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コストカットの極意
近年はさまざまな物価が高騰しています。印刷業においては紙やインクの価格が上がっているのではないでしょうか。
とはいえ印刷工程や版下PDFの制作には競争も多く薄利多売のビジネスモデルなのでクライアントとの値上げ交渉は容易ではありません。
ならば、せめて自社におけるPDFの制作コストを下げたいところです。
そこでXOR for Mac/Windowsを使うことでPDFの制作コストを減らす方法を紹介します。
PDFの制作コストが増加する原因
PDFの制作コストが増加する主な原因には以下のようなものが考えられます。行頭の数字が大きくなるほど事態は深刻です。
- DTP用PCが非力
- DTP用モニターの解像度が低い/サイズが小さい
- 修正する箇所、分量が多い
- 修正が必要な箇所が紛らわしい
- DTP原稿が解りにくい
- DTPオペレーターの操作が遅い
- DTPオペレーターの作業品質が低い
- DTPで修正された後のPDFに編集者が不備を見つけ、再修正が必要になった
- 提出されたPDFにクライアントが不備を見つけ、再修正が必要になった
- 印刷後、配布後に誰かが不備を見つけ、再修正と再印刷/差し替え配布が必要になった
この内、1と2は単純に機器をより高性能なものに替えれば改善されます。
3と4は致し方なしですが、5は編集者が解りやすいDTP原稿を作る努力が、6もDTPオペレーターの研鑽が必要です。
でも、7〜10はXORを使えば改善、防止できます。
上記1〜10の他にも「校正紙を用いている」があります。
校正作業の際、修正結果の確認や再修正用のDTP原稿を作成するためにプリントアウトした校正紙を用いている制作者もまだおられることでしょう。
でも、これがコストを伴います。モノクロでプリントする単価は10円/枚にも満たないにしてもページ数が多ければ馬鹿にならない費用がかかるし、カラーならなおさらです。
また、用紙代の他にも以下のようなコストが必要です。
- トナー/インク代
- コピー機や複合機のリース代
- ボールペン代(各色)
- 蛍光ペン代(各色)
- 付箋紙代(各色)
- シュレッダー処理した使用済み校正紙の廃棄代
- 使用済み校正紙の廃棄費用(シュレッダー処理が難しい場合)
加えて机上やロッカー内に校正紙が溜まっていくのも地味に業務効率を下げかねません。
でも、修正前と後のPDF比較にXORを使えば差分箇所に校正結果を書き入れて修正用DTP原稿のPDFを書き出せるので、校正紙に関連するコストを削減できます。
そうして浮いたコストを積み重ねれば、大型モニターの購入費ぐらいはすぐに捻出できるのではないでしょうか?
「不備を見逃さない」が鍵
例えば上述の「8. DTPで修正された後のPDFに編集者が不備を見つけ、再修正が必要になった」という状況では、以下のような追加工程が発生します。
- 編集者が再修正用のPDF原稿を作成
- 編集者がDTPオペレータに再修正を依頼し、仕上がりを待つ
- DTPオペレータが再修正に取り掛かる
- DTPオペレータが新しいPDFを編集者に提出し、確認OKを待つ
- 編集者が新しいPDFを確認。OKであれば修正完了。NGなら1. 以降を繰の繰り返し
この一連のサイクルが増えるほど制作時間が長引き、人件費が増加します。
また、上述の「9. 提出されたPDFにクライアントが不備を見つけ、再修正が必要になった」も同様ですが、クライアントも待たせてしまい信頼を損なう恐れがあります。
そして、「10. 印刷後、配布後に誰かが不備を見つけ、再修正と再印刷/差し替え配布が必要になった」ともなると大事に発展します。
よってそのような事態が起きないよう日頃からDTPオペレータと編集者でそれぞれ以下のワークフローを徹底することをお勧めします。
DTPオペレータのワークフロー
- 編集者から修正用のDTP原稿を受け取る
- DTP原稿に従って修正に取り掛かる
- XORを用いて修正前と修正後のPDFを比較する
- XORで「Unchanged」と表示されたページとDTP原稿を付き合わせる
- DTP原稿の該当ページに修正指示がなければOK
- 正修正指示があれば再修正し、3. に戻る
- XORで見つかった差分箇所とDTP原稿を付き合わせる
- DTP原稿に修正指示があれば修正内容が正しいかを確認。修正内容が正しければOK
- 修正指示がなければ無用な変更なので修正前の状態に戻し、3. に戻る
- DTP原稿の個々の修正指示とXOR上で見つかった差分箇所を付き合わせる。
- XOR上に変更箇所があれば修正内容が正しいかを確認。修正内容が正しければOK
- 修変更箇所がなければ修正漏れなので修正前の状態に戻し、3. に戻る
- すべての差分箇所がDTP原稿通りに修正されていると確認できたら修正後のPDFを編集者に提出する
5. と6.は一見同じ作業にも見えますが両方とも必要です。 もし5.の工程を省くと無用な変更の混入を発見できないかもしれません。 同じく6. を省くと修正漏れを発見できないかもしれません。
DTPオペレータは自身が修正を行うため「正しく修正したはず」という先入観が働き、仕上がりの自己チェックが甘くなりがちです。
そこでDTP作業後にXORを用いて以下を確認すれば、自身が見逃していた不具合に気づけます。
- 成果物のPDFにDTP原稿に指示がない無用な変更が残っていないか?
- 修正内容は正しいか?
- 修正漏れはないか?
編集者のワークフロー
- 修正用のPDF原稿を作成し、DTPオペレータに修正を依頼する
- DTPオペレータの作業完了を待ち、修正後のPDFを受け取る
- XORを用いて修正前と修正後のPDFを比較する
- XORで「Unchanged」と表示されたページとDTP原稿を付き合わせる
- DTP原稿の該当ページに修正指示がなければOK
- 正修正指示があれば再修正し、3. に戻る
- XORで見つかった差分箇所とDTP原稿を付き合わせる
- DTP原稿に修正指示があれば修正内容が正しいかを確認。修正内容が正しければOK
- 修正指示がなければ無用な変更なので修正前の状態に戻し、3. に戻る
- DTP原稿の個々の修正指示とXOR上で見つかった差分箇所を付き合わせる。
- XOR上に変更箇所があれば修正内容が正しいかを確認。修正内容が正しければOK
- 修変更箇所がなければ修正漏れなので修正前の状態に戻し、3. に戻る
- すべての差分箇所がDTP原稿通りに修正されていると確認できたらクライアントへの提出準備に取り掛かる
5. と6.は一見同じ作業にも見えますが両方とも必要です。 もし5.の工程を省くと無用な変更の混入を発見できないかもしれません。 同じく6. を省くと修正漏れを発見できないかもしれません。
XORを使うことでDTPオペレータによる自己チェックの精度が上がるものの、時には修正指示の意味を取り違えている場合などもあるため、編集者によるダブルチェックも必要です。
そこで、編集者用とDTPオペレータ用、双方のPCにXORを導入して、いつでも自分専用に使えるようにしておくことをお勧めします。
修正内容の確認に便利なPDF比較アプリはXORだけではありません。
ただし、制作コストを圧縮するためにはDTPオペレータと編集者がいつでも好きな時に存分に使えるのが理想です。高額なアプリは複数個導入するのが難しいでしょうし、コピープロテクト用のUSBドングルが必要なアプリでは利用に待ちが発生しがちです。
その点、XORは月額2,000円でのサブスクリプション提供なので、制作スタッフ全員分を導入しても大きな負担にはならないでしょう。
後になって不備が見つかり追加のコストや責任問題に発展する可能性を防げると考えれば安価な投資と言えるかと思います。
