
タッチ
このWebページではiPhoneに備わっているアクセシビリティ機能の「タッチ(Touch)」を紹介します。
タッチはスワイプやピンチといった画面操作が難しい方に代替の方法を提供します。
例えばAssistiveTouchをオンにするとピンチのように複数の指を使う操作を含む各種の操作をタップだけで実行できます。逆にタップが難しい場合はスワイプなどの他の方法でタップを代替できます。
他にもシェイクによる取り消しやバイブレーションのを無効にできます。もくじ
この手引きはiOS 13に基づいて書いています。異なるバージョンやiPad OSでは細かいところが違っているかもしれません。
1. AssistiveTouchをオン/オフにする

AssistiveTouchをオンにするには「設定」アプリで「アクセシビリティ」>「タッチ」> 「AssistiveTouch」と選択してから、設定をオンまたはオフにします。

1)AssistiveTouchの使いかた
AssistiveTouchを使うとタップ操作だけでiPhone/iPadの各種操作を実行できます。
AssistiveTouchがオンの時は画面のどこかに下図のようなボタンが表示されます。このボタンはドラッグして好きな位置(上下左右の画面端のどこか)に移動できます。

ボタンをタップすると下図のようなメニューが表示されます。

メニューの外をタップするとメニューが消えます。
メニューの項目のどれかをタップするとその操作が実行されるか、より細分化された項目に切り替わります。
例えば「通知」をタップすると通知画面に切り替わり、「デバイス」をタップすると「画面をロック」や「消音」といったデバイス関連のメニュー項目が現れます。

AssistiveTouchは必ずしも身体障がい者向けの補助機能ではなく、目当ての機能をすぐに呼び出せるショートカットとしても便利です。例えばボタンのタップだけでスクリーンショットが撮れるように設定できます。
2)AssistiveTouchの設定
最上位メニューをカスタマイズ
メニュー項目の順序や数、内容を変更できます。変更したい項目をタップすると次の画面で代替の操作を選べます。

「リセット...」のタップで最初の状態に戻せるので遠慮なくカスタマイズしてください。
シングルタップ/ダブルタップ/長押し
AssistiveTouchのボタンをタップ、ダブルタップ、長押ししたときに実行する動作をそれぞれ指定できます。
例えばタップでメニューを開く替わりにSiriを呼び出すようにもできます。
あるいは「スクリーンショット」を割り当てておくとホームボタンと電源ボタンを同時に押す面倒な操作が要らなくなります。
「シェイク」を割り当てておけばデバイスを振らなくてもテキスト入力のUndo(アンドゥ)ができます。
新規ジェスチャを作成...
タップやスワイプ動作を記録してオリジナルのジェスチャを定義できます。
定義したジェスチャはAssistiveTouchボタンの「カスタム」から呼び出せます。
待機状態時の不透明度
AssistiveTouchのボタンが待機状態の時の不透明度を変更できます。
デバイス
マウスやジョイスティックのようなポインティングデバイスをBluetoothまたはUSBで接続できます。
マウスなどを接続するとグレーのマウスカーソルが画面に現れます。

AssistiveTouchはポインティングデバイスを用いてiPhone/iPadを操作するための補助機能です。そのためマウスを動かしたり、ジョイスティックを傾けるような方向を支持する動作が必要です。押しボタンスイッチで操作したいのであればスイッチコントロールをお使いください。
マウスキー
調査中。

オンスクリーンキーボード表示
調査中。

メニューを常に表示
マウスやトラックパッドのようなポインティングデバイスが接続されているときにAssistiveTouchのメニューを表示するかどうかを設定できます。
滞留コントロール
マウスなどのポインティングデバイスでカーソルは動かせるものの、物理的なボタン類を押すのが難しい方に向けた機能です。
滞留コントロールをオンにすると、カーソルが画面上のどこかに一定時間静止(滞留)したときにタップ操作が実行されます。
例えば、画面上のボタンにカーソルを合わせてしばらく待つと、そのボタンがタップされたことになります。
なお、一定時間の経過はカーソルの表示状態で確認できます。

フォールバックアクション
フォールバックアクションをオンにすると、滞留の動作を実行した後の状態を選べます。

「タップ」をチェックすると、滞留によるタップ操作を繰り返し実行できます。「タップ」をチェックした直後はマウスボタンを1回クリックする必要があります。
「滞留を一時停止」をチェックすると、滞留によるタップ操作が一度だけ実行されます。
動きの許容範囲
滞留として認識される許容範囲を変更できます。範囲を広くしておけばカーソルが少しずれても滞留と認められます。

ホットコーナー
カーソルを画面の左上/右上/左下/右下に滞留させたときに実行する処理をそれぞれ設定できます。
例えばカーソルを左上に移動させて少し待つとSiriが呼び出されるようにできます。
秒(滞留時間)
カーソルが停止されたときに滞留と認識されるまでの時間を変更できます。
2. その他の機能の設定
「設定」アプリで「アクセシビリティ」>「タッチ」と選択するとAssistiveTouchを含む各種設定項目が表示されます。
1)簡単アクセス
簡易アクセスを使うと画面の下2/3だけで操作できるようになります。iPhoneを片手で操作する際に画面上部に指が届かない時に利用するといいでしょう。
簡易アクセスがオフの状態 簡易アクセスをオンの状態
簡易アクセスをオンにするにはホームボタンをダブルタップします。ホームボタンがない機種では画面の下端から下方向にスワイプします。
ホームボタンをダブルタップして簡易アクセスをオン 画面の下端を下にスワイプして簡易アクセスをオン
2)触覚タッチ
画面のUI要素に触れた時の反応速度(速い/遅い)を変更できます。

3)タッチ調整
タッチ調整をオンにすると、タッチ操作に関する各種設定を変更できます。画面を触れての操作が難しい場合、自身が使いやすくなるように調整するといいでしょう。

保持継続時間
保持継続時間をオンにすると画面に触れてからタッチと認識されるまでの時間を調整できます。

例えば「1.0秒」と設定すると、1秒以上触れないとタッチとみなされなくなります。
繰り返しを無視
保持継続時間をオンにすると画面に触れてからタッチと認識されるまでの時間を調整できます。

例えば1.0秒に設定すると、1秒間に何回触れても1回のタップと見なされます。
また、保持継続時間をオンにするとスワイプジェスチャの動作も調整できます。画面をタップした際に無意識に指が移動して予期せぬスワイプが起きる場合はスワイプジェスチャの設定で距離を長くするといいでしょう。

タップ補助
画面の一点をタップするのが難しい方は「タッチ開始位置を使用」または「タッチ終了位置を使用」するといいでしょう。スワイプなどの他の方法でタップを代替できるようになります。

4)シェイクで取り消し
「シェイクで取り消し」はデバイスを振ることで直前のテキスト操作の取り消、いわゆるUndo(アンドゥ)です。一連のテキスト操作であれば何段階も遡れます。

デバイスを意図せずに振ってしまう人はオフにすることで直前のテキスト操作が不用意に取り消されないようにできます。
5)バイブレーション
オフにすると地震や津波などの緊急警報を含むすべての通知の際のバイブレーションを停止されます。

6)通話オーディオルーティング
電話やFaceTime音声通話の際に音声がどこから聞こえるかを設定できます。

また、電話がかかってきた際に自動で出るかどうかや、電話に出るまでの待ち時間を設定できます。

7)背面タップ
iPhoneの背面をダブルタップ/トリプルタップしたときの動作を設定できます。iOS 14から追加された便利機能です。
