解析比較 or ヴィジュアル比較
PDF比較のアプリには以下の2種類のタイプがあります。
- 解析比較
- ヴィジュアル比較
解析比較
比較する二つのPDFのデー構造を解析し、対になる要素どうしを比べて変化の有無を見つける方式です。
ヴィジュアル比較
比較する二つのPDFの各ページをビットマップ画像に変換して比較し、画像的な変化を調見つける方式です。
XORが採用しているのはヴィジュアル比較です。
解析比較方式はアプリが差異を洗い出してくれるのでとても便利ですが、双方のPDFのデータ構造と比較アルゴリズムの相性によっては要素のペアリングが上手くいかず、ときおり差異の見逃しや誤検出が起こります。見逃しは時に刷り直しを発生させたりクライアントの心象を悪くしかねず、誤検出があれば本当に変更があるかの確認に余計な手間が発生します。
対して、ヴィジュアル比較方式はPDFをビットマップ化して比較するためデータ構造に関わらず誤検出が起こりません。
不変ページの自動検出
XORには不変ページの自動検出機能があります。修正の前と後のPDFで変更がなされていないページに対しては、ページイメージとサムネイルに「Unchanged」ラベルを表示します。ビットマップを比較した結果なので比較もれも起こりません。
「Unchanged」のページには変更がないので確認を省けます。

すべてのページに変更がなかった場合の表示状態
「Unchanged」はあくまでも変更がなかった証なので常に確認不要という意味ではありません。該当ページのDTP原稿に修正指示があるのに「Unchanged」と表示されていれば修正漏れになるのでご注意ください。
比較モード
XORには以下の4種類の比較モード(表示状態)をがあります。
スペースキーを押すたびに「ふたご表示」→「透かし表示」→「サーモ表示」→「アオリ表示」→「ふたご表示」と切り替わるので、差分箇所を見つけてください。
❶ ふたご表示
比較する二つのPDFページを左右に並べて表示するので、目視による比較に便利です。

ふたご表示の例
また、ふたご表示では、他の比較モードで見つけて赤線で囲った個々の差分箇所に校正結果のコメントを書き込めます。
詳しくは『ワンストップ校正とは...』を参照してください。
❷ 透かし表示
校正紙をプリントアウトし、対になるページどうしをピッタリ重ねてライトテーブルに置いてライトを点灯させた状態を模した比較方式です。差異がない箇所はグレースケール、差異が赤または青で表示されます。
次の「サーモ表示」と似ていますが、透かし表示では両ページの記載内容を大まかに把握できるでしょう。

透かし表示の例
透かし表示では、見つけた差分箇所に赤い四角形でマーキングでき、個々のマーキング箇所にはふたご表示において校正結果のコメントを書き込めます。
❸ サーモ表示
透かし表示と同じく、校正紙の対になるページどうしをピッタリ重ねた状態ですが、差異がない箇所は薄めのグレースケール、差異を赤で表示します。
前の「透かし表示」よりも差分箇所を見つけやすい反面、両ページの元の状態は把握でません。
サーモ表示の例
サーモ表示では、見つけた差分箇所に赤い四角形でマーキングでき、個々のマーキング箇所にはふたご表示において校正結果のコメントを書き込めます。
❹ アオリ表示
対になる2枚の校正紙を使って行う「アオリ」「ペラペラ」「めくり合わせ」などと呼ばれる技法を再現した比較方式です。
物理的な「アオリ」の場合、以下のような不都合があります。
- 手が疲れる
- 不意に手がずれてやり直しになる
- 目処をつけていないと差異を見逃しがしになる
- ページ内に差異が複数あると、どれかを見逃しがしになる
- 差異を見つけてもマーキング作業は面倒
その点、アプリは永遠に比較を続けてくれ、差異のマーキングも容易です。

アオリ表示の例
アオリ表示では、見つけた差分箇所に赤い四角形でマーキングでき、個々のマーキング箇所にはふたご表示において校正結果のコメントを書き込めます。
以前、とあるドキュメント制作会社の方と話す機会があり、XORを紹介したところ「そんな有料アプリを使わずとも、Acrobat Readerで二つのPDFをタブ表示して、それぞれのタブをマウスクリックで切り替えれば事足りるのでは?」と言われました。
でも、実際にページ内のすべての差異を見つけるまで二つのタブを機械的にクリックし続けるのはとても困難です。