Pj web news 2020/04/20

先週のXOR for Windows Version 1.2に続いて、XOR for Mac Version 1.4を印刷ジャーナルのWebサイト「Pj web news」にて紹介していただきました。

印刷業界ニュース Pj web newsの画面
印刷業界ニュース Pj web newsの画面 2020年4月20日付

実は先週、印刷ジャーナルの取締役の方にお会いして話す機会があったのだけど、やはり業界的には厳しい状況のようですね。何しろ新型コロナウイルスの流行は世界的だから、drupa(ドイツ開催)を始めとする国内外の各種業界イベントが次々とキャンセルになって。

そして印刷業界のお仕事の多くは経済活動が停滞すると減ってしまいます。先々のリバウンド需要は大きいと思うけど、いつ収束するかはまだ見通しが立ちません。

なお、このような状況では印刷業界でもテレワークを進めざるをえないとのこと。印刷機のオペレータは無理でも、編集やDTPなどの担当者は在宅勤務が可能なはずです。ならばPDF比較アプリのXOR for Mac/XOR for Windowsはテレワーク時に有用なアプリです。何しろサブスクリプションで期間限定でも導入可能だから。コピープロテクトのドングルはないので会社でも自宅でも同じアカウントで使えるし。

韓国の成功例に倣え?

新型コロナウイルス対策として「押さえ込みに成功した韓国に倣ってPCR検査を大規模に実施しろ」という声がありますよね。でも、私は否定的です。そこだけ真似しても韓国みたいに成果を上げるのは無理だろうと。

新型コロナの感染者数 日韓比
韓国と日本における新型コロナウイルス感染者数の推移。日付が揃っていないけど感染者数の山がいつ頃どう推移したかは解ります

4/16放送のTBSラジオ荻上チキSession-22でも言っていたけど、韓国のコロナ対策が成功した背景にはPCR検査の徹底だけではなく、国ぐるみの監視システムの存在が大きいとのこと。あの国ではクレジットカードによる支払いが一般的で、かつ全員の個人番号とも紐づけられているので、ひとたび感染者(「確定診断者」と呼ぶらしい)が見つかれば、当局は各所の監視カメラ映像などを使ってその人の行動をつぶさに検証できるのだと。

例えば「いつどこのスーパーに行き、どの入り口から入って、何分間滞在し、どの商品を触り、どのレジで支払いをすませ、どこから出て行ったか。その際、マスクはしていたか」などです。そのため当局は懸念される店舗にピンポイントで3日間営業停止といった指示を出せます。

でも、日本では無理。マイナンバーはあるけど電子マネーやクレジットカードの履歴から個々人を追跡監視できる状況ではなく、やろうにもきっと法改正とシステム開発に長い期間が必要なはずです。

実際、日本では新たな感染者が日に日に増えてきているものの半数以上が感染経路不明とされています。怪しいタイミングの自覚がなかったり、思い当たる節があっても「そのお店に迷惑をかけたくない」と報告しないケースも少なくなかろうと。

よって日本が韓国に倣ってPCR検査を大規模に行なったところで韓国ほどの成果は得られないはずです。陽性と診断された当人は隔離できても、その人から感染したかもしれない人たちへの防疫処置には漏れが出るだろうから。

もちろんPCR検査は拡大してくれていいのだけど、それはあくまでも医療リソースのキャパの範囲内でというのが前提です。とりわけICUの医師や看護師、保健師などへの過負荷や必要物資不足が続くようなら、それでかえって医療崩壊を招きかねないので。

アオリねぇ

正直なところ私は最近までアオリの実用性をあまり信じていませんでした。

例えば物理的なアオリ、つまり比較したい二枚の校正紙をぴったり重ね、上の一枚だけを素早くめくったり戻したりして残像で差異を見つける手法は昔から行われてきたけど、あれは面倒かつ不効率です。ページが多ければ作業の手間隙が多くなるのはもちろん、A4サイズでもページ全体を見比べるのは難しいので、差がありそうな箇所を予測しながらでないと肝心なところを見落としがちになります。

それに、PCの画面上でそれを再現した場合、「変わっていない」という確認には有効でも、変わった箇所がたくさん見つかろうものなら対処に困ります。画面で確認しているのにプリントアウトした校正紙に逐一赤入れしたくはないですよね。

そういった理由からXORにアオリ機能を搭載するつもりはありませんでした。

でも、よくよく考えてみたらXORにはマーキングの機能が備わっているので、アオリで見つけた差異に囲みを付けたり、差がなかった箇所をマスクできます。

XORのアオリ表示中のマーキング
見つけた差異にマーキングできればアオリは素晴らしく実用的です

そう、「アオリだけなら今ひとつでも、マーキング機能とセットだったらアオリ表示は有用なはず」ということに遅ればせながら気づいたので、新たに搭載することにしました。

App icon of the XOR

XOR

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緊急事態宣言はいつまで続く?

政府による緊急事態宣言の対象が全国に拡大されました。期間は一応5月6日までとされてはいるけど、きっと延長になるでしょう。

緊急事態宣言のロゴ

外出自粛が徹底されれば新規感染者が減って拡大は収束するはずだけど、その反面、集団免疫を獲得しないままになるので、一旦は収束に向かっても新たに持ち込まれれば再拡大しかねません。まあ、成り行きに任せて犠牲者を出すわけにはいかないから致し方ないけど。

他国のように都市封鎖や感染者の行動追跡ができない日本でやれることは自粛による時間稼ぎのみ。ワクチンや治療薬の開発と実用化までの。その間は医療崩壊を招かないように感染者の増加ペースを抑制し、重症者に確実に処置を行き渡らせる必要があります。

ならば緊急事態宣言がゴールデンウィークとともに終わるとは考えづらく、さらに続くと見るのが妥当でしょう。残念ながら。

ここはアビガンなどの既存薬が有効であることを願うばかりですね。そのおかげで医療キャパに余裕が出れば自粛の度合いを緩められるかもしれないので。

なお、依然としてPCR検査の拡充を望む声は多く、ドライブスルー方式の実施や検査センターを新設するといった案もあるようだけど、くれぐれも医療・保健分野への過負荷を前提としたものにならないよう切に願います。軽症者を入院ではなく隔離することで病床の空きは確保できても、医療用マスクや防護服、人工呼吸器などの必要機材、そして何よりも医師・看護師・保健師などの人材には限りがあるのだから。

アオリ搭載XOR for Mac

Windows版に続きMac版にもアオリ機能を搭載してリリースしました。既にダウンロード可能になっています。

XORのアオリ表示

使い方はもちろんWindows版と同じ。アプリを起動して比較するPDFのペアを表示させたらスペースキー2回押下です。見つけた際には赤い四角形の囲みをつけられます。

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