XORのメインターゲット

私が想定するXORのメインターゲットは以下。

  • 中小零細の企業やフリーランスの個人としてドキュメント制作に携わっている人

そしてそのような人は今後増えていくと見ています。

PDF比較の重要性は説明するまでもないでしょう。日本ではちょっとした誤字脱字すら許されない風潮があるし、些細なミスでも大ダメージになりかねないので、完璧を目指したいところです。

そこで最も頼りになるアプリがProof Checker PROだけど、1ライセンス100万円超、または月々4.2万円〜なので、導入できるのは大きな組織だけです。

実は、私は約一年前まで都内の某大手ドキュメント制作会社に勤めていたものの、業績不振を受けて退職を余儀なくされました。「賃下げを飲むか辞めるか」の選択を迫られ、辞める方を選んだわけです。なにしろ、あのまま残っても会社の売り上げが急回復して私への報酬が元の水準に戻るとはとうてい思えなかったのですよね。

昨今、紙などの原材料費なども上がっているのだから、本来なら制作会社はクライアントに制作費の値上げ交渉をすべきだけど、下手に切り出そうものなら逆に単価の引き下げを求められ兼ねないので、固定費を切り詰めて乗り切るしかないと考えていたようです。正社員を最小人数に抑え、派遣やアルバイト、外注で補うのだけど、それでも持ちこたえられそうになければ、常駐の非正規雇用スタッフはもちろん、いよいよ正社員も減らさざるを得なくなります。私の退職もその過程で煽りを受けた形です。

とはいえ薄利多売のドキュメント制作業。スタッフが減ったからと仕事を断るわけにはいかないので、今後は「大手が受けた仕事を小規模な制作会社やフリーランスの個人が下請けで制作するケースが増えていく」というのが私の業界の見立て、近未来予測です。

結果、そのような制作者たちはProof Checker PROには手が出ないので、比較的安価な代替アプリを求めるはず。そこでXORも何とか一定数以上のユーザを得られれるのではないかと。

幸いなことにアプリを販売する上で、昔のようにメディアを焼いて一つずつ箱詰めし、流通網に乗せて売り上げを回収するといった経費はかからなくなったし、Mac App Storeでリリースすれば違法コピーの心配もいりません。

また、サブスクリプションが広く受け入れられてきたのも追い風です。XORを48,000円一括払いとかで売り出しても、どれほども売れないと思うから。

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Proof Checker PROには敵わないけど…

PDFの新旧比較をする製品として業界内で絶大な信頼を勝ち得ているのがProof Checker PRO。PDFの品質確保に特化しているので、万能アプリのAcrobatよりも精度の高い比較結果を返してくれます。加えてプリフライトの機能も優れているので、制作受注コンペの際に「Proof Checker PRO導入済み」は殺し文句のような効力を発揮します。

Proof Checker Pro 5 LITEの画像

そのProof Checker PROもバージョン4まではAcrobatと同じくPDFのデータを解析するタイプの比較が主力機能だったけど、昨年発売のバージョン5では「ビットマップ比較モード」が加わり、より完成度の高い校正ソフトウェアとなりました。

解析方式による比較だとPDFのデータ構造や修正内容によっては要素のペアリングがうまくいかず、どうしても不正確な結果が出かねないけど、ビットマップ化してビジュアル的に比較すればそれを補えるわけです。

ただし、Proof Checker PROは高機能、高性能なプロ用のソフトウェアで1ライセンスが100万円を超えています。LE版という期間限定のライセンスプラン(3ヶ月版/12ヶ月版)も用意されていて繁忙期だけ導入するような使い方ができるものの、それでも月額4.2万円からといった価格なので、やはり中小零細な制作会社や個人での導入は難しいでしょう。

よって、Proof Checker PROを乗り物に例えるなら「ラグジュアリーな高級車」。至れり尽くせりで誰もが憧れるものの、なかなか手が届かないような。

対してXORは「電動アシスト付き自転車」かな。補助はあっても動力すら人力だし、快適さでは大きく見劣りするけど必要最小限の目的は果たせます。そして何よりも導入費用と維持費が安いという。

また、Proof Checker PROはドングル方式なので複数人で使う場合はアプリをインストールした1台のPC、もしくはドングルの方を譲り合うことになります。そのため運悪く締め切りが重なれば順番待ちが発生するわけです。

でもXORは各人が自身のMac(近い将来はWindows PCでも)で独占的に使う前提です。しかも、Apple IDが同じなら職場でも自宅でも1つのライセンスだけで利用できます。

XORは機能面ではProof Checker PROには到底敵いません。Proof Checker PROが持つ様々な便利機能の内、ビットマップ比較モードだけを違う方式で実現した感じなので。

でも、導入・維持のコスト面に限ればXORの方がお手頃です。

XORの便利な使い方

先日、PDF比較アプリ『XOR』をリリースしました。

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XORは二つのPDFをビジュアル的に重ねて差異を見つける方式を採用しているので、比較結果としては「どこが変わったか」だけを表示します。Acrobat DCやProof Checker PROのようにPDFのデータ構造を解析して「どこがどのように変わったか」といった親切なリポートはできません。

よってXORの最も効果的な使い方はこれでしょう。

  • 冊子制作において、変化がなかったページを洗い出して確認対象から除外する

例えばAcrobatによるPDF比較では、ときおり差異の見落としが起きるので参考程度に留め、さらに目視で全ページを見比べていた方もおられたかと。

でも、XORの比較にかければ差異がある箇所が100%検出されます。ならば差異が無いページを洗い出すのも容易なので、それらを確認対象から除外すれば作業時間を削減できます。

ただし、中には「必要な修正がなされていない」というケースもあり得るので、単純に変化がないページは確認不要とはいかないのですが。

XORはなぜ必要?

先日、Macアプリ『XOR』をリリースしました。

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なぜ私がこれを作ろうと思ったかというと、必要に迫られたから。

通常、商用ドキュメントの制作では作って一発OKということはなく、校正(検証)と修正を何度か繰り返して完成させます。取扱説明書の場合は製品のマイナーチェンジに合わせて改版が入ることもしばしば。よって新旧のPDFを見比べる機会が多々あります。印刷後にミスが見つかれば刷り直しの費用が発生したり納期が遅れて責任問題にもなりかねないので、できるだけ頼れるツールを用いたいところです。

新旧PDF比較の目的で最も有名なツールはAcrobat DCでしょう。業界人ならほとんどが持っているので追加コスト無しに使えるものの、残念ながら比較の精度があまり高くありません。完璧な比較結果を出してくれることも多いけど、そうでないときもあるといった具合です。

もう1つのスタンダード品がProof Checker PRO。こちらはAcrobatよりも精度が高い比較を実現していて業界人からの信頼が厚いものの、1ライセンスが100万円を超えるので、大きな組織なら導入できても中小零細業者やフリーランスの個人にはとても手が出ません。

そう、私も大手の制作会社に勤めていた頃はProof Checker PROが使えたけど、離職した今はどうにも

そんな中、ある日ふと思いました。「以前、自身が作ったPhotoshopプラグインをアプリにすればそこそこ売れるのでは?何より、自身が楽になるぞ」と。

それから紆余曲折があったけど、見込みよりも数ヶ月遅れでようやくMac版だけ先にリリースできました。

XORによる比較のコンセプト

先日、Macアプリ『XOR』をリリースしました。

XORは二つのPDFの対になるページどうしを重ねてビジュアル的に比較します。イメージ的にはこんな感じです。

xor concept animation
普遍箇所はグレー、差異は青や赤で表示されます。

商用ドキュメンテーションの業界では昔から「アオリ」というテクニックが使われてきました。見比べたい2枚の校正紙をぴったり重ねて端っこを押さえ、上の一枚だけをペラペラとめくったり戻したりを素早く繰り返して残像の違和感で差異を見つける技法です。業界内で信頼の厚いデジタル校正ソフトウェアProof Checker PROにもこれを再現した機能が搭載されていて非常に便利です。

ただし、アオリは違いがありそうな場所が特定できていれば効果的ですが、ページの全域から微細な違いを見つける用途には不向きです。

それに、せっかくソフトウェアで再現するならデジタルならではの利点を活かしたいところ。そうして研究した結果、着色技術をうまく使うことで、上のGIFアニメのような比較を実現できました。

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