Windows 11考

Windows 11

先週、Windows 11のリリース予告がアナウンスされました。確かWindows 10が最後のWindowsだったはずだけど

とはいえWindows 11へのアップグレードも無料だし、互換性に関してはMicrosoftは全力で取り組むはずです。超巨大シェアこそがWindowsの強みだから。

よって一番の懸案は「ユーザの移行タイミング」でしょう。

差し当たり個人であればさほど問題なく移行できるかと。せいぜいデバイスドライバの対応具合程度です。

でも、企業や団体のの場合は難しいですよね。業務用なら用途が限られているので11に急いで上げる理由がありません。

実際、私がXOR for Windowsをリリースした際に古巣のドキュメント制作会社に試用を頼んだところ「まだ社内がWindows 7だから無理」と断られました。Windows 7にはMicrosoft StoreがないのでXORをお使いいただけません。

Windows 10のサポートは2025年とされています。でも、きっと延長されますよね。一方で、来年以降に発売されるPCはWindows 11搭載機種が増えていくでしょう。そうして向こう5年以上、Windows 10と11のどちらがメインのOSなのか判らない状況が続きそうです。

まあ、アプリメーカーはWindows 10と11の両方をサポートすればいいってだけかもしれないけど、単純にテストの作業量が増えてしまいます。

詐欺メール:VJAグループ

「VPass VISAカード<重要>ご利用の Vpass VISAカード VJA 株式会社から緊急のご連絡」なる題名のメールが届きました。もちろん詐欺メールです。これが届いたら、リンクには一切アクセスせず捨てましょう。

参考までにスクリーンショットを貼っておきます。

詐欺メール(VJAグループ)

拡大してください

前日、XORのユーザ様から「XORでは平方メートルと立方メートルが見分けづらい」というお問い合わせをいただきました。XORは二つのPDFをヴィジュアル的に比較するため文字コードによる違いを判別できません。

そこでこのようなデータを用意して検証することに。左が㎡(平方メートル)と㎥(立方メートル)、右がその反対の並びです。

文字検証サンプル

この二つのPDFをXORで比較すると確かに見分けづらいですね。私の環境で等倍で判読できるのは13pt以上でした。しかも、そこに違いがあると判った上での検証なので通常の校正では見逃したかもしれません。

そもそも㎡や㎥の右肩の「2」や「3」は「m」の1/3弱のサイズ。文字サイズが10ptならは2.9pt相当です(ヒラギノ角ゴシックW3の場合)。3ptかそこらの文字は画面上ではなかなか見分けられないですよね。2と3は上半分の形状も似ているし。

とはいえ一般的な印刷物では11pt前後の文字を使うことが多いので、どうにかしたいところです。

差し当たり、細部まで確認したいときは拡大表示をお使いいただきたいと思います。XORのウインドウの左上にボタン類が並んでいます。左から3番目、+マークの虫眼鏡が拡大ボタンです。押すたびにページの表示倍率が上がります。

XORのボタン類

ただし、小さな文字を拡大しても細部はビットマップが潰れるので、先のバージョンアップでは解像度を上げるなど何らかの対応をしたいと思います。

ミスは知らないうちに起きている

最近このWebサイトを改変しました。といってもデザインを差し替えた程度ですが、あるときiPhoneでサイトにアクセスするとこの通り。

iPhoneで表示したXORのサイト
見出しの文字がやたらと大きく、Youtube動画も右側にはみ出しています。

先日までまともに表示されていたはずなのにスマホ向けのcssが適用されていません。変更した覚えはないのだけど。いや、最近MediaQueryとは無関係な箇所を修正した記憶はあります。その際に余計な変更を加えてしまったのでしょう。

実はこの手の怪現象(?)は印刷物制作においても時々発生します。DTPオペレータがDTP原稿の修正指示とは違うところをいじってしまったけど本人にはその覚えがないものだからそのまま編集者に提出。編集者もDTP原稿に修正指示がない箇所の変更には気づかずクライアントに提出。クライアントも同様に見逃して校了。でも、印刷してからミスが発覚して大問題に発展するとか

無意識な変更の原因は色々考えられます。例えば、ある要素を追加する際にレイアウトの都合から近隣の要素を移動させ、戻し忘れたとか間違ったところに戻してしまった場合です。

あるいはDTPデータの整理中にファイルの名前や保存場所を変えればDTPデータを触ってなくても画像が差し変わりかねません。

もっと単純な例だと、command + c(WindowsならCtrl + c)のつもりでcommand + v(Ctrl + v)を押して選択範囲のテキストを書き換えてしまったり、余計なテキストボックスを貼り付けてしまうことも考えられます。他にも色々なパターンがありそうです。

これらを防止するために有効な手段は「提出前にPDF比較アプリを必ず使う」です。「誰も完璧ではない。予期しないミスは常に起こりうる」という心構えで臨むと。

ただし、それには誰もがいつでもPDF比較アプリを使えることが重要です。その点、XORは月額2,000円(税込)のサブスクリプション提供なので、企業ならスタッフ全員分を、個人でも無理なく導入できるでしょう。そうすることで、誰もが新旧PDFを比較して無意識な変更を発見できます。

デュアルディスプレイ制作のすゝめ

XOR for Mac Version 2.0を最大限に有効活用するためにはデュアルディスプレイ構成をお勧めします。

例えばこのように使いましょう。

XORを使うためのデュアルディスプレイ構成

片方のディスプレイでXORを使い、もう片方でDTP原稿を表示します。左右は使いやすいように並べ替えても構いません。

こうすると校正紙を介することもなくXOR上での校正作業、注釈付けが楽になります。

再修正用のDTP原稿も書き出せます

XORでは二つのPDFを指定すると比較結果が即座に表示され、差分箇所に自力で囲みを付けて、DTP原稿を突き合わせた校正結果を注釈として書けます。

その上で、ファイルメニューの「右側のPDFを書き出す」を実行すると、右側のPDF(修正後のPDF)が注釈つきで書き出され、そのままDTP原稿として使えます。XOR上でPDF比較だけでなく校正作業も完結するわけです。

XOR 2.0 書き出されたファイル(再修正用DTP原稿PDF)
XORで書き出したDTP原稿の例。XORで付けた注釈がPDFの注釈として引き継がれています。

私が知る限り、他社製のPDF比較アプリはどれもバッチ処理で比較結果のリポートを生成する方式を採用していて校正の作業はできなかったのではないかと。

amazon風な詐欺メール

このようなメールが届きました。

amazonを騙る詐欺メール

見慣れたamazonのロゴやボタンがあると、うっかり騙されそうになるけど、もちろん詐欺メールなので全文を晒しておきます。なお、最後の行のメールアドレスは私が管理するものです。

Amazon お客様

Аmazon アカウントの情報更新をお届けします。
残念ながら、Аmazon のアカウントを更新できませんでした。
今回は、カードが期限切れになってるか、請求先住所が変更されたなど、さまざまな理由でカードの情報を更新できませんでした。

アカウント情報の一部が誤っている故に、お客様のアカウントを維持するため Аmazon アカウントの 情報を確認する必要があります。下からアカウントをログインし、情報を更新してください。
Аmazon ログイン

なお、24時間以内にご確認がない場合、誠に申し訳ございません、お客様の安全の為、アカウントの利用制限をさせていただきますので、予めご了承ください。

アカウントに登録のEメールアドレスにアクセスできない場合
お問い合わせ: Amazonカスタマーサービス。

お知らせ:

  • パスワードは誰にも教えないでください。
  • 個人情報と関係がなく、推測しにくいパスワードを作成してください。大文字と小文字、数字、および記号を必ず使用してください。
  • オンラインアカウントごとに、異なるパスワードを使用してください。

どうぞよろしくお願いいたします。
Аmazon xor-support@frogfish.jp

手動の強み

既存のPDF比較アプリがバッチ処理で比較結果リポートを生成するのに対し、XORは差分箇所を示し、それにユーザーが赤い線の囲みをつけていく仕様です。

手作業は面倒に思われるかも知れないけど強みもあります。

例えばバッチ処理の場合、アルゴリズムに従って些細な変更さえも検出しかねないけど、手作業の場合は「この程度なら無視してもいい」といった加減ができます。

ワンストップ校正とは?

XOR for Mac Version 2.0の特徴は「ワンストップ校正」です。修正前と後のPDF比較、校正、そしてクラアントへの提出準備がXOR上で完結します。

私が知る他社製のPDF比較アプリはどれもバッチ処理で比較結果のリポートを生成する仕様です。そのため校正作業が以下の二段階になります。

  1. リポートと校正用PDF(修正後のPDF)を突き合わせて差分箇所を把握する
  2. 1. の結果とDTP結果を突き合わせて個々の修正内容を確かめる

対してXORのPDF比較はユーザー自身が見つけた差分箇所に赤い線の囲みをつけていく仕様です。

一見、手作業で差分に囲みをつけなければならないXORよりも、アプリ任せで比較結果リポートを作成してくれるPDF比較アプリの方が楽で効率的に思えるかもしれません。でも、XORで囲みをつける作業は他社製のPDF比較アプリにおける上記 1. の手順に相当します。自動だから手順が減らせて楽というわけではありません。

アプリアイコンも変えました

見ての通り、XOR for Mac Version 2.0ではアプリのアイコンも変えました。

App icon of the XOR
古いアイコン
XOR 2.0アプリアイコン(中くらいのふち)
新しいアイコン

どちらも「X・O・R」の三文字を組み合わせた図ですが、新しい方はフラットでスッキリした印象になったかと思います。