生産性と過剰品質

現代ビジネスのサイトに『日本人の生産性が低いのは、「日本人そのもの」が原因だった…!』という記事が載っています。以下、一部引用。

実は主要国の生産性が高いのは、日本と比べて各種のサービスがとても「雑」だからなのです。逆に日本の消費者が「雑なサービスでもよい」と納得できるのであれば、日本の生産性は思いのほか伸びる可能性がある。

そう、日本の生産性の低さの原因の一つが過剰に品質を追求しすぎている点ですね。とはいえ、それが対外的な強みになる時もあるから全否定はできないけど、概ね同意です。

「高品質」イラスト
高品質を追求しすぎるのもどうかと…

私が経験した例を紹介すると、前に務めていた会社でドキュメント制作に携わった際、修正ミスを見逃してクライアントに提出し、ちょと問題になったことがありました。簡単なミスだったけど許容されずに。まあそこはクライアントの判断です。

ただし、それを受けて講じられた社内ルールは「以後、どんな制作物の場合でも校正対象のPDFをプリントアウトして正誤のペン入れをし、チェックした履歴として保管する」というものでした。でもこれで得られるのは「もっと丁寧に見ていこう」という心がけぐらい。気合の入れ直しによる根性論みたいなものです。そもそも確認作業が画面上だろうが紙だろうが、該当箇所に意識がいかなければ、やはり見逃すかもしれません。よって解決、予防にはならないのにプリントアウト代と作業時間は確実に増加します。

よって、この場合の適切な改善策は「確認しなければならない箇所を確実に洗い出せる手段を導入すること」でしょう。その会社では有名なデジタル校正ツール(PDF比較アプリ)を導入していたものの、USBポートにドングルを刺したPCでしか使えない仕様だったため、立場によっては使うのを遠慮したり、各人の締め切りが重なって使いづらいタイミングがありました。

そのような経験を踏まえてXORを開発しました。各人が自身のPCにインストールして、順番待ちとは関係なしにいつでも好きなだけ使えるアプリが必要だろうということで。

役職や立場にかかわらず制作スタッフの全員がXORを使うようになれば、品質確保と時短によるコストカットが同時にできます。

XOR for Windows Version 1.1をリリース

昨日、XOR for Windows Version 1.1Microsoft Storeでリリースしました

変更点は以下です。

  • 起動直後のPDF選択ダイアログを廃止し、PDF選択機能をメインウインドウ内に移設

Version 1.0ではPDF選択ダイアログの表示中にヘルプメニューにアクセスできず、PDFを確定するまでアプリのヘルプやサブスクリプションの契約状況を確認できなかった点を改善しました。

XOR for Windows Version 1.1のPDF選択画面
新しいPDF選択画面。Version 1.0ではPDF選択時にヘルプメニューにアクセスできませんでした

Adobe CCアプリを日本語化するには

只今page2020への出展準備中です。具体的にはブースに貼るポスターと配布チラシ類の紙面を試行錯誤しています。

そんな中、Adobe Creative Cloudのアップデートを見つけたので適用したら、アプリが英語版として起動しました。InDesign、Illustrator、Photoshop共々です。

まあ、長年使ってきたのでUIの表記が英語でも大抵の機能は使えてしまうのだけど、InDesignの場合、トンボの形状が変わってしまうのですよね。

US仕様のトンボ
US仕様のトンボ
日本仕様のトンボ
日本仕様のトンボ

US仕様のトンボでも内側の面積は同じはずだけど、印刷をお願いする際に印刷会社のスタッフが戸惑うかもしれないので、日本語版で改めて印刷用PDFを出力し直した方が無難です。

そこで調べて解った言語モードの直し方は以下の通り。

  1. Adobe Creative Cloudアプリを起動
  2. ウインドウ上部の歯車アイコンをクリック
  3. 「アプリ」セクション内の「初期設定のインストール言語」で「日本語」を選択
Adobe Creative Cloudアプリの設定画面
初期設定のインストール言語として「日本語」を選び直す必要があります

ただし、これだけではアプリを再起動しても日本語化されず、そのアプリをアンインストールしてから再インストールする必要があります。

ということはAdobe CCアプリはOSの言語設定によって表示言語が切り替わるのではなく、各言語版をインストールする必要があるのですね。前時代的な仕様だけど、メニュー項目以外にも上記のトンボのように各言語ごとのカスタマイズが必要だからそうなっているのだと推測します。

企業ロゴは必要だろうか?

FROGFISH合同会社を設立したものの、企業のロゴマークがまだ決まっていません。ネットで調べると「企業ロゴは必須」などとあるし、今どきロゴを持たない会社は珍しいのかも。

仮に外部に発注するにしても私の方でデザインの方針を決めるべきだろうから、モチーフやラフ案をいくつか考えてみたものの、どうにもしっくりいきません。

オーソドックスな手法は社名のFROGFISH、つまりカエルアンコウのシルエットをモチーフにするというもの。

例えば昔描いたマスコットがこちら。こちらの写真の個体がモデルです。

FROGFISHマスコット
ロゴは多くても二色程度がいいので加工したらこう。

FROGFISHマスコット

でもまだ冗長だし、ゆるキャラ風なのも企業ロゴには相応しくなかろうと。

次にシルエットに加工。

FROGFISHマスコット

何が何だかわからなくなりますよね。

ならばと、もっと簡略化したのがこれ。

FROGFISHマスコット

悪くはない気もするけど、まだ工夫が不十分かな。例えば小さくしか表示できない場合、この手の華奢なデザインでは視認性が悪そうだから。

でも、よくよく考えたら当面はロゴマーク無しでもいい気がします。「FROGFISH」だけでもフォントを厳選すればロゴ風になるし、そもそも企業のロゴマークが効力を持ち始めるのは、ある程度事業が成功してからではないかと。それまでは名刺などでもPsychedelic Frogfishの縞柄を印象的に使うことにしようかな。

フロッピーディスクに想う

先日、CD-Rを読めずに困った際に思いました。「今、安価な読み書き可能のメディアはないんだな」と。

思い起こせば四半世紀前にはフロッピーディスクが広く使われていました。記憶容量は約1MBだから当時のファイルがいかに小さかったかが解ります。そしてすべてのPCがフロッピーディスクドライブを搭載していたという。もちろん読み書きができました。

フロッピーディスク
現在、これに相当するのはUSBメモリかな。ネット前提の時代でも、例えばコンビニのフォトプリンタのようなオフラインのデバイスにデータを渡す際に重宝します。

ただし、USBメモリは1個100円未満では売られていませんよね。CD-Rなら100均で3枚組100円とかだけど、もはやCD/DVDドライブを搭載したPCが減ってきました。

それにUSBメモリだと保存内容が外見では解りません。でも、フロッピーディスクなら貼ったラベルシートに書き込めました。

よって「USBポートに直挿しできる1枚100円以下のメモリがあればいいのに」と思います。容量は512MBとかでいいから。それなら誰かにあげてもさほど痛くないので。板ガムぐらいの大きさと厚みなら邪魔にならず、かつラベルを貼って書き込めそうですよね。

でも、無理かな。メモリの場合は少容量だからといって激安コストでは製造できなさそうだから。