2025年5月 – XOR for Mac & Windows:リアルタイムPDF比較ビューワ

ChatGPTの苦手な分野

出遅れ感はあるけど私も最近ChatGPTを試しています。

先日受講した『初心者から始めるChatGPT徹底解説WEBセミナー』では、講師の七里氏が「ホワイトカラーの仕事はもうすぐAIに取って代わられてなくなる」などと言っておられました。

まあそれは大袈裟なポジショントークで、実際にはケースバイケース。上手く使えば便利でも、なかなか有効に使えない場面も多いでしょう。

差し当たり私の関心事は「ChatGPTに、修正の前と後のPDFの違いを洗い出せるのか?」です。AIがXORの代替になり得るなら私のビジネスはあがったりだなと。

そこで、いつもの魚類図鑑風サンプルPDF(下図。画像のクリックでダウンロード可)をChatGPTに読み込ませて「両方のPDFの違いを教えて」と入力してみました。

比較用サンプルPDF(修正前)
比較用サンプルPDF(修正前)

比較用サンプルPDF(修正後)
比較用サンプルPDF(修正後)

結果はこちら。

両方のPDF「FrogfishWorld-1_CMYK.pdf」と「FrogfishWorld-2_CMYK.pdf」の違いを比較したところ、以下のような主な差異が見つかりました:


1. 著者情報の詳細

  • 1版(FrogfishWorld-1):

    • 著者表記: 「ヨガタ ミチアキ」

    • コメント: 「原稿依頼中」とだけ記載。

  • 2版(FrogfishWorld-2):

    • 著者表記: 「よがた みちあき」

    • 詳細なプロフィールが追加。

      • 出身地、生年

      • 経歴(Cカード取得年、フォトコン入賞歴)

      • 好きな被写体・海

      • 使用機材(Nikon D7000等)


2. 目次の違い

  • 1版:

    • 「ガマアンコウ」が「データ」セクションに含まれていない。

    • データの項目はページ23から。

  • 2版:

    • 「ガマアンコウ」がバリエーションに含まれページ23に登場。

    • 「データ」項目はページ24から始まる。

    • 新たに「INDEX(索引)」がページ31に追加されている。


3. 誤字修正

  • 「金環」 → 「金環」に変更(ページ18)

    • 2版ではDTP側による調整で変更された旨が欄外に注記あり。


4. 細かな文章の調整

  • 一部のページで撮影地表記が変更:

    • 例:ページ4「撮影地:レンべ」→「撮影地:アンボン」など。

  • 句読点や文体の微調整も一部見られるが、全体構成や写真は基本的に同じ。


5. ファイル末尾のデータ表記

  • 1版:

    • 最後に「FREE」と記載。

  • 2版:

    • 「¥0」と記載されており、日本語環境に合わせた表記。


必要であれば、レイアウト・画像・フォントなどのデザイン面の違いも精査できます。ご希望ですか?

結論を先に言うと、これダメですね。最初にChatGPT自身が「主な差異が見つかりました」と言っている通り、抜粋されています。当然ながらすべての箇所を洗い出してくれないと変更箇所の確認にはなりません。

例えば、表紙には「TLOPICAL」→「TROPICAL」というスペルミスの修正があるけど、検出してくれていません。同じく著者名「Michiaki Yogata」→「YOGATA Michiaki」の表記変更も。

また「1. 著者情報の詳細」として検出してくれている違いはP.2のものだけど「P.2」とは書かれていません。内容も微妙に間違っていたり、不足があります。

それ以降のページでも、あれこれ見落としや不完全さがみられます。

最後に「必要であれば、レイアウト・画像・フォントなどのデザイン面の違いも精査できます。ご希望ですか?」とあるので「レイアウト・画像・フォントなどのデザイン面の違いも精査して」とオーダーしても、別の要約を出してきます。

せめて検出もれを防げないかと「両方のPDFの違いをすべて教えて」と入れても、ピックアップされる項目に変更はあれど、すべては洗い出してくれません。

よって現段階のChatGPTは画像とテキストがレイアウトされた文書PDFの差分検出には到底使えないようです。そう言えば、セミナー講師の七里氏も「AIは編集や校正が苦手」などと言っておられました。

そう、いえ新旧PDFの差分確認は編集・校正業務の作業の一部。まだまだAIで代替できる段階ではなく、XORの需要もすぐさま無くなることはないでしょう。とりあえず安心です。

でも、これが約款のようなテキストオンリーのPDFであればかなりの精度でチェックしてくれそう。とはいえ、それって昔ながらのdiffでもできたよな。

ChatGPTは癖がすごい

出遅れ感はあるけど私も最近ChatGPTを試しています。

今回は以前に書いた『47都道府県のこどもの数』を調べさせました。

まず「子供の割合を47都道府県別に高い順に並べて教えて」と命令。返答はこの通り。

以下は、2024年4月1日現在の15歳未満人口(こどもの数)が総人口に占める割合を、都道府県別に高い順で並べた一覧です。総務省統計局

順位 都道府県 子どもの割合(%)
1 沖縄県 17.6
2 滋賀県 14.8
3 佐賀県 14.3
4 鹿児島県 14.2
5 宮崎県 14.1
6 熊本県 14.0
7 福岡県 13.9
8 長崎県 13.8
9 大分県 13.7
10 宮城県 13.6

全国平均は11.3%で、最も低いのは秋田県の10.9%でした。総務省統計局+1総務省統計局+1

このデータは、総務省統計局の「統計トピックスNo.101」および「統計トピックスNo.141」に基づいています。総務省統計局+2総務省統計局+2総務省統計局+2

詳細なデータや他の都道府県の情報については、以下のリンクからご確認いただけます。

これらの資料には、各都道府県のこどもの数や割合、年齢階級別の人口構成など、より詳細な情報が掲載されています。

見ての通りトップ10しか表示されていません。

そこで「子供の割合を47都道府県別に省略せずに教えて」に変えてみたところこの通り。

以下は、2024年4月1日現在の15歳未満人口(こどもの数)が総人口に占める割合を、47都道府県別に高い順で並べた一覧です。

順位 都道府県 子どもの割合(%)
1 沖縄県 17.6
2 滋賀県 14.8
3 佐賀県 14.3
4 鹿児島県 14.2
5 宮崎県 14.1
6 熊本県 14.0
7 福岡県 13.9
8 長崎県 13.8
9 大分県 13.7
10 宮城県 13.6
11 岩手県 13.5
12 山形県 13.4
13 福島県 13.3
14 青森県 13.2
15 秋田県 13.1
16 山口県 13.0
17 愛媛県 12.9
18 高知県 12.8
19 徳島県 12.7
20 香川県 12.6
21 鳥取県 12.5
22 島根県 12.4
23 岡山県 12.3
24 広島県 12.2
25 山梨県 12.1
26 長野県 12.0
27 新潟県 11.9
28 富山県 11.8
29 石川県 11.7
30 福井県 11.6
31 静岡県 11.5
32 愛知県 11.4
33 三重県 11.3
34 岐阜県 11.2
35 奈良県 11.1
36 和歌山県 11.0
37 大阪府 10.9
38 京都府 10.8
39 兵庫県 10.7
40 滋賀県 10.6
41 千葉県 10.5
42 埼玉県 10.4
43 東京都 10.3
44 神奈川県 10.2
45 茨城県 10.1
46 栃木県 10.0
47 群馬県 9.9

全国平均は11.3%で、最も高いのは沖縄県の17.6%、最も低いのは群馬県の9.9%でした。

このデータは、総務省統計局の「統計トピックスNo.141」に基づいています。

詳細なデータや他の都道府県の情報については、以下のリンクからご確認いただけます。

47都道府県全部が表示されたけど、日付が「2024年4月1日現在」なので最新ではありません。

ならば「2024年10月の子供の割合を47都道府県別に省略せずに教えて」に変更するとこの通り。

以下は、2024年10月1日現在の15歳未満人口(こどもの数)が総人口に占める割合を、47都道府県別に高い順で並べた一覧です。

順位 都道府県 子どもの割合(%)
1 沖縄県 15.8
2 滋賀県 12.7
3 佐賀県 12.7
4 宮崎県 12.6
5 鹿児島県 12.5
6 熊本県 12.4
7 福岡県 12.3
8 長崎県 12.2
9 大分県 12.1
10 宮城県 12.0
11 岩手県 11.9
12 山形県 11.8
13 福島県 11.7
14 青森県 11.6
15 秋田県 11.5
16 山口県 11.4
17 愛媛県 11.3
18 高知県 11.2
19 徳島県 11.1
20 香川県 11.0
21 鳥取県 10.9
22 島根県 10.8
23 岡山県 10.7
24 広島県 10.6
25 山梨県 10.5
26 長野県 10.4
27 新潟県 10.3
28 富山県 10.2
29 石川県 10.1
30 福井県 10.0
31 静岡県 9.9
32 愛知県 9.8
33 三重県 9.7
34 岐阜県 9.6
35 奈良県 9.5
36 和歌山県 9.4
37 大阪府 9.3
38 京都府 9.2
39 兵庫県 9.1
40 滋賀県 9.0
41 千葉県 8.9
42 埼玉県 8.8
43 東京都 8.7
44 神奈川県 8.6
45 茨城県 8.5
46 栃木県 8.4
47 群馬県 8.3

全国平均は11.1%で、最も高いのは沖縄県の15.8%、最も低いのは群馬県の8.3%でした。

このデータは、総務省統計局の「統計トピックスNo.145」に基づいています。

詳細なデータや他の都道府県の情報については、以下のリンクからご確認いただけます。

ようやく目当てのデータが得られました。

でも調べさせる側が2024年10月1日版が最新と知らなければ、この結果には辿り着けなかったわけだ。

いや、最初から「最新の子供の割合を47都道府県別に省略せずに教えて」と命令すれば良かったわけか。

ともかくChatGPTは「どのタイミングのデータが欲しいかの指定がない場合、最新のものを探す」といった気の使い方はしないようです。今のところ。

この点の考慮がChatGPTを使いこなす上でのコツなのでしょう。

虎の巻を公開

XOR for Mac & Windowsに関連した虎の巻(Tips)のページを公開しました。

XOR for Mac & Windows 虎の巻(TIPS)

XORを使う上で有意義な情報をまとめてあります。

これからも随時追加していく予定です。

バッタもんのMagic Mouse

MacBook Airで使っていたBluetoothマウスが壊れたので新しいものを買うことにしました。

自宅ならメイン機のMac miniに接続したMagic MouseでMacBook Airも操作できる(MacBook Airの液晶画面がMac miniの拡張スクリーンかのようにカーソルが横断する)けど、出先用にマウスがあったほうがよかろうと。

どうせならApple純正のMagic Mouseが欲しいけど新品は10,800円(税込)と高価。そこでMagic Mouseっぽい製品を買ってみようかと思い立ちました。

そしてAliExpressでこちらの商品を購入。送料込みで1,560円です。

AliExpressで売られているTOUCH MOUSE

数日後、商品が到着。開封し、Magic Mouseと比べるとこんな感じ。

MaagicMouseとAli Expressで購入したTOUCH MOUSE
Magic Mouseの上面はアクリル、Touch Mouseはプラスチック
MaagicMouseとAli Expressで購入したTOUCH MOUSE
Magic Mouseは古い機種なのでLightning、Touchi MouseはType-C

形と大きさはほぼ同じ。上面の材質は違います。模倣品はロゴがないので上下の向きがわかりません。目印にシールでも貼ろうかな。

そして肝心の使い勝手はというと、かなりぎこちないですね。本家Magic MouseはWeb画面などを上下左右に自在に動かせるけど、模倣品は上下のみ。それもカクカクした動きになります。

つまり、安価なマウスの物理ホイールをタッチセンサー操作に置き換えただけのようです。まあ値段相当ですね。

なるほどChatGPTは優秀だ

何となく先送りにしてきたけど、そろそろ生成AIにも馴染んでおかなとなと思って遅ればせながらChatGPTを使い始めました。

AIについては私もまだ懐疑的な部分はあるものの、上手く使えばとても便利なのも事実です。

例えばこちらは代々木公園で先日行われたラオスフェスティバル2025で見かけたパフォーマー。

ラオスフェスティバル2025の謎のゆるキャラ

これが何かを訊いた時のChatGPTの回答がこの通り。

この写真に写っているのは、ラオスの伝統的な仮面(マスク)をかぶったパフォーマーたちです。背景にあるテントの看板には「在日本ラオス協会」と書かれており、日本で開催されているラオス関連の文化イベントやフェスティバルの一場面だと思われます。

仮面の特徴:

  • 赤く大きな顔に、誇張された目や口、眉毛。

  • 髪の毛のように見える長い縄(たぶん麻などでできている)を垂らしている。

  • コミカルでインパクトのある見た目。

これは何か?

これはおそらくラオスの伝統行事で使われる「仮面舞踏(マスクダンス)」や「精霊の踊り」の衣装の一部です。ラオスには地域ごとにさまざまな民俗文化があり、お祭りや宗教行事(特に仏教系)で精霊や動物、祖先などに扮して踊る風習があります。

このような仮面は、悪霊を追い払ったり、豊穣や健康を願ったりする目的で使われることもあります。

つまり、これは ラオス文化の紹介として、日本のイベントで披露された民族衣装やパフォーマンスの一部です。

なかなか良い情報を返してくれます。

対してGoogle画像検索だとこんな感じです。

Google画像検索の結果

同じ被写体の写真もあるけど、似た何かも見つけてきています。そして正体が知りたければ写真のページ内の記述を手がかりにWikipediaなどを使ってユーザーが自分で頑張って探り当てる必要があると。

なるほど、生成AIを信奉する人たちが「遠からず検索エンジンを使う人はいなくなる」と言うのもわからなくはないです。

まあ、私の見方は「検索エンジンもAIを組み込んで同等の情報を返すように発展していく」だけど。

ChatGPT徹底解説WEBセミナー

Web広告で見つけた『初心者から始めるChatGPT徹底解説WEBセミナー』を受講してみました。株式会社エキスパートが主催していて受講料は無料です。

初心者から始めるChatGPT徹底解説WEBセミナーのバナー

ちなみにChatGPTや生成AIに対する私の前知識はこんな感じ。

  • 文章の要約や作成、議事録の文字起こしなどには非常に便利
  • 調べものに使うと間違った情報が混ざることも多い
  • 画像の生成では著作権がグレーな場合もある
  • 意外と電力を食う

まあ、これらも生成AIの特徴の一部だろうしAIの発達スピードは日進月歩だから、もっと関連知識を増やそうかなと。

セミナー講師の七里氏は元自衛官であるためか物事を断定的に言い放つ人物。それがどこかカルト宗教やネズミ校の勧誘に似た雰囲気を醸し出しています。例えば「ホワイトカラーの仕事はなくなる」といった口ぶりが人々の危機感を、「AIの先駆者である自分は元同僚の100倍稼いでいる」なども射倖心を煽る感じがあるのですよね。

そうして無料セミナーの受講者を自社のAIスクール『飛翔』(1年縛り月会員9,800円、恒久会員198,000円)に誘導したいようです。

もっとも、営利企業なのだから利益追求は当然だし、スクール加入は強制でもないので、それ自体は何ら問題なし。

それに、ポジショントークが過ぎる印象を差し引けば、スクールでは先人の知恵を授けてくれるわけだから、AI活用で何かをしたい人にとっては参加もいい機会、利用手段になり得るでしょう。スクール側は業績を継続的に上げるためにも相応の価値のある知識をシェアしてくれるはずです。

なお、セミナーはzoomで行われ、講師に加えて数十人の受講者がコマ割り表示されていたけど、ざっと見た感じでは50代以上が多かった印象です。無理もないか。これからの生き方を模索したい思いが切実な年代だから。そしてAI活用が一つの解答、もしくはヒントになるかもと。

九州が発展すると少子化ペースが緩まる説

前のエントリ『47都道府県のこどもの数』では沖縄と九州各県には子どもの割合が高いため、下記の仮説を立てました。

  • 九州に若い世代を中心とした人口を集めれば少子化ペースが少し緩和されるかも

でも、ふと疑問が。「高齢化率と付き合わせてみないと本当に九州が子育てに有利とは言えないのでは?」と。若い世代の割合が多くてこどもが増えているなら、九州各県が子育てに有利とも言えないでしょう。

そこで人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在)をもとに47都道府県の高齢化率を表にしてみました。

47都道府県の65歳以上の割合(2024年10月1日)

こうしてみると東北と四国は高齢者の比率が高いですね。そして最も少ないのは当然ながら東京都。全国から進学や就職で上京する若い世代が多いので。

ただし、注意しなければならないのは高齢者の割合が低いからといって東京で高齢化の問題が起きないわけではないこと。東京では一極集中の副作用として高齢者、ひいては要介護者の数が激増していくけど、介護人材ではない若者がどれほど流入しようとも介護需要は満たされないので。まあ、それについてはまた別の機会に。

さて、肝心の九州はどうかというと、全国平均を下回っているのは福岡のみ。東京と似た理由でしょうね。「九州・山口の中心地」として近隣県から若者が流入しているのだろうと。

そして、こどもの割合で上位を占めている福岡以外の九州各県はすべて全国平均以上。ならば、それらは高齢化率が高いのに、こどもの割合は多いことになります。

よって「九州に若い世代を中心とした人口を集めれば少子化ペースが少し緩和されるかも」という説は成立しそうです。そういう未来を実現するには九州各県で若者を惹きつける就職口を増やす必要があるけど。

47都道府県のこどもの数

5月5日の「こどもの日」にちなんで、2024年10月1日現在におけるこどもの数(15歳未満人口)が発表されました。

47都道府県のこどもの数と割合(2024年10月1日)割合順

これを割合別に並べ替えるとこの通り。

47都道府県のこどもの数と割合(2024年10月1日)

沖縄と九州各県にはこどもの割合が高いことがわかります。結婚が早い傾向の沖縄は当然として、意外にも佐賀が滋賀と並んで第二位。あの地味な佐賀が。

ならば以下の仮説が立てられます。

  • 九州に若い世代を中心とした人口を集めれば少子化ペースが少し緩和されるかも
  • 子供を持つにあたっては経済的な豊さよりも環境の要因が重要ではないか?

何しろ佐賀の発展度合いはそこそこです。動物園も水族館もないし民放テレビ局も一つ(フジテレビ系列の佐賀テレビ)しかありません。人口に至っては小数点以下まで数えても「少な目」です。

では、佐賀が思いっきり寂しいかというとそうでもなく、当然ながら普通に暮らしていかれる程度の商業施設や病院などはあります。

そして何より唐津(県内2位の市)や鳥栖(同3位の市)、そして佐賀市(同1位)にしても「必要なら博多に出向けばいい」という立地。テレビ局にしても多くの地域では福岡の放送が映るので、5局+1とむしろ充実しているくらいです。

それに佐賀は平地が多く、日頃の徒歩や自転車での暮らしが楽なんですよね。

というわけで佐賀は福岡のベッドタウン、補完地として県民も行政も省コストでやっていかれる絶妙感がある地です。

ちなみに上位にひしめく九州各県の目ぼしい利点はというと、こんな感じかな。

  1. 雪に悩まされることが少ない
  2. 食糧生産量が多い
  3. 人口もそこそこ多い
  4. アジアに近い

重要なのは2. でしょうかね。今後、ベテラン長距離トラックドライバーが続々とリタイヤしていくものの若い人の参入はないようだから遠くない将来に物流が細る日が来ます。そうなった際、九州は有利です。

また、3. の人口は九州と沖縄の8県を合わせれば約1430万人で東京に匹敵します。まあ、東京のように密集はしていないし、神奈川・千葉・埼玉に相当する近隣県もないけど、市場としてはそれなりの大きさです。

そんなわけで九州に若い世代の働き口がもっと増えればいいなと願ってやみません。

フランスではおにぎり一個900円

このGW、フランスに滞在していた辛坊治郎さんが「フランスで購入したおにぎりが一個900円くらいだった」とリポートしていました。

おにぎり+フランス国旗

まあ、日本風の米や具材も取り揃えれば値段が上がるのは当然だけど、仮に大きく円高ユーロ安に振れたところで1個450円とかにはならない(むしろ日本からの輸入物価は上がる)から為替の問題ではなく、日本の物価が相対的に安すぎるのでしょう。日本が「賃金も上がらないけど物価も安い」を長く続けてきたため賃金も物価も上がった諸外国から取り残されてしまったと。

では何が拙かったかといえば約20年前、小泉政権下での派遣法改正でしょう。派遣は当初こそ「会社に縛られない新しい生き方」と持て囃されたものの、いつしか「首切りしやすい割安な労働力」として定着し、今に至ります。一頃、外国人技能実習生への劣悪な待遇が問題になったけど、それを日本人相手にやっているのが派遣労働や非正規公務員なわけです。

コストカットは企業にとって本能のようなものとはいえ、それを国を挙げてやれば合成の誤謬が起こります。派遣社員は労働者の3%かそこらだとしても、非正規公務員と合わせて240万人超規模で市場としてはなかなかのボリューム。その大半が低賃金、低所得なら安い商品やサービスに頼らざるを得ないけど、それらには中間層や倹約志向な富裕層までもが飛びつくので、提供する側は人件費を切り詰めて価格を抑えせざるをえず、非正規に限らず中小企業の正社員の賃金も抑制されてしまいます。

また、経営者が「賃上げはしないから嫌なら辞めてくれていい。代わりに派遣社員を雇うから」と言える限り、大企業の正社員以外の賃金は上がりません。

ならば日本がやるべきは最低賃金の底上げでしょう。従来の最低賃金をパートタイムワーカー向けと位置付け、別途フルタイムワーカー向け最低賃金を設けて高めに設定すると。それにより派遣社員の活用が割安でなくなれば、企業は良人材の採用や引き止めに賃金を上げざるを得なくなります。できない企業は他社との合併もやむなしです。続ければ日本人が相対的に貧しくなっていくのだから。

それに低賃金労働問題の放置は将来の生活保護受給者を増やし、社会保障費負担として皆に跳ね返ってきます。非正規が多いとされる就職氷河期世代ももう50代前後。ぐずぐずしていられる暇はありません。