印刷ジャーナル2020年5月15日号「働き方改革」特集

先週末、印刷ジャーナル2020年5月15日号が発行され、手元には月曜日に届きました。

1面の記事によると、やはり中小印刷会社の経営に新型コロナウイルスの拡大が大きく影を落としているとのこと。解ってはいたけど文字にされると些かインパクトがあります。

卒業式・入学式、企業の総会の中止に伴うパンフレットやカタログおよびチケット等の販促物、百貨店・スーパーなど小売におけるチラシ自粛の動きなど、印刷物の受注は大幅減が見込まれ…

また、ビーブレイクシステムが4月22日〜24日に行なった調査の結果では、テレワークが自社において推奨されたと答えた割合が40%、されなかったが55%だそうです。ただし、調査は印刷業界に限ったものではなく、IT業では77%が「推奨された」と答えています。印刷会社、制作会社の数字は解らないけど「されなかった」の方が多かったかもしれません。

さて、この号の特集は「働き方改革」で、XORも紹介していただきました。XORの記事はこちらになります。特集のロゴ下に約半ページもスペースを割いてくださり感謝です。クリックで拡大できるけどスキャンデータは読みづらいので、このblog記事の最後にテキスト全文を載せておきます。

印刷ジャーナル2020年5月15日号の『XOR』の紹介記事
印刷ジャーナル2020年5月15日号の『XOR』の紹介記事

そして広告も掲載していただきました。色やアニメーション効果が使えないのが残念ですが

印刷ジャーナル2020年5月15日号の『XOR』の広告
印刷ジャーナル2020年5月15日号の『XOR』の広告

この号の特集ページでは他にも、富士フィルムのWebポータルシステム「XMF Remote」やSCREEN GPジャパンのコミュニケーションツール「EQUIOS Online」といったオンライン校正システムが紹介されており、とても面白い内容となっています。なるほど大手ともなるとクライアントも巻き込んで先進的なソリューションを展開しているのですね。私も現役制作者であればぜひ使ってみたかったところです。ちなみに私が一昨年まで所属していた都内の制作会社では、そんなに進んだものは見かけませんでした。私が手掛けた制作物は、もっと手作り感が強かったのですよね。

そう、XORは大人数で使うオンラインシステムではなく、もっとパーソナルなPCアプリ。「システムを導入するほどでもないけど、品質保証やコストカットには注力したい」という小規模な印刷会社、制作会社、個人の制作者などに、校正支援の手段として使っていただくことを想定しています。

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テレワークにはMacという選択肢も

予想通り、緊急事態宣言が延長されました。しかも5月31日に終了できるかは不明です。新規感染者が減っても個々の入院患者の治療が長引き、医療現場の逼迫が続くなら東京だけ延長される可能性も捨てきれません。

よってゴールデンウィークと共に緊急事態宣言の終了を期待していたような企業でも、いよいよテレワークを始めざるを得ないかも。ワクチンか特効薬が実用化されるまでは新型コロナウイルスの脅威は消えないのだから、いつまでも渋っているわけにはいきません。

そんな中、新しいMacBook Proが発表されました。もちろん世の中はWindowsが主流、シェアにして8割以上です。でも場合によってはMacという選択肢もありだと思います。Windows機をMacとして使う事はできないけど、MacはWindows機としても使えるので、もしMacに馴染めなくても潰しが効きます。

MacBook Pro 2020
MacBook Pro 2020モデル

MacとWindows PCの違いを車で例えるなら、Macはオプションフル装備、Windows PCは車体のみといった感じです。余計なことに煩わされたくない人はMac、自身でカスタマイズしたり過去のソフトウェア資産を引き継ぎたい人はWindowsが向いているでしょう。アーティストやクリエイターにMacを選ぶ人が多いのは制作活動に集中したいからですね。

そしてiPhoneのシェアが高い日本では同じApple製品であるMacを受け入れる土壌があるとも言えます。iPhoneを中心に考えるならWindowsよりもmac OSとの親和性が高いのは当然です。例えばiPhoneのSafariでWebページを閲覧していて、より大きな画面で読みたくなった場合、iPhoneをMacに繋ぐとMac側のSafariでそのページを表示できます。

iPhoneのSafariアイコンを表示したMacのDock
Dock(アプリのラウンチャー)の左端にiPhoneやiPadで表示されているページにアィセスするためのアイコンが表示されます。

よってiPhoneやiPadに馴染んでいる人ならWindowsよりもMacの方がしっくり来るかもしれません。

まあ、会社支給ならMacは選べないかもしれないけど、近年一般化しつつあるBYOD(Bring Your Own Device。自前の機器を会社の業務にも使う)なら自身に選択権があるわけです。そしてこの先の時代はテレワークをはじめとした働き方、それに合わせた仕事のやり方に大きな変革を余儀なくされます。

だったら、とりわけ業務内容にクリエイティブな要素を含むのであれば、「今まで当たり前だと思っていたWindows環境が正解なのか?」「Macに置き換えて生産性が上がる可能性はないだろうか?」といった見直しはやっておいた方がいいでしょう。

STAY HOME週間

東京都では今日から「いのちを守るSTAY HOME週間」だそうで。最長12連休となるゴールデンウイーク期間(なのに映画館が閉じている皮肉…)、通勤しなくなった人々が外出を控えたなら、その2週間後には新規感染者数がぐっと減るはずです。

ステイホーム週間のバナー

とはいえ12日間も家に篭り続けるのは無理な話。皆どこかしらに出向くことはありましょう。そして連休明けにまた大勢の通勤が始まれば、その2週間後に感染拡大がぶり返す可能性は大。ならば5月半ばに一旦は感染者数が減っても後半にはまた増えると予想するのが順当かと。

よって緊急事態宣言が5月6日で無事終了するとは考えにくく、外出自粛、テレワークの推奨が少なくとも5月いっぱい、もしくはもっと長引くと見ておいた方が良さそうです。もしここで収束に向かったとしても、ワクチンや集団免疫はまだないのだから、いずれ第二波、第三波が来ることも予想されているし。

というわけで、中には「5月6日までやり過ごせば…」とテレワークへの移行を先送りしてきた企業もあるかもしれないけど、ここいらで覚悟を決めた方がいいと思います。

ちなみにXORはテレワークに適したPDF比較アプリです。

App icon of the XOR

XOR

リアルタイムPDF比較ビューワ

2,000円(税込)/月
(サブスクリプション)

  • Download_on_the_Mac_App_Store_Badge_ja
  • Microsoft Store Badge

韓国の成功例に倣え?

新型コロナウイルス対策として「押さえ込みに成功した韓国に倣ってPCR検査を大規模に実施しろ」という声がありますよね。でも、私は否定的です。そこだけ真似しても韓国みたいに成果を上げるのは無理だろうと。

新型コロナの感染者数 日韓比
韓国と日本における新型コロナウイルス感染者数の推移。日付が揃っていないけど感染者数の山がいつ頃どう推移したかは解ります

4/16放送のTBSラジオ荻上チキSession-22でも言っていたけど、韓国のコロナ対策が成功した背景にはPCR検査の徹底だけではなく、国ぐるみの監視システムの存在が大きいとのこと。あの国ではクレジットカードによる支払いが一般的で、かつ全員の個人番号とも紐づけられているので、ひとたび感染者(「確定診断者」と呼ぶらしい)が見つかれば、当局は各所の監視カメラ映像などを使ってその人の行動をつぶさに検証できるのだと。

例えば「いつどこのスーパーに行き、どの入り口から入って、何分間滞在し、どの商品を触り、どのレジで支払いをすませ、どこから出て行ったか。その際、マスクはしていたか」などです。そのため当局は懸念される店舗にピンポイントで3日間営業停止といった指示を出せます。

でも、日本では無理。マイナンバーはあるけど電子マネーやクレジットカードの履歴から個々人を追跡監視できる状況ではなく、やろうにもきっと法改正とシステム開発に長い期間が必要なはずです。

実際、日本では新たな感染者が日に日に増えてきているものの半数以上が感染経路不明とされています。怪しいタイミングの自覚がなかったり、思い当たる節があっても「そのお店に迷惑をかけたくない」と報告しないケースも少なくなかろうと。

よって日本が韓国に倣ってPCR検査を大規模に行なったところで韓国ほどの成果は得られないはずです。陽性と診断された当人は隔離できても、その人から感染したかもしれない人たちへの防疫処置には漏れが出るだろうから。

もちろんPCR検査は拡大してくれていいのだけど、それはあくまでも医療リソースのキャパの範囲内でというのが前提です。とりわけICUの医師や看護師、保健師などへの過負荷や必要物資不足が続くようなら、それでかえって医療崩壊を招きかねないので。

緊急事態宣言はいつまで続く?

政府による緊急事態宣言の対象が全国に拡大されました。期間は一応5月6日までとされてはいるけど、きっと延長になるでしょう。

緊急事態宣言のロゴ

外出自粛が徹底されれば新規感染者が減って拡大は収束するはずだけど、その反面、集団免疫を獲得しないままになるので、一旦は収束に向かっても新たに持ち込まれれば再拡大しかねません。まあ、成り行きに任せて犠牲者を出すわけにはいかないから致し方ないけど。

他国のように都市封鎖や感染者の行動追跡ができない日本でやれることは自粛による時間稼ぎのみ。ワクチンや治療薬の開発と実用化までの。その間は医療崩壊を招かないように感染者の増加ペースを抑制し、重症者に確実に処置を行き渡らせる必要があります。

ならば緊急事態宣言がゴールデンウィークとともに終わるとは考えづらく、さらに続くと見るのが妥当でしょう。残念ながら。

ここはアビガンなどの既存薬が有効であることを願うばかりですね。そのおかげで医療キャパに余裕が出れば自粛の度合いを緩められるかもしれないので。

なお、依然としてPCR検査の拡充を望む声は多く、ドライブスルー方式の実施や検査センターを新設するといった案もあるようだけど、くれぐれも医療・保健分野への過負荷を前提としたものにならないよう切に願います。軽症者を入院ではなく隔離することで病床の空きは確保できても、医療用マスクや防護服、人工呼吸器などの必要機材、そして何よりも医師・看護師・保健師などの人材には限りがあるのだから。