10月26日放送分の『教えて!NEWSライブ 正義のミカタ』で藤井聡京都大学教授が「トランプ政権になればウクライナ戦争が終わる」的なことを話しておられました。でも私にはそれが信じられません。
いや、もちろんトランプ政権が再び誕生してウクライナへの武器供与を止めれば戦争が終わるかもしれません。一時的には。でも、それでプーチンからウクライナ併合の野望を奪えるわけじゃなし。むしろ武力による他国領土の侵略を容認した上に、軍民共に人手不足で北朝鮮兵を動員するほど苦慮しているロシア軍に再編成の猶予を与えることになります。
また、戦争が終わればロシアへの経済制裁解除という話が出てくるし、そうなるとロシア経済が盛り返し、軍事予算も潤います。
それにトランプ政権は4年間しかないけどプーチンはまだ72歳で終身大統領のようなもの。プーチンとは親しいとも言われるトランプの政権の間だけウクライナ戦争が止まり、続く政権時に次なる侵略戦争がもっと苛烈に起きるなら、それはもうトランプの功績とは言えないでしょう。
加えて、何よりも重要なのは当のウクライナ国民の意思。「奪われた領土を諦めてもいいから早い停戦を」というならそれもいいけど「血を流しても領土と主権を守り抜く」という思いが変わらないなら、西側陣営としては支え続けるのが本筋です。
ちなみに番組内で高橋洋一嘉悦大学教授は「米軍の三正面展開は無理。ウクライナ戦争を終わらせるのがいい」と言うけど、三正面云々は米国の都合であって、抗戦意欲を持った他国が忖度してくれるわけはなく「トランプなら平和的」と言えるだけの説得力は感じません。
よって個人的な意見は「ロシアに侵略の成功体験、実績、そして立て直しの猶予を与えてはいけない」です。
まあ、大統領選はハリスかトランプのどちらかが勝つのだし、結果がどうであれ日本はうまく付き合っていくしかないのだけれど、安倍晋三亡き今、トランプ政権となると日本も諸外国も思いっきり振り回されてしんどい4年間になると思います。