1. 校正の基本は間違い探し。ただし...
印刷物の制作では、修正の前と後の校正紙(PDFページ)を見比べる作業が付き物です。
それはまるで間違い探しゲーム。校正でも変更された箇所を中心に確認します。ただし、仕事なのでゲームのようにひたすら楽しむわけにもいきません。所要時間はコストに直結します。
また、間違い探しゲームなら間違いの個数が知らされているものの、校正ではページ内に変更がいくつあるか解りません。目一杯時間をかけて入念に確認しても何も見つからなければ時間の浪費です。逆に「ないと思ったが、実は拙い不具合が紛れ込んでいた」「5個の違いを見つけたものの6個目を見逃したら、その6個目こそが重要だった」ということもありえます。
そこで、「すべての変更箇所を最速で洗い出せる手段」、もしくは「一つの変更もないと確証を得るための手段」があれば校正は大きく捗ります。
ご承知の通り、校正は変更箇所を探すだけではありません。むしろ「修正指示が正しく反映されているか?」「修正の結果、論理矛盾などの副作用が生じていないか?」「見栄えは整っているか?」「読者に伝わりやすく仕上がっているか?」といった確認が校正の主眼です。変更箇所の洗い出しはさっさと済ませて、早く本質的な校正作業に取り掛かるのが賢明でしょう。
2. めくり合わせ、ペラペラ、アオリ
印刷物の制作では、修正の前と後の校正紙で「どこが変更されたか?」を見極めるために、昔から「めくり合わせ」「ペラペラ」「アオリ」などと呼ばれるテクニックが用いられてきました。
ただし、紙を使う物理的な手法のため、いくつか難点があります。
- プリントアウトしなければならない
- 手が疲れる
- 目が疲れる
- 時間がかかる
- ページ全体を比較するのに紙のめくり方を何通りも変えて行う必要がある
- ページ内に変更箇所がたくさんあると厄介
- 比較するページ数が多いと大変
そこで、この作業をPCの画面上でシミュレートするアプリがXOR(エックスオーアール)です。

XOR(エックスオーアール)
XORを使えば、修正前と後のPDFで対になるページのどこが変わったかを簡単な操作で洗い出せます。
物理的なめくり合わせでは、比較するページを変更するたびに、前のページの校正紙を片付けてから次のページの校正紙をぴったり重ねる作業が発生します。でも、XORなら表示ページをスクロールするだけです。
XORはPDFページを拡大表示できます。校正紙は当然ながら拡大できません。
3. XORを試してみてください
上記のストアバッヂをクリックして、Mac App StoreおよびMicrosoft StoreからXORをダウンロードしてください。
Windows版のXORでは初めて起動した際にサブスクリプションへの同意を求めますが、即座に解約すれば課金されることはありません。解約した後も1ヶ月の無料試用期間が終わるまではアプリをお使いいただけます。
その上で、XORを使って冒頭の二つの画像の違いを探してみてください。画像データはこちらです。
クリックしてダウンロードしたらZIPファイルを解凍してください。二つのPDFが現れます。
4. 他社製品と比べてください
XORの他にも世の中には二つのPDFを比較するアプリがいくつもあります。
よって、可能であればそれらのアプリを一通り試してみて、ご自身に最もフィットする製品を見つけることをお勧めします。最適なアプリが一つだけとも限りません。
アプリも「道具」です。日々利用する道具はブランド名や普及度、性能、価格などよりも「自身が使いやすいかどうか」を重視して選ぶのが一番です。無名で安い道具が有名な高級品よりも相応しい場合もありえます。
ちなみにXORの主なセールスポイントは以下の通りです。
- 簡単な操作
- 軽快な動作
- 比較結果表示までの時間が短い
- 単純明快な比較結果
- リーズナブルな価格(サブスクリプション)
- USBドングルによるライセンス管理なし
道具の使い勝手は重要です。それが作業の効率や所要時間、つまりコストにも関わってきます。
例えば、他社製のPDF比較アプリには比較を開始してから結果を表示するまでに長く時間がかかるものもあるようです。
XORは二つのPDFを表示したら、ユーザの操作を受けてリアルタイムで比較を行います。その際の待ち時間は僅かです。このレスポンスの速さを好む方もおられるのではないでしょうか。
また、他社製のPDF比較アプリには比較結果を読み解くのに慣れや習得が要るものもあるようです。 XORの比較結果はめくり合わせ(ペラペラ、アオリ)そのものなので、どなたでも直感的に把握できるでしょう。