選挙展望2021年秋

選挙の投票行為

自民党総裁選が9月29日(水)の投開票と決まりました。まあ、菅総理の再選は揺るがないでしょう。二階幹事長や安倍前総理が支持を表明しているのだから。

よって気になるのはその後の総選挙の行方。私は自民党が50議席以上を失うと予想します。それどころか場合によっては70議席減、自公で過半数割れもあり得るだろうと。結果、菅総理は国民から「有事のトップリーダーとしては不適任」という烙印を押されたとして、総裁再任後早々にハラキリ辞任することになるでしょう。石破茂氏が今回の総裁選出馬を見送る理由も、そういうことなんじゃないかな。

何しろ支持率が低下するばかりの菅政権のコロナ対策はワクチン接種頼み。でも、菅政権がこの1年でやってこなければならなかったのは「最悪の事態を想定した医療体制の整備」です。それをやらなかった政治的ネグレクトの結果、感染して症状が出ていても入院できず何時間も待機させられたり、自宅で亡くなるケースが相次いでいます。コロナに感染した妊婦が自宅療養を強いられ、早産で子供を失った件は失政の最たる犠牲です。

この国の医療・保健が逼迫しやすいことは昨年にも経験済み。加えてウイルスは変異しやすくデルタ株のような厄介な変異種が登場しかねないこと、ワクチンを接種しても感染を完璧には防げないであろうこと、ワクチンの接種効果がいつまで続くかが不明確なことなどは、前々から言われていました。

他方で、感染の初期から医療処置が受けられれば、高齢者や基礎疾患がある人以外、死亡率が高い感染症ではないことも解っていたのだから、少数の医療従事者で多くの患者を診られるようにする医療体制の整備や法改正はやって然るべきだった政治課題です。時間も十分にありました。

なのに菅政権はワクチン接種さえ進めば万事が好転するかのように勘違いして致命的な戦略ミスを犯し、国会も閉じたまま、11万人超の感染者に自宅療養を強いて、死ななくてもいい人を死なせるかもしれない状況を続けています。

また、ワクチン接種で先行したイスラエルや米国でも感染が再拡大しているし、ワクチン接種の抗体数は3〜6ヶ月で減退するという報告もあります。だとすると、打ちたくても打てていない65歳未満の接種待ちの人たちを後回しにして、医療従事者の3回目摂取を急ぐ必要が出てくるかもしれません。総選挙は10月か11月。それまでにはワクチン接種率も上がっているとの目論見も崩れかねないわけです。

よって総選挙では決して野党が強いわけではないのに菅政権の致命的な失政から自民惨敗、菅総理引責辞任というのが現時点の私の予想になります。

菅氏、何だったらステップダウンして、また官房長官職に収まるのがいいのではないでしょうか。