TIPS – ページ 16 – XOR for Mac & Windows:リアルタイムPDF比較ビューワ

テレワーク制作のお供に

新型コロナウイルスのせいでテレワークを強いられる人が激増していますが、色々とハードルがあるようですね。機密情報の取り扱いを始め、勤怠管理、PC等の作業環境、インターネット回線、作業スペースの確保、光熱費の高騰、運動不足

でも、印刷物の制作者に限って言えばテレワークの最大のネックは「校正紙のプリントアウト」かも。まさか自宅にカラーレーザープリンタ(願わくばA3対応)を持っている人なんていないですよね。設置場所を食う上、紙代やトナー代、電気代もばかにならないし。

インクジェットプリンタなら持っているかもしれないけど、遅くて精度が荒いので満足できないかと。近所のコンビニで出力するにしても、モノクロA4用紙1枚が10円とかなので出費が嵩みます。日に何度も出向くのも不効率です。

会社に行けばタダ(会社持ち)で必要なだけプリントアウトできるだろうけど、それで感染者が出ようものなら部署もしくは会社全体で休業せざるを得なくなります。

よって妥当な解決策は「校正紙の代わりに画面上で作用を完結させる」でしょう。そのニーズに合ったアプリがXOR(Mac版Windows版)です。修正の前と後のPDFの違いを的確に炙り出します。

XORのアオリ表示中のマーキング
アオリ比較が追加され、2つのPDF間の差異を探しやすくなりました。見つかった箇所には赤線の囲みでマーキングできます

XORはサブスクリプション提供(月額2,000円。初月無料)なので期間限定で導入できます。

しかもコピープロテクトのドングルはなく、同じアカウントを会社と自宅で使えるので、とりあえずテレワークの期間中だけでも導入してみてはいかがでしょうか?

強制的なロックダウンや感染者の行動追跡も実施できない日本では長期戦になるかもしれません。ワクチンか特効薬の実用化、あるいは大勢が抗体を持つまでは警戒が必要です。

ならばテレワーク体制の確立は必須。XORがそのお役に立てれば幸いです。

アオリを搭載したきっかけ

XOR for Windows Version 1.2には「アオリ機能」を追加しました。

XORのアオリ表示中のマーキング
アオリ表示の例。差異が瞬くように表示されます。見つけた差異には赤い囲みをつけられます。

実は最近までアオリ機能をXORに搭載する予定はなかったのだけど、とあるきっかけで心変わりしました。

というのも先日、某制作会社の方にXORを紹介した際に私が「比較的小規模なドキュメント向き」と表現するつもりで「想定ターゲットは例えばカードや帳票、ハガキ」と言い間違ってしまって。

それを聞いた先方が「それくらいのもので無用な変更がないかの確認なら、比較するPDFのペアをAcrobatでタブ表示して、タブをポチポチ切り替えればいいのでは?」と。確かにそうですよね。

実際、私も単一ページものは、Macのファインダー上のプレビュー表示で確認していたから。該当PDFのアイコンを左右に並べて片方を選択状態にしたらスペースキーでPDFのプレビューを表示。そこから左右矢印キーで選択のPDFを素早く切り替えればアオリ表示を再現できます。

ただし、Acrobatによる疑似的なアオリは操作が意外と面倒だったりするのですよね。タブ切り替えは素早くやらないとアオリにならないけど、タブ上のクリック箇所を間違うとPDFが閉じられたりして。

ファインダーのアオリにしても、比較できるのは単一ページのみ。2ページ目以降を比べたければ各ページを個別のPDFとして書き出しておく必要があります。

よって、無償もしくは安価な別の代替手段が既にあったとしても、その面倒さを省き、もっと効率的な手段を提供できるなら有償アプリの意義があるだろうと。

よって、この会話をもってアオリの有効性を再認識したのでアオリ機能の搭載を決めました。

なお、アオリ機能を搭載したMac版は近日中にリリース予定です。

アオリ上でもマーキングできます

XORではPDFのページを重ねて比較し、見つけた変更箇所には手動で囲みのマーキングを、あるいは変更がない箇所にマスクを付けられます。

そしてこの囲みとマスクはアオリ表示でも使えます。

XORのアオリ表示中のマーキング

もちろんこの囲みはPDFに書き出した際にも反映されます。

重ねた状態で書き出せる?

先日、XORに対して「両PDFのページを重ねた状態でプリントアウトやPDF書き出しできるか?」というお問い合わせをいただきました。ありがとうございます。

でも、答えは残念ながら「No」。プリントアウト/PDF書き出しでは両ページが並んだ状態になります。

ただし、マーキングの機能があり、両ページを重ねて表示させた際に見つかった差分(色付き箇所)に赤い囲み線をつけたり、差異が見つからなかった箇所を白い四角形でマスクできます。

Result of comparison by xor
囲みを付けてPDFに書き出した例(クリックで拡大)

実はページを重ねた状態のプリントアウト/PDF書き出しも設計段階では検討したのですが、最終的に現在の仕様に落ち着きました。というのも、重ねた状態のページをプリントアウト/PDF化してから差異を探すより、重ねて表示した状態で差異にマーキングする方が多少効率的に思えたからです。

いや、でもプリントアウトしてのペン入れはともかく、PDFに書き出せばAcrobat Readerのアノテーション機能を使ってコメントを付与できるか。そうすれば、そのまま再修正用のDTP原稿として使えますね。だったら重ねた状態のPDF書き出し機能は有意義かも。

とはいえXORのコンセプトは「最小限の機能を少ないコストで提供」であり、開発の予算も限られていました。

でも、XORの契約数が増えればもちろん追加開発できるし、欲しい機能のアイディアもたくさんあるので、どうかご協力をよろしくお願いします。

要るのは解ってるけど

XORにはまだ最小限の機能しかありません。これはひとえに予算的な理由です。開発費さえあれば搭載したい機能案がたくさんあります。

例えば以下の様なPDFがあったとします。

比較したいPDFペアの例
クリックで拡大表示

太字のリード文が1行から2行に増えていますよね。

その二つをXORで比較した際の表示はこちら。

XORによるPDF比較結果の例
クリックで拡大表示

リード文の二行目が赤くなるのは当然として、それ以降の全体も赤や青で表示されています。これでは1行追加されただけなのか、それともテキストにも何か変化が生じているのかの判別がつきません。

そこでこれらを的確に比較する機能を追加したいとは思っています。サブスクリプションの契約数がもっと伸びれば実現できるでしょう。

微妙な差の検証には向いていません

先日の page2020で弊社ブースに立ち寄られた方の中に「このアプリは画像が10μ移動したことを検出できるか?」とお尋ねになった方がおられました。答えは残念ながら「No」です。目指すところが違うのですよね。XORは主に「新旧PDFで無用な変更が生じていないか?」を確認するためのPDF比較ツールなので、描画要素の精度を検証する目的には他のアプリをお求めいただく必要があるでしょう。

さて、XORは10μの移動はもちろん微妙な差異の検出には向いていません。例えばこちらの二つのPDF紙面。

フチ無し

フチあり

両者の違いは白い矢印の黒フチの有無です。下の絵では矢印を少しくっきりさせました。

この二つのPDFをXORで比較するとこうなります。

比較結果

全体がグレー、つまり一見すると同じですね。

これを拡大表示させるとこうです。

比較結果のズーム

かろうじて赤や青が見て取れるけど、見過ごす可能性は大でしょう。

よってXORはこの手の微妙な差を探す用途には不向きです。機械的に比較しているので赤や青の発色はあるものの差が少なければ人の目ではなかなか認識できません。モニタの性能にも左右されるでしょう。

これはこのアプリの限界であり、既知の課題ながら諦めた部分です。「そもそも人が見過ごすような変化なら大きな問題になることもないだろう」と割り切って開発しました。

赤や青のピクセルを自動検出する機能をつければ解決しますが、現時点における優先度の都合からそのような機能はまだ搭載されていません。

変わってないところを探すべし

おかげさまでXORに対する引き合い、お問い合わせが少しずつですが増えてきています。ありがとうございます。このまま勢いに乗れれば新機能の搭載時期も近づきます。

さて、PDF比較(検版)アプリは「変わった箇所を探すために使うもの」と思われがちですが、XORの最も効果的な使い方は「無用な変更が生じていないかの確認」です。

もちろん「変わったところを探す」と「変わっていないところを探す」は同じ作業の裏表なのだけど、どちらに主眼を置くかによって得られる成果、そして最適なアプリは違ってきます。

DTPではときおり無用な修正が紛れ込みます。それ自体は避けられないので確実に見つけて対処するしかありません。もちろん頻繁ではないもののベテラン制作者は過去に何度も痛い目に遭っているため、変更が起きていないはずの箇所も広範囲に確認する癖がついているはずです。でも、長い時間をかけても何も見つからない場合も多く、しかもそれは無用な変更が無かったことを意味しません。散々時間を費やした上に見逃すこともあり得ます。

そこでXORを使って「変わっていないはずのページや箇所が無変化だった」と確信できれば疑心暗鬼のストレスから解放されるし、それらを確認対象から除外することで工数削減、コストカットできる制作現場があるはずです。実際、私の前職の取扱説明書制作がそうでした。そう、私には「XORみたいなアプリを使えていれば、あの時の手痛い見逃しは避けられたはずだよなぁ」と思い当たる節がいくつかあって

シンプルな機能しか持たないXORですが、二つのPDFで対になるページを画像化して比較するため、変わっていないことを確かめるには十分です。そして最も手頃に導入できるアプリだと思います。

XORによって削れるコストは「無用な変更を探す」という作業

XORによるコストカット

今後印刷業従事者は今まで以上にコストに敏感にならざるを得ないと思います。景気後退が予見されているし、少なくとも五輪特需は終わるので。悪材料はたくさんありますよね。

私が過去にディレクターや編集者、DTPオペレーターなどとしてドキュメント制作に携わった経験からいくと、一連の作業工程の内、工夫によってカットできそうなのは「どこかに紛れ込んだかもしれない無用な変更を探す」だと思います。

Webなどとは違ってページサイズが固定なためDTPではちょっとした修正でもレイアウト変更が発生します。しかも作業のクオリティはスケジュールの切迫度や担当者の体調、関心事などによっても左右されるし、作業量に比例してミスも増えます。DTPオペレータは常に万全の作業を心がけているため先入観が働き、確認は甘くなりがちです。

よって編集者はDTPオペレータからPDFが上がってきたら、原稿の修正指示の箇所以外も広範囲を確認しています。どこかに無用な変更が紛れ込んでいるかも知れないので。ただし、この無用な変更を探す作業には高い集中力とスキルが要求されるため、精度には個人差が出ます。また、長い時間をかけても何も見つからず徒労に終わる可能性もあります。とりわけミスを見逃した後ともなると、疑心暗鬼からどれだけ確認しても安心できずストレスになります。

そこで私はXORを開発することにしました。XORを効果的に使えば「どこかに紛れ込んだかもしれない無用な変更を探す」という工程を省け、時間短縮、つまりコストカットに繋がります。

手順はこうです。

コストカットのためのXORの利用手順

①:校正の最初にXORで新旧のPDFを比較し、片っ端から囲みを付けてしまいます。この作業の意味が判らない方は、こちらの動画の最初の2分間をご視聴ください。

②:DTP原稿の修正指示と囲み箇所を照らし合わせていきます。ただし、修正結果の良し悪しはまだ確認しません。ここで見るのは、それらが対になっているかどうかだけです。

そして修正指示に対応する囲みが見つからなければ修正漏れの可能性があります。逆に修正指示がない箇所に囲みが見つかった場合は無用な変更がなされた可能性があります。オペレータが確信を持ってそう対処した場合もあれば、単なるミスの場合もあるでしょう。それらの妥当性を確認してください。

そうして懸念が解消されたら③に進みます。

③:確認が必要なページや箇所を限定(確認不要なページや箇所を除外)します。

④:すべての修正指示が正しく反映されているかを確認します。

つまり、「どこかに紛れ込んでいるかも知れない無用な変更」を②の段階で洗い出してしまうわけです。

XORのようなPDF比較アプリを使わない校正の場合、いきなり④の工程に挑むため、その後に手がかりもない状態で無用な変更を探す必要があり、気が済むまで確認することになってしまいます。

コスパは貧乏人の尺度

先日、とあるニュース系Webサイトのコメント欄に私が「WindowsよりもMacの方がビギナーに向いている」と書いたら執拗に食らいついてくる人がいました。どうやら私の「WindowsはMacよりも生産性が低い」というコメントに引っ掛かったようです。私は「自力で整備できる人ならその差を埋められるけど」と書き添えていたのですが、そこはあえて無視したようで。

Mac or Windows

ちなみに私の見解はこう。

  • Macは皆が使いそうなアプリ類をバンドルした「全部入り」として提供される
  • Windowsはカスタマイズしてなんぼの世界
  • つまり、初期状態だとWindowsでできることはMacよりも少ない
  • よってPCスキルを持たないビギナーにはMacの方が向いている

実際、日本語入力FEPの精度一つとってもWindowsのそれはMacよりも大きく劣るので他のものに入れ替えてやらないと作業効率が上がりません。その作業はビギナーには敷居が高いはずです。発想すらないかもしれません。まあ、Macの日本語入力も数年前まではお粗末だったけど今では劇的に改善されています。iPhoneで儲けたからか目一杯リソースを注ぎ込んだのでしょう。その分、Macはサードパーティの活躍の場が狭いとも言えるのですが。それにゲームのようにMacがWindowsにまったく太刀打ちできない分野もあります。

でもその人は、やれ「Macは高くてコスパが悪いからダメ」とか「とっくにマイノリティなのだから負けだ」などという理屈で攻めてきました。好き嫌いや向き不向きの話をしているところに価格の大小や勝ち負けの観念で挑んでくるのだから、こちらは笑うだけですが。

挙句、私が「そうまで言うならMac使ったことあるの?」と訊ねたら「そんなものはない。だがリサーチはした」だと。つまり、結論を決めた上でMacに対するネガティブな記事ばかりを読んでイメージを膨らませてたらしいのです。こういう人に理屈は通じません。日本を絶対悪に位置づけた文在寅政権みたいな感じです。

ただ、一連のやりとりで私が思ったのは「コスパ」という言葉。言うまでもなくCost Performanceの略でよく使われるけど、これって実は貧乏人に特有の観念なのではないかと。

「経済的に余裕のない人は物を買い、余裕のある人は時間や利便性を買う」と言いますよね。前者は使えるお金が限られるから常に費用対効果を意識せざるを得ないけど、後者は金額の大小に捉われずに実利を追求できるわけです。

もちろん時と場所によるのだけど、不用意にコスパという言葉を使えば「ああ、安物買いを好む貧乏人思考が身についた人物なんだ…」という印象を相手に与えかねないだろうと。注意しないと。

XOR for Windows Version 1.1をリリース

昨日、XOR for Windows Version 1.1Microsoft Storeでリリースしました

変更点は以下です。

  • 起動直後のPDF選択ダイアログを廃止し、PDF選択機能をメインウインドウ内に移設

Version 1.0ではPDF選択ダイアログの表示中にヘルプメニューにアクセスできず、PDFを確定するまでアプリのヘルプやサブスクリプションの契約状況を確認できなかった点を改善しました。

XOR for Windows Version 1.1のPDF選択画面
新しいPDF選択画面。Version 1.0ではPDF選択時にヘルプメニューにアクセスできませんでした