コロナ禍は今で良かったかも

東京など10都府県では緊急事態宣言が延長されたものの、新規感染者数は下がり続けています。

東京都の新型コロナウイルス新規感染者数
東京都の新型コロナウイルス新規感染者数(東京新聞より引用)

この数値の減少は感染経路や濃厚接触者を追跡して調べる「積極的疫学調査」の規模を縮小したからだとも言われるけど、専門家はその説を否定しているようだし、どうなのだか。まだ集団免疫ができているはずがないので、感染拡大には季節性、あるいは流行の持続性には限りがあるのかな。

ただ、昨年からのコロナ禍を受けて私が思ったのが「これが4、5年後だったらもっと深刻になっていただろう」ということ。何しろ2025年には団塊の世代全員が後期高齢者になっているけど、その1/4は東京圏に住んでいるので。それに続く世代の人口も多いわけだし。

これまで高齢化社会は地方の問題と思われてきたけど、これからはいよいよ東京の番が来ます。しかも地方よりも大規模な形で。そもそも東京一極集中とは「後期高齢者予備軍を全国から東京にかき集めた」「生涯を地方で終えるはずだった人の面倒まで東京が診る」に他なりません。当然、さまざまな変化が起きるけど、中でも顕著なのは医療リソースが今以上に逼迫しやすくなること。また、要介護者は増えるのに大規模介護施設は土地の制約で建てられないので、東京には介護離職、介護待機、介護放置も増えるでしょう。そんな中でコロナ禍が襲ったら、今回よりもはるかに多くの犠牲者が出たはずです。

そろそろ日本でも投与が始まるワクチンが効果を発揮すればこのコロナ禍は遠からず終わるかもしれないけど、ワクチンの効果が限定的だったりす、ワクチンが効きにくい変異種や別の新たなウイルスなどが流行する可能性も否定できないわけです。

というわけで、コロナ禍は今だからこの程度のダメージで済んだけど、将来を考えれば東京一極集中の解消にはもっと真剣に取り組んだ方がいいと思います。