示されています。でも、単に前の行との距離が変わっただけかもしれないけど、読み合わせたり別途diffにかけるのは面倒です。

そんな場合にアオリ表示をさせるとこの通り。

XORの「アオリ表示」

人間の視覚処理には手ぶれ補正の機能があるので、少々の移動なら無かったかのように認識できます。よってこの例では細字テキストのほぼ全体は変わっておらず、4行目だけが変更されていると解ります。

透かしとアオリ

XOR for Windows Version 1.2には「アオリ表示」という比較方式が追加されました。

例えば、以下の二つの画像PDFがあり、違いの有無を知りたいとしましよう。

フチ無し

フチあり

この二つを従来のXORで比較するとこうなります。

比較結果

全体がグレー、つまり一見すると同じですね。よく見ると色が変わっている箇所があるものの人の目には判別しづらいかと。

これをアオリ表示させるとこうなります。

XORのアオリ表示

概ね同じだけど、一箇所違うところが見つかるはずです。少なくとも従来の色処理による比較よりは見つけやすくなったかと。

アオリ表示が要るわけ

XORではPDFを画像として比較し、変化がない箇所はグレー、変化した箇所は赤や青で表示されます。この色処理はアルゴリズムによって行われるため微細な違いはデータ上では差異が発生していても、人の目には認識しづらいという難点がありました。

それを補う手段として採用したのがアオリです。これまでの比較よりも微細な違いを探しやすいかと。

XORのアオリ表示

そしてアオリは差異の自動検出アルゴリズムを盛り込むよりもはるかに安価に実現できる方法でもありました。

アオリ表示の操作手順

現在ダウンロード可能なXOR for Windows(Version 1.2)には「アオリ表示」の機能が搭載されています。

アオリ表示のための操作手順は以下の通りです。

手順:

アプリを起動して比較したい二つのPDFを選んでください。両PDFが左右に並んで表示されます。

XORの「並列表示」
初期状態は並列表示。両PDFが左右に並んで表示されます。

スペースキーを押すと両ページが重なって表示されます。

XORの「透かし表示」
「透かし表示」です。色処理され、差異があれば赤または青で表示されます。

更にスペースキーを押すとアオリ表示になります。

XORの「アオリ表示」
アオリ表示。差異があれば瞬くように表示されます。

そこから更にスペースキーを押すと並列表示に戻ります。つまり以下のトグルです。

並列表示 → 透かし表示 → アオリ表示 → 並列表示…

ちなみに並列表示の状態でスペースキーを素早く2回押せば、いきなりアオリ表示に切り替わります。

重ねた状態で書き出せる?

先日、XORに対して「両PDFのページを重ねた状態でプリントアウトやPDF書き出しできるか?」というお問い合わせをいただきました。ありがとうございます。

でも、答えは残念ながら「No」。プリントアウト/PDF書き出しでは両ページが並んだ状態になります。

ただし、マーキングの機能があり、両ページを重ねて表示させた際に見つかった差分(色付き箇所)に赤い囲み線をつけたり、差異が見つからなかった箇所を白い四角形でマスクできます。

Result of comparison by xor
囲みを付けてPDFに書き出した例(クリックで拡大)

実はページを重ねた状態のプリントアウト/PDF書き出しも設計段階では検討したのですが、最終的に現在の仕様に落ち着きました。というのも、重ねた状態のページをプリントアウト/PDF化してから差異を探すより、重ねて表示した状態で差異にマーキングする方が多少効率的に思えたからです。

いや、でもプリントアウトしてのペン入れはともかく、PDFに書き出せばAcrobat Readerのアノテーション機能を使ってコメントを付与できるか。そうすれば、そのまま再修正用のDTP原稿として使えますね。だったら重ねた状態のPDF書き出し機能は有意義かも。

とはいえXORのコンセプトは「最小限の機能を少ないコストで提供」であり、開発の予算も限られていました。

でも、XORの契約数が増えればもちろん追加開発できるし、欲しい機能のアイディアもたくさんあるので、どうかご協力をよろしくお願いします。

テレワークどころじゃない?

新型コロナウイルス、早く収束してもらいたいものです。差し当たり気がかりなのは東京オリンピック・パラリンピック開催の可否。私は招致には反対だったけど、こんな形で中止になるのは不本意なので、延期に期待します。来年以降なら水泳の池江選手も間に合うかもしれません。

さて、XORはサブスクリプションで提供されるため期間限定で導入できます。ドングルもなく、同じアカウントなら会社でも自宅でも使えるのでテレワークに最適です。

よって新型コロナウイルスの拡大はひょっとして追い風になるかとも思ったけど、このまま経済が落ち込んで印刷物などドキュメント制作の需要自体が減ろうものならテレワークどころじゃなくなります。印刷会社、制作会社のスタッフは少なからず雇用の継続自体が危うくなりかねません。

テレワークせざるを得ませんよね

ご存知の通り新型コロナウイルスの影響がえらいことになってきました。私が楽しみにしていたイベント『CP+』や『魚JAPAN』も中止になったし、テーマパークは臨時閉園、スポーツは無観客試合、学校にいたっては突如春休みに突入とは

個人的な実感としてはマスク着用者こそ激増したものの、どこか遠いところの出来事のような感覚です。身近に感染者はいないから。とはいえ問題は蔓延の防止なので自分が大丈夫だったらいいというわけにはいきません。暖かくなってウイルスの感染力が弱まるようだといいのですが

そんなわけで望むかどうかに関わらずテレワークが重要になってきました。今はまだ様子見でも状況次第では、いよいよ踏み切らざるを得ないケースも出てくるでしょう。

差し当たりドキュメント制作における編集者やDTPオペレータが自宅で勤務する際、校正の補助ツールとしてXORの導入が有効です。人力、目視による校正より精度と効率が上がるでしょう。

XORはドングルのないサブスクリプション提供なので、状況が落ち着いたら解約できますよ。

要るのは解ってるけど

XORにはまだ最小限の機能しかありません。これはひとえに予算的な理由です。開発費さえあれば搭載したい機能案がたくさんあります。

例えば以下の様なPDFがあったとします。

比較したいPDFペアの例
クリックで拡大表示

太字のリード文が1行から2行に増えていますよね。

その二つをXORで比較した際の表示はこちら。

XORによるPDF比較結果の例
クリックで拡大表示

リード文の二行目が赤くなるのは当然として、それ以降の全体も赤や青で表示されています。これでは1行追加されただけなのか、それともテキストにも何か変化が生じているのかの判別がつきません。

そこでこれらを的確に比較する機能を追加したいとは思っています。サブスクリプションの契約数がもっと伸びれば実現できるでしょう。

微妙な差の検証には向いていません

先日の page2020で弊社ブースに立ち寄られた方の中に「このアプリは画像が10μ移動したことを検出できるか?」とお尋ねになった方がおられました。答えは残念ながら「No」です。目指すところが違うのですよね。XORは主に「新旧PDFで無用な変更が生じていないか?」を確認するためのPDF比較ツールなので、描画要素の精度を検証する目的には他のアプリをお求めいただく必要があるでしょう。

さて、XORは10μの移動はもちろん微妙な差異の検出には向いていません。例えばこちらの二つのPDF紙面。

フチ無し

フチあり

両者の違いは白い矢印の黒フチの有無です。下の絵では矢印を少しくっきりさせました。

この二つのPDFをXORで比較するとこうなります。

比較結果

全体がグレー、つまり一見すると同じですね。

これを拡大表示させるとこうです。

比較結果のズーム

かろうじて赤や青が見て取れるけど、見過ごす可能性は大でしょう。

よってXORはこの手の微妙な差を探す用途には不向きです。機械的に比較しているので赤や青の発色はあるものの差が少なければ人の目ではなかなか認識できません。モニタの性能にも左右されるでしょう。

これはこのアプリの限界であり、既知の課題ながら諦めた部分です。「そもそも人が見過ごすような変化なら大きな問題になることもないだろう」と割り切って開発しました。

赤や青のピクセルを自動検出する機能をつければ解決しますが、現時点における優先度の都合からそのような機能はまだ搭載されていません。

改行したらどうなる?

XORにおけるPDF比較に対して時おり訊ねられるのが「例えばページの途中で改行があった場合、どうなるか?」というもの。「”改行された(それ以降は内容が変わらずに移動された)”と知らせてくれる」といった答えを期待してのものでしょうが、残念ながらそうはなりません。XORの比較はページを画像として比べるので改行が発生した箇所以降はすべて差分として表示されます。たまたまピッタリ合致した箇所を除いては。

よって「どこがどのように変わったか?」を望むのであれば、PDFを解析して比較するProof Checker ProのようなPDF比較アプリ(デジタル校正ツール)が相応しいでしょう。あるいはAcrobat Proか。

対してXORは「どこが変わったか?」だけを示します。これは私が制作者として働いていた際にそれでも十分有益だと確信したためです。「どこが変わったか?」は裏を返せば「どこが変わっていないかを特定できる」ということです。初校→再校→三校と段階的に完成を目指す制作では「どこかに無用な変更が生じていないか?」を簡単に確かめられるだけでも疑心暗鬼のストレスから解放され、時間短縮・コストカットに繋がります。

それに、もしアプリが「どのように変わったか」まで示してくれても、それが「その変更は意図した通りか?」は人間が確認してやる必要があります。だったら「どこが変わったか?」だけでもよかろうと。

そもそもPDFのデータを解析して比較するようなアプリの開発には膨大な費用がかかるので、月額2,000円のサブスクリプションで提供するのは到底不可能です。

xor concept animation
XORはPDFのデータを解析せずビジュアル的に比較します