正社員ってオワコン?

家族を想うとき』というケン・ローチ監督の映画が12月に公開予定です。

なんとなく暖かい響きの邦題に対して原題は「Sorry We Missed You」という寂しいもの。ストーリーは、運送会社に務めていた妻子持ち男性が正社員の身分を失って個人事業主の立場で会社と再契約して働かざるを得なくなり、厳しいノルマとno-work no-payの原則から休むこともできず、劣悪な労働条件で借金もかさみ、奥さんや子供たちも巻き込まれて一家は次第に苦境に陥っていくというもの。実話ではないけど、モチーフになった悲しい出来事が英国であったようです。

本編はまだ見ていないものの、考えさせられます。もちろん移民問題が高じてBrexitにまで発展した英国と、移民を受け入れたがらず人手不足に陥っている日本とでは労働環境が違うので、そっくり同じようなことが起きるとは言えないけど、それでも他人ごとではなかろうと。

これからの日本ではおそらく「企業大合併時代」が到来します。人口減少や高齢化による市場縮小、あるいは経営者の引退などをきっかけにして同業・異業を問わず会社を統合する流れが出てくるだろうと。当然、重なるポストもあるので「合併前の会社では順風だったのに、合併後は一転してリストラ候補」といったケースも出てきます。あるいは合併ではなく廃業とかも。低失業率で人材不足と言っても、各人の経験やスキルと求人内容がミスマッチなら再就職には苦労するでしょうね。大会社勤務なら手厚い退職金がもらえるかもしれないけど、そういう人はほんの一部です。

よって今からできることは「会社に頼らない生き方を探す」かな。第二、第三の稼ぎ口を見つけて、そこそこ売り上げが立つようにしておくことでしょう。さもないと、ある日突然、辞めるか賃下げを飲むかの不自由な選択を迫られて、自分のせいではない外的要因で人生設計が狂い始める可能性だってあるわけです。