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印刷制作費の価格交渉力を上げる
印刷業は薄利多売ビジネス。経営を長期安定させるにはコストを減らした上で、願わくば制作費を上げたいところです。
XOR for Macを使えばコストカットできるだけでなく、価格交渉にも有利になります。
01. クライアントの作業負担を軽減しよう
制作費の価格交渉力を得るために、まずはクライアントの立場になって考えてみましょう。
クライアント、つまり発注者は制作者から提出された校正用PDFの出来栄えを自分たちで検証することになります。
その際、制作側の修正ミスが見つかったり、双方の認識の食い違いによる不具合が起こり得るものの、それらは依頼した修正指示とペアなので容易に確認できます。
よって厄介なのは 修正を依頼していない変更 です。とりわけ修正指示とは無関係な箇所や本来変わっているはずがない箇所の変更があると気づくのが困難です。かといって、その可能性を考慮して校正用PDF全体を入念に確認するわけにもいきません。
つまり クライアントが修正を依頼していない変更の有無を簡単に把握できるようにすれば、先方の作業負担の削減に貢献できます。
印刷業の収益を増やすために「付加価値を提供する」という考え方があります。例えばITが得意ではないクライアントに成り代わってBASE(ベイス)やSTORES(ストアーズ)などで通販サイトを構えてクライアントの商品を売れるようにし、サイトへのQRコードを印刷物に載せるようなやり方です。
でも、このようなプランで成功するのは難しいかもしれません。通販サイトのセットアップやメンテナンスに制作側の工数が発生すれば、制作費の総額が増えても工数が嵩んでかえって収益率が下がりかねないので。
また、クライアントが何をどんなふうに売りたいのかといったヒアリングや適したプランの提示、販売サイトの最適化などは、それこそBASEやSTORESの顧客アドバイザーの方が圧倒的に長けているはずです。
よって、付加価値を提供するよりも、クライアントの作業負担を軽減する方が顧客満足度を高めやすいのではないでしょうか。
02. 品質保証を提出するべし
クライアントの作業負担を軽減するために有効なのが「品質証明」の添付です。校正用PDFと一緒に提出しましょう。
ここでいう品質証明とは「修正の前と後のPDFでどこが変更されたかが誰にでもわかるようにした資料」です。
品質証明のPDFはXOR for Mac Version 2.0で書き出せます。

校正提出の際に「今回の修正で変更した箇所」に注釈をつけたPDFを添付している制作者は多いでしょう。でもそれでは品質証明としては不十分です。なぜなら「どこを変えたか」が指し示すのはあくまでも制作者が把握している変更箇所に限られ、制作者自身も把握していない変更は申告し損ねてしまいます。
というのもDTPでは「変えたつもりはなかったが、実は変わっていた」ということが起きがちです。しかも、変更する意図がなかったためチェック時に見逃されやすくなります。
もちろん品質証明を介することで制作側の確認作業にも役立ちます。
品質証明について、詳しくは03. 案内動画、もしくは以下のTIPSページを参照してください。
03. 案内動画
品質証明を書き出せるXOR for Mac Version 2.0についてはこちらの動画でご確認いただけます。
04. いつから制作費が上がる?
校正提出の際に必ず品質証明のPDFも添付するとクライアントに約束しても、すぐさま制作費を上げてもらえるわけではないでしょう。
制作費に関する交渉力を発揮できるのは、品質証明によってクライアントが作業負担を軽減できたと実感し、先方からの信頼が高まった上で、新たな案件の制作を受注するタイミングになろうかと思います。
XOR for Mac Version 2.0の導入
XOR for Mac Version 2.0はMac App Storeからダウンロードしてお使いいただけます。
同じ機能を搭載したXOR for Windows Version 2.0も追ってリリース予定です。
ワンストップ校正の機能を持たないXOR for Windows Version 1.2はMicrosoft Storeからダウンロードしてお使いいただけます。