異次元の少子化対策の対案

国会議事堂

岸田総理が打ち出した「異次元の少子化対策」の評判がすこぶる悪いので対案を書きます。

まず、少子化対策は景気対策そのものです。景気が上向かなければ明るい展望が描けず「結婚はともかく子供は持てない」「子供を持てば経済的に苦しくなる」「子供に辛い思いをさせたくない」「結婚どころではない」といった風潮が続いてしまいます。月々5,000円の育児手当を支給してどうこうなるというものではありません。

それを踏まえて今できる景気対策、そして中長期を見据えてやるべき政策の提言は以下の二つ。

非正規フルタイムワーカーの時給を補助金で500円補填

派遣社員と非正規公務員は合わせて200万人超で大半がワーキングプアと言われているので、その時給を補助金でもって一律500円上げてやれば各人の年収が約100万円増えます。しかもこの層への支援なら多くが消費に回されるため景気浮揚の呼水としての効果が見込めます。

正社員への賃上げは個々の企業の管轄ですが、非正規の場合、派遣会社による雇用は一時的なものなので、賃上げのためには公的な支援が必要です。

そうして20代、30代の非正規フルタイムワーカーの所得水準が上がれば少子化対策としても機能します。

なお、肝心なのは補助金が全額個々の労働者に支払われること。派遣会社。よって派遣の求人広告はこのような表記になろうかと。

時給1,650円+500円(政府補助金)

必要な予算は事務経費等を除けば初年度2兆円。景気動向を見て段階的に縮小していくといいでしょう。それに一部は税金として国庫に帰ってきます。

東京一極集中の是正

出生率が最も低い東京に人口を集めれば少子化が進むのは必然です。何しろ住宅事情が厳しく通勤もハードになりがちだから。

また、仮に何らかの方策で出生数が向上したとしても、たちまち待機児童の問題が再燃します。東京は長らく商業優先で発展してきたため保育や介護といった面の持続性が担保されていません。

その一方で娯楽は充実しているので若い女性らに「子供を持って親子ともどもしんどい思いをするよりも自由に生きた方がいい」という価値観が広まるのも当然でしょう。

よって少子化対策を本気で考えるなら、若い女性が東京に出なくても地方の中核都市で満足な職と収入が得られるように持っていくべきです。

具合的には官公庁の一部、大学や企業の移転を促すことが必要でしょう。