自民党大敗の予感

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8月28日(土)放送の『朝まで生テレビ 激論!コロナ禍と政治の責任』を録画で見ました。いやぁ、これが初めてかも。共産党と部分的でも意見が合ったのは。

番組中、日本共産党政策副委員長の山添拓議員が訴えていたのは「野戦病院、臨時医療施設を急いで開設しろ」です。真っ当ですよね。自宅療養感染者は今や全国で12万人超。中には本来なら入院が妥当な人も大勢いるはずだから。訪問診療だと移動時間もかかるので効率が悪く、診られる人数が限られてしまうと。まったくもってその通り。

対して自民党総務会長代理の片山さつき議員は「都内7,000の診療所それぞれが5人のコロナ患者を診れば35,000人の自宅療養者をWatchできる」だと。まるで診療所が嫌がってコロナ患者を避けているかのような言いっぷりです。現実は、ほぼ全てが協力しようにも設備や人員の都合で難しいのが実情だろうに。よってこのまま自宅療養中の死亡例が増えれば、来る総選挙では自民党が大敗することでしょう。

なお、三浦瑠麗さんは訪問診療と臨時医療施設の双方に理解を示しつつも別の角度から懸念を訴えてました。「仕切りはなく、男女の区別もなく、トイレも遠くてお風呂もない状況が何日も続くことに日本人が耐えられるだろうか?」と。確かに、災害の時の避難とは違うからな。とは言え自宅でいつ病状が急変するともわからず、そうなっても入院できない底知れぬ不安感を抱き続けるよりはマシだと思いますよ。特に単身者などにとっては。

ちなみに大阪は1000小規模の臨時医療施設を作るとのこと。さすが決断が早いです。具体的なところは調整中らしいけど、願わくば防音性の高い個室っぽい仮説病床が設置されることを願います。トイレはないだろうけど。

また、今朝放送のサンデー・ジャポンでは、田村厚労相と小池都知事が共同で都内の全病院にコロナ患者の受け入れを要請し、従わない病院名は公表すると発表したことに対して、長谷川ミラさんが「飲食店に続き、病院も脅すのか」と憤っていたような。こちらは都の意向も大きいとはいえ、やはり自民党に有利には働かないでしょう。

選挙展望2021年秋

選挙の投票行為

自民党総裁選が9月29日(水)の投開票と決まりました。まあ、菅総理の再選は揺るがないでしょう。二階幹事長や安倍前総理が支持を表明しているのだから。

よって気になるのはその後の総選挙の行方。私は自民党が50議席以上を失うと予想します。それどころか場合によっては70議席減、自公で過半数割れもあり得るだろうと。結果、菅総理は国民から「有事のトップリーダーとしては不適任」という烙印を押されたとして、総裁再任後早々にハラキリ辞任することになるでしょう。石破茂氏が今回の総裁選出馬を見送る理由も、そういうことなんじゃないかな。

何しろ支持率が低下するばかりの菅政権のコロナ対策はワクチン接種頼み。でも、菅政権がこの1年でやってこなければならなかったのは「最悪の事態を想定した医療体制の整備」です。それをやらなかった政治的ネグレクトの結果、感染して症状が出ていても入院できず何時間も待機させられたり、自宅で亡くなるケースが相次いでいます。コロナに感染した妊婦が自宅療養を強いられ、早産で子供を失った件は失政の最たる犠牲です。

この国の医療・保健が逼迫しやすいことは昨年にも経験済み。加えてウイルスは変異しやすくデルタ株のような厄介な変異種が登場しかねないこと、ワクチンを接種しても感染を完璧には防げないであろうこと、ワクチンの接種効果がいつまで続くかが不明確なことなどは、前々から言われていました。

他方で、感染の初期から医療処置が受けられれば、高齢者や基礎疾患がある人以外、死亡率が高い感染症ではないことも解っていたのだから、少数の医療従事者で多くの患者を診られるようにする医療体制の整備や法改正はやって然るべきだった政治課題です。時間も十分にありました。

なのに菅政権はワクチン接種さえ進めば万事が好転するかのように勘違いして致命的な戦略ミスを犯し、国会も閉じたまま、11万人超の感染者に自宅療養を強いて、死ななくてもいい人を死なせるかもしれない状況を続けています。

また、ワクチン接種で先行したイスラエルや米国でも感染が再拡大しているし、ワクチン接種の抗体数は3〜6ヶ月で減退するという報告もあります。だとすると、打ちたくても打てていない65歳未満の接種待ちの人たちを後回しにして、医療従事者の3回目摂取を急ぐ必要が出てくるかもしれません。総選挙は10月か11月。それまでにはワクチン接種率も上がっているとの目論見も崩れかねないわけです。

よって総選挙では決して野党が強いわけではないのに菅政権の致命的な失政から自民惨敗、菅総理引責辞任というのが現時点の私の予想になります。

菅氏、何だったらステップダウンして、また官房長官職に収まるのがいいのではないでしょうか。

ひやっしー&そらりん計画

昨日のTBS『サンデージャポン』に村木風海さんという若い男性研究者が登場して面白いことを話していたので備忘録的に書いておきます。

彼の発明品の一つ目は「ひやっしー」。キャリーケース大の装置で空気中の二酸化炭素を吸い込んで回収する装置なのだそうな。しかも既にいくつかの機関で使われているとのこと。

ひやっしー ひやっしー。https://kuma-foundation.org/exhibition2021/technology/kazumi-muraki/ より

地球温暖化、あるいは気象の先鋭化に対して二酸化炭素の排出がどれぐらい影響しているのか私には解らないのだけど、多くの科学者が賛同しているわけだし、無関係と言い切れないなら、この手の装置を活用するのは良い手に思えます。企業秘密の技術が使われているらしいけど、もっと小型化と量産が進み、世界中に普及すると良いですよね。ソーラーパネルや風力発電機などとセットで設置されて電源も要らなくると最高です。

さらに、村木氏が手がける「そらりん計画」というのも紹介されていました。ひやっしーで回収した二酸化炭素からガソリンの代替燃料を合成可能とのこと。どうやらミドリムシを媒介させるようです。これも良いですね。電気自動車の普及や既存の車の置き換えには長い年月がかかりそうだけど、代替燃料ならガソリン車のまま使えます。

とはいえ、実用化はまだまだ先だろうけど、十分な性能と供給体制が整う日が早く来ることを切に願います。加えて利権に邪魔されることがなければ良いなと。

なお、村木氏は火星への移住を真剣に考えているのだそうな。なんでも火星には二酸化炭素がたっぷりあるので、いわゆる石油製品の類は作り放題だし、復路の燃料にも使えるのだと。先日酸素も二酸化炭素から作れるし、将来は水も作り出せるようになるかもしれません。

なるほど、漫画『宇宙兄弟』にはレゴリス(月面の土壌)から酸素を作り出す様が描かれていて、その装置は作中でとても重要な役割を果たすけど、それに似た話か。

村木氏が世界を変えるほどの影響力を持つのはもっと先のことになるだろうけど、楽しみです。

 

 

ウイルスと現代社会の相性

新型コロナウイルスの新規感染者、そして重傷者が増え続けています。医療が逼迫し、東京都では自宅療養者が2万人を超えたそうで。基礎疾患のない30代の死亡例も聞かれるようになったし、もはや「高齢者のワクチン接種が進んで死亡数が減っているからOK」などとは言っていられません。

パルスオキシメーター

さて、ウイルスは一般的に弱毒性に進化すると言われます。強毒だと宿主の活動を抑えたり死なせてしまうため生き残れないからだと。でも、例外は起こりうるのではないかと思うのですよね。

まず、ウイルス自体に意思はないので、理屈の上では毒性と感染力の両方が強がものの発症は遅く、しかもワクチンが効きにくい「最悪の変異体」も発生しえます。確率は低いだろうけど。

そして問題は現代社会のライフスタイル。短時間で長距離を移動できるし、とりわけ都心では人口過密の中で多くの人が半日近くも働いています。つまり、誰かが感染した際にウイルスが「最悪の変異体」に変わって、本人が体調不良を自覚したり、何らかの事情でPCR検査を受けるまでの間に他の人に感染させ、それが連鎖してしまう可能性は否定できないかと。強毒性ウイルスは長く存続できないとはいえ、宿主を弱らせる前に広まれば犠牲者が増えてしてしまいます。

新規感染者数は感染拡大を計る参考値のようなもので、重症率や病床逼迫の方が重要な指標だと思うけど、感染自体を抑える努力もやはり不可欠なのでしょう。

DIAMOND ONLINEの「マンガでわかる「感染」を抑えることで「ウイルス」は弱毒化に向かって進化する」
DIAMOND Online『マンガでわかる「感染」を抑えることで「ウイルス」は弱毒化に向かって進化する』より

コロナ病床の逼迫に思う

五輪が終わり、ニュースの主要テーマはコロナ病床の逼迫問題に移りました。何しろ今感染した場合、ちゃんと入院治療、あるいはホテル療養が受けられるかもわからないので。自宅療養は人によっては不安が大きいですよね。例え軽症でも容体が急変することがあるようだし。

そこで野戦病院的な施設が必要だと思います。なお、パーティションは不可欠でしょう。

橋下氏は否定的なようだけど、法律が整ってなくても人命のためにはどうにか調整して早急にやらざるを得ないはずです。医療人材に関してもそう。少ない人員で多くの患者を効率的に診られるようにしないと助かる人も助けられなくなりかねません。実際、福井県はまだ病床に余裕がある中で予備の100床を確保したし、他の都府県にもできるはずです。

そう聞いて連想するのが介護問題。特に東京都の。何しろ永年の一極集中のせいで数年後の東京は超高齢化に見舞われます。進学や就職で地方から出てきてそのまま東京に居を構えた団塊の世代以降が続々と後期高齢者になるためです。コロナの重傷者数と同様、母数が多ければ要介護者も増えるけど、これといった解決策はありません。何しろ土地の制約から大規模介護施設なんて建てられないし、介護士のなり手もいないので。

中には「東京にはこれからも若い世代が流入するから大丈夫」なんて言う人もいるけど、それは浅はか。若者が増えても要介護者が減るわけではないことは、ちょっと考えればわかるはずです。

そこで本来ならかつての役割を終えた多摩ニュータウンなどを介護拠点地域として再開発すべきだろうけど、そんな話は聞かれません。区分所有の問題もあって難しいのでしょうね。よって東京では介護離職、介護待機、そして介護放置される人が急増します。必然的に閉塞感が漂い、都や区市の財政も厳しくなるでしょう。東京五輪は特需なく終わってしまったというのに。

ちなみに地方なら土地の制約も少なく集中的な介護施設も確保しやすい上に、東京よりも仕事が圧倒的に少なく、巨額の住宅ローンを抱えた人もあまりいないので、低所得の介護でも就職先の選択肢になり得ます。

というか、地方では高齢化が先に進んだおかげで今後の高齢化ペースは落ち着いていきます。現役世代を東京に送り出したため、今の高齢者を送れば続く世代が少ないので。もちろん減った人口が回復するわけではないので、これといって特徴なない田舎は存続が難しくなるけど、ある程度の人口がある地方の都市部では、東京とは逆に高齢化問題が過去のものとなっていきます。