ウイルスと現代社会の相性

新型コロナウイルスの新規感染者、そして重傷者が増え続けています。医療が逼迫し、東京都では自宅療養者が2万人を超えたそうで。基礎疾患のない30代の死亡例も聞かれるようになったし、もはや「高齢者のワクチン接種が進んで死亡数が減っているからOK」などとは言っていられません。

パルスオキシメーター

さて、ウイルスは一般的に弱毒性に進化すると言われます。強毒だと宿主の活動を抑えたり死なせてしまうため生き残れないからだと。でも、例外は起こりうるのではないかと思うのですよね。

まず、ウイルス自体に意思はないので、理屈の上では毒性と感染力の両方が強がものの発症は遅く、しかもワクチンが効きにくい「最悪の変異体」も発生しえます。確率は低いだろうけど。

そして問題は現代社会のライフスタイル。短時間で長距離を移動できるし、とりわけ都心では人口過密の中で多くの人が半日近くも働いています。つまり、誰かが感染した際にウイルスが「最悪の変異体」に変わって、本人が体調不良を自覚したり、何らかの事情でPCR検査を受けるまでの間に他の人に感染させ、それが連鎖してしまう可能性は否定できないかと。強毒性ウイルスは長く存続できないとはいえ、宿主を弱らせる前に広まれば犠牲者が増えてしてしまいます。

新規感染者数は感染拡大を計る参考値のようなもので、重症率や病床逼迫の方が重要な指標だと思うけど、感染自体を抑える努力もやはり不可欠なのでしょう。

DIAMOND ONLINEの「マンガでわかる「感染」を抑えることで「ウイルス」は弱毒化に向かって進化する」
DIAMOND Online『マンガでわかる「感染」を抑えることで「ウイルス」は弱毒化に向かって進化する』より