テレワークにはMacという選択肢も

予想通り、緊急事態宣言が延長されました。しかも5月31日に終了できるかは不明です。新規感染者が減っても個々の入院患者の治療が長引き、医療現場の逼迫が続くなら東京だけ延長される可能性も捨てきれません。

よってゴールデンウィークと共に緊急事態宣言の終了を期待していたような企業でも、いよいよテレワークを始めざるを得ないかも。ワクチンか特効薬が実用化されるまでは新型コロナウイルスの脅威は消えないのだから、いつまでも渋っているわけにはいきません。

そんな中、新しいMacBook Proが発表されました。もちろん世の中はWindowsが主流、シェアにして8割以上です。でも場合によってはMacという選択肢もありだと思います。Windows機をMacとして使う事はできないけど、MacはWindows機としても使えるので、もしMacに馴染めなくても潰しが効きます。

MacBook Pro 2020
MacBook Pro 2020モデル

MacとWindows PCの違いを車で例えるなら、Macはオプションフル装備、Windows PCは車体のみといった感じです。余計なことに煩わされたくない人はMac、自身でカスタマイズしたり過去のソフトウェア資産を引き継ぎたい人はWindowsが向いているでしょう。アーティストやクリエイターにMacを選ぶ人が多いのは制作活動に集中したいからですね。

そしてiPhoneのシェアが高い日本では同じApple製品であるMacを受け入れる土壌があるとも言えます。iPhoneを中心に考えるならWindowsよりもmac OSとの親和性が高いのは当然です。例えばiPhoneのSafariでWebページを閲覧していて、より大きな画面で読みたくなった場合、iPhoneをMacに繋ぐとMac側のSafariでそのページを表示できます。

iPhoneのSafariアイコンを表示したMacのDock
Dock(アプリのラウンチャー)の左端にiPhoneやiPadで表示されているページにアィセスするためのアイコンが表示されます。

よってiPhoneやiPadに馴染んでいる人ならWindowsよりもMacの方がしっくり来るかもしれません。

まあ、会社支給ならMacは選べないかもしれないけど、近年一般化しつつあるBYOD(Bring Your Own Device。自前の機器を会社の業務にも使う)なら自身に選択権があるわけです。そしてこの先の時代はテレワークをはじめとした働き方、それに合わせた仕事のやり方に大きな変革を余儀なくされます。

だったら、とりわけ業務内容にクリエイティブな要素を含むのであれば、「今まで当たり前だと思っていたWindows環境が正解なのか?」「Macに置き換えて生産性が上がる可能性はないだろうか?」といった見直しはやっておいた方がいいでしょう。

テレワーク制作における品質確保

新型コロナウイルス拡大を受けた緊急事態宣言が1ヶ月程度延長されるとのこと。しかも再延長される可能性も捨てきれません。

よって連休明けにはいよいよ重い腰を上げてテレワークに臨まざるを得ない印刷会社、制作会社も多いかと。

もちろん課題はたくさんあります。機密情報の扱いを始め、PCやインターネット回線の整備、勤怠管理など。校正紙の扱い(印刷、受け渡し、保管、廃棄)も悩ましいところです。

そして大きな懸念の一つが品質面。会社にいるときのように、自身が手掛けた制作物の校正を手が空いた同僚に頼むことが難しいので。

そこで有効な対策はXOR(Mac版・Windows版)のようなPDF比較アプリの活用です。

XORのアオリ表示
XORのアオリ表示を使えば新旧PDFの差分箇所を簡単に洗い出せます。

例えばDTPオペレータは自身の制作結果に対するチェックが甘くなりがちですが、XORを使って新旧PDFの差分を洗い出せば客観的な視点が得られ、無用な変更の類があっても気付きやすくなります。

その結果、校正用PDFを編集者に提出した後、赤入れされた再修正原稿が戻され、再度作業するような出戻りを減らせます。

もちろん編集者側もXORを使えば校正作業が捗り、品質確保に有効です。

XORはサブスクリプション提供なので、とりあえずテレワークの期間だけでも、制作者全員が個別に導入することをお勧めします。

個人成り

このたびFROGFISH合同会社から個人成りしました。法人→個人事業主への移行ですね。屋号は会社種別を除いた「FROGFISH」になります。

logo_FROGFISH

というのも新型コロナウイルスがこれほど拡大して収束の見通しもまったく立たない以上、今はベンチャービジネスの立ち上げ期に相応しくないと判断しました。法人は当面のところ休眠です。

XORはテレワークに適したアプリなので場合によってはこの逆境が追い風になりうるけど、景気が一気に落ち込んで印刷物などのドキュメント制作の需要が減ろうものなら、そのアドバンテージはなくなります。いつまで耐え忍べば経済が回復するかもまったく検討がつきません。

まあ、アプリは引き続きMac App StoreおよびMicrosoft Storeから提供されるので、ユーザ様においてはこちらが法人でも個人でも大して違いはないはずです。

安倍長期政権の通信簿

今週、読売テレビの『そこまで言って委員会NP』で安倍長期政権を振り返っていました。

そこまで言って委員会NP

元厚労相かつ元都知事の舛添要一氏は「雇用創出など順調に推移」と高評価。これに対して須田伸一郎氏が「失業率が下がり、有効求人倍率が東京で2倍を超え、もうしばらくすれば実質賃金も上がると言われてから3、4年が経った。つまり失敗では?」と指摘。私も須田氏に賛成です。

いくら失業率が低くても、労働者を東京にかき集め、かつ多くが派遣労働市場に吸収されたのであれば、それは喜ばしいことではなかろうと。実際、Indeedなんかを眺めてみても派遣の求人のなんと多いことか…。

もちろん派遣労働者も今の日本社会で重要な役割を果たしているのだけど、望んでそういう働き方をしている人は少ないはず。願わくば安定雇用の職につきたい人が大半だろうと。なにしろ派遣労働は「社員みたいな人材をアルバイトのような待遇で活用する手段」として機能しているので。

よって「値上げできない」という固定観念に囚われた企業や団体が安い労働力を求め、求職者は他に選択肢がなければその職に甘んじるしかなく、いつまで経っても経済的に余裕ができずに個人消費が振るわず、さらなる低賃金不安定雇用の労働者を生み出すというデフレスパイラルが続きます。

まあ、安倍政権が派遣法を改正したわけではないけど、労働分配率の低さなどの問題を知りつつも放置してきたとは言えましょう。

それでも来月から同一労働同一賃金が施行(中小企業は1年後)されるので、これがいい方向に作用してくれればと願うものの期待薄かな。新型コロナウイルス渦に見舞われた今、派遣労働者は「どんなに条件が悪くとも職を失うわけにはいかない」という守りの思考になりがちなので。

テレワークどころじゃない?

新型コロナウイルス、早く収束してもらいたいものです。差し当たり気がかりなのは東京オリンピック・パラリンピック開催の可否。私は招致には反対だったけど、こんな形で中止になるのは不本意なので、延期に期待します。来年以降なら水泳の池江選手も間に合うかもしれません。

さて、XORはサブスクリプションで提供されるため期間限定で導入できます。ドングルもなく、同じアカウントなら会社でも自宅でも使えるのでテレワークに最適です。

よって新型コロナウイルスの拡大はひょっとして追い風になるかとも思ったけど、このまま経済が落ち込んで印刷物などドキュメント制作の需要自体が減ろうものならテレワークどころじゃなくなります。印刷会社、制作会社のスタッフは少なからず雇用の継続自体が危うくなりかねません。