XORでコストカットしませんか?

30日の無料試用期間後もXORをお使いいただく場合、月額2,000円のサブスクリプション契約が必要なので、導入するならそれに見合った納得感が要りますよね。

そこでこんな使い方はどうでしょう?

修正されていないページを洗い出して確認対象から除外する

XORは二つのPDFを画像化して差異をあぶり出すため、対になるページの変更点を100%検出します。人間が違いを見逃さない限り、すべての変更箇所を把握できるわけです。

どこが変更されたかを把握できるならその逆も然り。まったく変わっていないページも容易に見つけられます。

例えば、取扱説明書は製品のマイナーチェンジに伴い何度も改版される傾向があります。ページ数の多い案件ともなると修正前後のPDFを自力で比較するのは大変な作業です。DTP原稿の赤字箇所の確認だけならともかく、「予期せぬ差異がどこかに潜り込んでいるかもしれない」という観点で数十ページ、数百ページ規模の取説を1ページずつ見ていこうものなら、かなりの時間を要します。ものによっては何時間もかかったり、複数人で手分けする必要が出てくるでしょう。しかも徒労感が募れば次第に集中力も落ち兼ねません。

でも、XORを使って最初に「まったく変更がないページ」を洗い出せば、確認対象をそれ以外のページだけに絞り込めます。

日本の平均的なサラリーマンの給与を時給換算で約2,500円と仮定すると、1ヶ月に1時間分の時短ができればXORの2,000円というサブスクリプション費用は軽く相殺されるでしょう。もちろんXORに利用回数の制限はないので他の案件でさらに1時間削減できれば計5,000円相当の時間的余裕が生まれます。残業せずに帰るもよし、空いた時間で他の案件を担当して業績を上げるもよし。時短が10時間に登ろうものならXOR1年分のサブスクリプション費用相当のコストカットが実現できてしまいます。だとしたら月額2,000円も実は安いとは考えれれないでしょうか?

なお、ドキュメンテーション業界のほとんどの人がすでに使っているAdobe Acrobat PRO DCの比較機能でも同じことができそうに思うかもしれないけど、PDFの内容を解析して比較する方式のため、データ構造次第では差異の検出もれが発生します

PDFに保存できます

見落とされがちだけど、XORでは二つのPDFを並べた状態でPDFに出力したり、プリントアウトできます。

XORで出力した比較PDFのページ(h1)

XORで出力した比較PDFのページ(p3)

XORで出力した比較PDFのページ(p6)

これも使いみちがあるのでは?

例えばAcrobetのコメント機能で「どこがどう変更されたか?」を書き入れて校正用PDFとともにクライアントに提出するとか。

XORは意外に便利じゃない?

XORはPDF差異検出ツール、あるいはPDF比較ツールと呼ばれる類のアプリです。対になるPDFを重ねて差異をあぶり出します。

でも、他にも意外に便利な使い方もあります。「二つのPDFを並べて表示する」です。スペースバーを押せば重ねて表示されるけど、あえて押さず各ページを左右に並べて見比べると。

キーボードやマウスでページめくり操作を行うと対になるページが並んだまま一緒にめくれていきます。

XORでPDFを並べて表示した状態

これ、既存の他のアプリではできないか、できても使い勝手がよくないのではないでしょうか?

XORの弱点

XORは二つのPDFの違いを100%見つけるという触れ込みですが、弱点もあります。それは「あまりに微妙な違いは見つけにくい」です。

例えばこちらの二つのテキストを比較する場合。

比較したいテキスト
比較テキスト1
比較したいテキスト
比較テキスト2

これをXORで比較するとこうなります。

比較結果のテキスト
XORによる比較結果

一見、差はなさそうですが拡大して見れば1行目の「プ」と「ブ」、2行目の「バ」と「パ」の箇所にうっすらと赤や青がにじんでいます。

とはいえ濁点と半濁点の違いは微妙なのでビジュアル的に比較しても差はわずか。人によっては見逃してしまうかも。XORの将来バージョンでは比較結果のコントラストを上げる機能を搭載するべきでしょうね。

もっとも、実際の制作におけるテキスト修正では文字数や文字の並びも変更されることが多いので、差異はもっと見つけやすいかと。

ちなみに、こちらの二つの画像を比べる場合も微妙です。

比較したい写真
比較したい写真1
比較したい写真
比較したい写真2

XORによる比較結果はこうなります。魚の色がやや青みがかっていますね。

XORによる比較結果の画像
XORによる比較結果の画像

ただし、そもそも元の画像で色味が違うのは一目瞭然だし、XORの比較結果がもっと微妙なら、それは比較する両画像の差も僅かということ。そのまま世に送り出しても問題にはならないのではないかと

色味にこだわりがあるデザイナーは肉眼で両者の違いを見比べて確認してください。

Mac制作が絶対的に優位な点

かつてDTPといえばMacの独壇場だったけど、15年くらい前にWindows版のAdobe Creative Suiteが登場したことでWindows制作派も増えたかと。

でもドキュメント制作にはいまだにMacの方が断然適していると思います。その理由の一つが「スピーチ」の存在です。テキストを選択してマウスの右クリックで表示されるメニューから呼び出すと、選択中のテキストを読み上げてくれるOSの標準機能です。iOSにも搭載されているのでiPhoneやiPadでも利用できます。

macOSのスピーチ機能

もちろん固有名詞を始め、読み間違いは多いのだけど、それでも「てにをは」や、誤字脱字のチェックには多大な効果を発揮します。

例えば文中に「たけのこご飯」が「たけこのご飯」と書かれていても目視だとスルーしがちだけど、読み上げさせて耳で聞けば簡単に間違いを発見できます。

他にも、コピペでテキストを編集すると「をを、」や「はは、」が紛れ込んだりしがちですよね。これも読み上げさせればあっさり発見できます。ひょっとしてWindowsでもサードパーティ製の何かをインストールすれば同様のことができるようになるかもしれないけど、Windowsは万事がそんな感じ。ちょっと気の利いたことをやるにはカスタマイズが必要なのですよね。ITに疎い人には難しいかもしれません。

ちなみに「スピーチ」は何もしなくても最初から使えるようになっています。読み上げ速度は設定で変更できるけど。

よって、文章を書く機会が多い人なら、この「スピーチ」機能のためだけだとしてもMacを選ぶべきでしょう。