自滅する印刷業社

動画『自滅する印刷業社』を公開しました。

内容は、こんな印刷会社は経営が苦しくなるに違いないという考察です。私がかつて所属した二つのドキュメント制作会社の経営方針などを振り返って、共通点だった悪しき慣習を簡潔にまとめました。おそらく印刷業社以外にも当てはまるでしょう。

よかったらご覧ください。

Montereyでも動作します

XOR for MacがmacOS Montereyでも問題なく動作することを確認しました。

macOS Montereyアイコン
macOS Monterey

XORはプロの印刷業者に向けたアプリだし、仕事で使うMacのOSをすぐさまアップグレードする人は少ないだろうけど、これから発売されるMacは最初からMontereyが入っていて過去のOSは使えない公算が高いので動作確認は重要でした。

実際、私も新型Mac miniの登場を心待ちにしています。Intel Macに比べて消費電力が激減し、かつ処理能力は大きく上がるはずです。最近のAdobe Acrobatは動作が重いし

繰り返します。検証の結果、XOR for MacはmacOS Montereyでも問題なく動作するので、安心して新しいMacをお買い求めください。

XOR for Mac Version2.0のアイコン

XOR

リアルタイムPDF比較ビューワ

  • Download_on_the_Mac_App_Store_Badge_ja
  • Microsoft Store Badge

2,000円(税込 ※)/月
(サブスクリプション)

※ 日本における価格には      
10%の消費税が含まれています

ひやっしー&そらりん計画

昨日のTBS『サンデージャポン』に村木風海さんという若い男性研究者が登場して面白いことを話していたので備忘録的に書いておきます。

彼の発明品の一つ目は「ひやっしー」。キャリーケース大の装置で空気中の二酸化炭素を吸い込んで回収する装置なのだそうな。しかも既にいくつかの機関で使われているとのこと。

ひやっしー ひやっしー。https://kuma-foundation.org/exhibition2021/technology/kazumi-muraki/ より

地球温暖化、あるいは気象の先鋭化に対して二酸化炭素の排出がどれぐらい影響しているのか私には解らないのだけど、多くの科学者が賛同しているわけだし、無関係と言い切れないなら、この手の装置を活用するのは良い手に思えます。企業秘密の技術が使われているらしいけど、もっと小型化と量産が進み、世界中に普及すると良いですよね。ソーラーパネルや風力発電機などとセットで設置されて電源も要らなくると最高です。

さらに、村木氏が手がける「そらりん計画」というのも紹介されていました。ひやっしーで回収した二酸化炭素からガソリンの代替燃料を合成可能とのこと。どうやらミドリムシを媒介させるようです。これも良いですね。電気自動車の普及や既存の車の置き換えには長い年月がかかりそうだけど、代替燃料ならガソリン車のまま使えます。

とはいえ、実用化はまだまだ先だろうけど、十分な性能と供給体制が整う日が早く来ることを切に願います。加えて利権に邪魔されることがなければ良いなと。

なお、村木氏は火星への移住を真剣に考えているのだそうな。なんでも火星には二酸化炭素がたっぷりあるので、いわゆる石油製品の類は作り放題だし、復路の燃料にも使えるのだと。先日酸素も二酸化炭素から作れるし、将来は水も作り出せるようになるかもしれません。

なるほど、漫画『宇宙兄弟』にはレゴリス(月面の土壌)から酸素を作り出す様が描かれていて、その装置は作中でとても重要な役割を果たすけど、それに似た話か。

村木氏が世界を変えるほどの影響力を持つのはもっと先のことになるだろうけど、楽しみです。

 

 

プロセスエコノミー

ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか』の6月30日放送ではIT批評家の尾原和啓さんがゲストでした。

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!
辛坊さん自身は太平洋ヨット航海の帰路につきました

語られたのは「プロセスエコノミー」について。何でも「モノづくりにおいて、もはや機能では差別化できない。ならば成果物よりもプロセスの方が価値を有する」とのこと。あるいは「プロセス込みの成果物に価値を高められる」のだと。なるほど、その通りだと思います。

差し当たりXORの場合、開発過程を公開して共有するのは無理だけど、そのバックグラウンドなら語れます。

1. 課題の発見

2016年秋、私は都内のドキュメント制作会社に再就職しました。その会社では主に編集者として取扱説明書の制作に携わったのだけど、現場では実にアナログな校正がなされていました。校正紙をいちいちプリントアウトして目視でDTP原稿と見比べる感じです。

そのため校正能力が問われる上、やたらと時間がかかるし、ときには無用な変更の見落としも発生します。DTP原稿の修正指示とは違う箇所が変化していても、なかなか気づけないものです。

よって「これはアプリを導入して効率化を果たさないことには」と思いました。

2. 既存の解決策

もちろんそんな非効率なやり方を誰も問題視しなかったわけではなく、その部署でも1ライセンスが100万円を超える有名なPDF比較アプリを導入していました。

ただし、アプリにはコピープロテクトがあり専用のUSBドングルを装着したPCでしか起動できず、利用者が限られていました。使用を禁止されてはいなかったものの、締め切りが重なると重要案件を手がけるベテラン編集者が優先されるため、私のような新入りやDTPオペレータ、その他のスタッフは使用を遠慮すべきと言わんばかりの空気感が醸成されていて。

よって各人は代わりにAcrobatのPDF比較を使っていたけど、ご存知の通り精度が高いとは言えなくて。

3. 転機

それでも日々業務をこなしていたものの、2018年春、会社の業績不振を受けて「賃下げか退職か」を迫られました。その会社が長年続けてきた採算度外しの受注に限界がきた形です。結局、その部署では私を含めた何人もの制作スタッフが立て続けに退職しました。

そうして退職が決まり、身の振り方を考えた末に思いついたのが「だったら理想のPDF比較アプリを作って世に送り出してみようじゃないか」でした。業界大手のその制作会社でも制作業務を改善する余地があったのだから、より小さい制作会社、そして個人の制作者ならなおさらだろうと。

4. プロセスエコノミー

その後、予想以上に時間はかかったものの一応の完成をみてリリースするに至ったのがXORです。

コンセプトは「必要十分なPDF比較をすべての制作者に」ですが、まだ完全体だとは考えていません。新機能のアイディアもたくさんあるし、リクエストがあれば検討したいので、ぜひお寄せください。

そうして、ユーザや潜在的ユーザの意向も交えながら発展させて行かれるといいと思います。本当は新機能開発費のクラウドファンディングができればいいのだけど、Mac App AtoreやMicrosoft Storeだと出資者への還元が難しくて。

Appleプロダクトへの疑問

Appleの製品展開にはちょっと疑問があります。

例えばこちらのiMac(2021)。

iMac(2021)のラインナップ

まず、左端のモデルは明らかにスペックが低いので用途が展示などに限られている場合向けでしょう。

よって多くの人は右の2モデルから選ぶことになるけど両者の違いはストレージ容量のみ(256GB/512GB)。

でも、メモリ容量(8GB/16GB)でモデルを分けた方がいいと思うのですよね。ストレージは外付けでいくらでも拡張できるけど、メモリはロジックボード直付けで後から拡張できないのだから。

というのも、家電量販店などで購入する場合にメモリ8GBのマシンしか選べないので、例え上位モデルを買ってもメモリ容量不足に直面しかねないわけです。

極力Apple Storeで買わせたい囲い込みなのか、他の思惑があるのかはわからないけど、ユーザ視点で考えるならストレージではなくメモリ容量でモデルを分けた方がいいと思います。