電動自転車的なアプリです

先日、とあるドキュメント制作会社の方からお問い合わせをいただきました。「説明動画を見てXORのことが気になっているけど、大量ページで写真を目一杯扱うような制作案件にも対応できるか?」と。具体的には商品カタログとかなのかな。

私も否定的な発言はしたくなかったけど事実は誤魔化せないので「残念ながらそのような用途には不向きです」と答えざるを得ませんでした。大規模な制作物の場合、PDF比較であってもある程度は自動化できないと追いつかないですよね。

そう、XORは「機能を最小限に抑える代わりに誰でも導入できるように」をテーマとしたアプリ。いわば電動アシスト付き自転車的な方向性です。

移動や運搬の手段としての総合力だと自転車は自動車には到底敵いません。大人は同時に一人しか乗れず、圧倒的に遅いし高速道路の利用は不可。エアコンもなければ雨風にも弱く、動力は人力です。前カゴや荷台の積載容量もたかが知れています。

その反面、自転車は歩道の走行も事実上容認されていて保育園への子供の送迎や日々の買い物用途に限れば有利とも言えましょう。運転にも難しい技量は必要ありません。

そして何よりも自転車は圧倒的に安価。ガソリン代や税金などの維持費もかからず、駐輪スペースは賃貸住宅でも無料です。

何が言いたいかというと、PDF比較アプリ(デジタル校正、検版ツール)にも向き不向きがあるということ。ページが膨大でPDFの比較作業を自動化できなければ追いつかない制作案件ではProof Checker Proのような高機能・高性能アプリのご利用が最適だと思います。

他方で、XORは「手作業でも事足りる制作案件向き」です。せいぜい数十ページ規模の。例えば名刺、帳票フォーマット、チラシやリーフレット、家電や建材の取扱説明書などかな。

使い方も「差分を見つける」というよりは「無用な変更が発生していないことを確認する」という目的に有益です。私も何度も痛い目にあっているけど、DTPではときどき予想外の変更が紛れ込むので